エッグいラグビーしてんなぁ~。またそこでもいっちゃうのかぁ~。すっかり初夏を思わせる6月最初の日曜日。誇り高き・赤黒でもなく、一歩手前の予備軍でもなく、反骨心集団・ジュニアチームが、人もボールも、さらには見てる人の心までも動かしちゃう激熱ラグビーを披露した。題しましては…、スーパーフィットネスラグビー・『上井草劇場』!
序盤は対抗戦Aグループに帰ってきた立教の強さ、速さ(11番の選手は衝撃的!)、固い結束(全員が背中にStrikeと書かれたTシャツを着用)に後手を踏み、あれよあれよと3連続トライ。ちょっとワセダ、大丈夫?このまま一気にいかれたりしない? いやいや、心配はご無用です。時計の針が20分を越えたのを機に、状況は一変した。
29分、No8清水直志(この日は獅子奮迅!)のペネトレイト、SH西田剛(お兄さんはあの立教初のトップリーガー・創さん!)の見事な捌きでトライを返すと、そこからまさに縦横無尽。振り子のごとくボールを動かし、ひたすら継続。ただただ走る。ひとたび笛が鳴れば、迷わずハリー。新ルール上等!と言わんばかりのラグビーで、次々トライを重ねていった。「最初のトライを取られた時点で相手に流れがいってしまいましたけど、1本返してからは動きもよくなって、最後まで走れていいゲームだったと思います」(CTB岡上馨)…。
その注目?の新ルール、この日の2試合、そして前日のB対サントリーフーズ戦を見たところだけで言えば、「やっぱりスクラムからパンチのある8にアタックされたらきついなぁ」という印象が残ったくらい。解釈の固まったモールにどう対応していくかはこれからとして、フロントスリーのディフェンスが大事になることだけは、揺ぎないといったところか。
話を戻し…、スーパーフィットネスラグビーの極めつけは、後半35分に飛び出したCTB岡上馨の50メートル独走トライ。そこまでボールを動かし続け(ワセダと立教は噛み合う?)お互いヘロヘロ、さらに5分ほどプレーが切れず足攣って倒れる者続出のなか、ペナルティをゲットすると何の迷いもなくハリー。ワセダ15人、立教12人の状況で、ミッドフィールドを豪快に切り裂いた。この尋常ではないトライに、もう上井草はお祭り騒ぎ。ラストプレーにもターンオーバーからトライを挙げる、フィットネス完全勝利ラグビーは、この上なく美しかった。「いやぁ、熱かったです。いい試合でした。Aチームもこれだけ走れたらすごいでしょうね」(主将・豊田将万)…。赤黒でもこんなスタイル、いかがでしょう? もしできたらフィーバーすること間違いなし。試合後のサブグラウンド、藤森コーチの声が響いた。「はい、みんなしっかりダウンしてくださいね~。また来週から走るんですから~」。鬼か、この人は…。『上井草劇場』はまだまだ続く―
<積極性でグイグイチームを引っ張ったCTB岡上馨>
「いやぁ、しんどかったです…。もっとフィットネスがんばらないとなって思いました(笑)。今日はCTB、CTBでいってやろうって。そこで相手を切っていければ試合に勝てるという意識でした。普段から(CTBコーチ)裕司さんにもCTBで勝って来いと言われてますし。練習でやってきたことが出せているかは…、どうなんでしょう。BK対BKで相手を抜くというところは、まだできてないですけど、相手が流してきたところを切っていく意識はみんなかなり上がってきてるとは思います。今日は最初に3本取られてからのスタート。最初のトライを取られた時点で相手に流れがいってしまいました。みんなで修正しよう、修正しようって言ってたんですけど、逆に停滞してしまいました。1本返してからは、動きもよくなって、最後まで走れてよかったと思います。後半35分のトライがすごかった?、あれは相当辛かったですよ(笑)。でも、ペナルティからはCTBが真っ先にもらいにいく意識でやっていますし、あれがCTBの仕事です。フィットネスをしんどめにやってますし、相手がたくさん攣っているなか、こっちはひとりも攣っていなかったのは、すごいことだと思います。今日は新ルールを採用しての試合でしたけど、やっぱりスクラムからのディフェンスが一番の違いです。相手にボールが渡った時点でもうゲインラインにいる感じ。そこをいかに前で止められるか、フロントスリーが大事になってくると思います。喰い込まれるところから始まってしんどいですけど、今日は前で止めることができてよかったです。他の部分はそこまで変わらないかなと。そこもしっかりとアップすることができれば普通と変わらないですし、フロントスリーだけで止められる。今日やった感じだと、これまでと大差はないと思います」
<新ルールでのスクラム 5m下がるとこんな感じ…>