暑い…、暑すぎる…。早く帰りたいと思っていたけど、一部練ならあの涼しい菅平に帰りたい! 3日間のオフですっかりしフレッシュした『豊田組』は、シーズンへ向け4日より練習再開。連日うだるような暑さの上井草グラウンドには、滝のように汗が滴り落ち、もう勘弁してくれの悲鳴が鳴り響いています。
「下界はまだ全然夏終ってないじゃん…」。「何気に菅平、恋しいんですけど…」
まだまだワセダの夏は終らない! と、いうことで、今回は夏合宿のMVP、見事『Dynamic Challenger』の称号を手に入れた選手を、みなさんに紹介します。
2008年夏の栄えある『Dynamic Challenger』は…、ファーストフィフティーンとしてチームの核であり続けたあの選手でもなく、この夏輝きまくったCチームNo8の佐藤大志(愛称はGG)でもなく、8月30日の立正大戦でスーパープレーを連発した奥野耕輔(間違いなく四年一!)でもなく、何と1年生CTB・村松賢一!!!
夏合宿はコルツ(Eチーム、土のグラウンドで練習を強いられるなど完全別世界です…)スタートも、日を追う毎にライバルたちをごぼう抜き。連日連夜超ハードタックル連発し、気づけばCチーム不動のCTBに定着していた「シンデレラボーイ」です。ときにノックオンして泣いちゃうこともあったけど…、CTBコーチ・山本裕司の言葉を借りれば、「神懸り・村松」です。
この村松、高校時代はさぞブイブイ言わせて~と思いきや、何と合同チーム出身(札幌光星高校、要は自分の高校には15人いなかったということ…)で、花園を目指していたどころか、「スキル全くゼロ」(本人談)の状態での入部でした。よくある「無名校ながらがんばって~」のレベルを超え、中竹監督も「初めて見たときは正直、大丈夫かと心配したよ」と振り返るほどです。
が、今となってはそんなものは笑い話。この1ヶ月での伸びは、「恐らく日本一!」(中竹監督)。いいぞ、村松! こんな男が輝けるのがワセダ! こんな男がいるからこそのワセダ!
みなさん、Cチーム13番の神懸りタックルを是非見にいらしてください!
以下、『Dynamic Challenger』村松賢一、喜びの声です
―『Dynamic Challenger』受賞おめでとうございます。受賞の瞬間はかなり挙動不審だったけど
もう素直に嬉しかったです(笑)。まさか自分がそんなものに選ばれるなんて思ってもなくて、心構えもなかったですし、他にたくさんいいプレーをしていた選手がいたので、とにかくビックリしました。まったくの予想外です…
―周囲の反応もすごかった
1年生のみんなは「よくやったな」って言ってくれましたし、先輩たちからは茶化されてます(笑)。あとは親が喜んでくれました。北海道に住んでいるので、なかなか見に来るということはないですけど、『Dynamic Challenger』に選ばれたと報告したら、「やったな」って(笑)
―夏合宿、振り返ってください
コルツスタートですごくしんどかったです…。初めての合宿でしたし、肉体的にも精神的にも、これまでの人生で一番きつい一ヶ月でした。ホントに自分はスキル全くゼロからのスタート。この一ヶ月で先輩たちに少しでもついていけるようと必死でした
―と、言いながら、ハードタックル連発して、グングン上昇。気づけばC。最初は「大丈夫?」って感じだったけど、チーム一とも言える活躍だった
タックルが決まったのは、もう裕司さんの練習のおかげです。練習してきたことが生きました
―1年生は「史上最弱」と言われ、その言葉が『鉄笛』にもしきりに出てきた。見返してやると
はい。みんなで今までのどの学年よりも努力しようって。例えば、櫻井さんはウエートルームにいつも最後まで残っている。そういった先輩たちに負けずに、どこの誰よりも努力する。そういう意識です
―「スキルゼロ」と言ったけど、高校時代は合同チームでプレー。ワセダでもなかなか稀なケースです
テレビでワセダを見ていて、僕もいつかこういう舞台に立ちたいって思ったんです。すべて関東の大学を受験したのもラグビーをするため。合同チームうんぬんってことは頭になくて、とにかくワセダでやるんだって思ってました。自分のような人間もがんばれる環境がワセダにはあります。今は嬉しさでいっぱいです
―最後にシーズンへの誓いを
まずいかに自分がチームの役に立てるか、どれだけのことができるか。『荒ぶる』に向けて、自分たち1年生からチームを底上げしていければと思っています!