知性と情熱。ワセダはやっぱり気合いタイ! 月も変わり、節分も迫り、心機一転、日本選手権モードに突入。最後まで『Dynamic Challenge』を誓う『豊田組』は、打倒・トップリーグへ向け、最強を知る男たちから闘魂を注入された。
2月1日、この日学生の前に現れたのは、大田尾竜彦・伊藤雄大・五郎丸歩のヤハマトリオ + 「五郎丸組、言われるがまま招集されました」と笑う権丈太郎(NEC)。「まだ体の動くうちに。戦術的な細かいところまでは言えないけど、トップリーグの体の強さを伝えられたら…」(大田尾)と言ったように、学生たち(主にBチーム)に入って2時間超、ユニット・継続ドリルからアタック&ディフェンスまで、すべてのメニューに文字通り体を張り、トップリーグスタンダード、ワセダ愛をこれでもかと表現した。大田尾竜彦のキラーパスを受け、権丈太郎が豪快にペネトレイト。大田尾vs山中・新旧10番対決。有田vs伊藤・近場のガチンコetc 「1週間、毎日ずっと見に来て欲しいくらい」(中竹監督)。ウットリする時間の連続…。
そして、練習後にこの日一番の気づき―。ワセダの弱点、トップリーガーたちがやってきそうなこと(シーズンのトレンド)に関して一通りレクチャーを受けた後、権丈太郎がこの時期忘れかけていた大切なものを思い起こさせてくれた。「何か淡々とやっているように感じたけど、もっともっとやれるはず。残り僅か、『豊田組』としての1日1日を大切にしていってください」。熱さ、あがき、狂気…。ワセダの伝統が改めて心に沁みた。その言葉は、どうやって勝つのか、なぜ勝ってきたのか、継承していくべきは何なのかを思い出させてくれた。気合いタイ! 4人のワセダ愛に最大の感謝―
<最高の恩返し!その頭脳で多くの知恵を授けてくれた03年度主将・大田尾竜彦>
「自分たちのシーズンが早々に終わってしまったなか、何か現役たちの力になれないかと、体の動くうちにワセダに対して恩返しをさせてもらおうと思って今日は来ました。久々に練習に参加させてもらいましたけど、やっぱり社会人とは違うよさがあると感じました。低さだったり、細かいステップだったり。こういったものは社会人にはなかなかないので、経験者としてその辺りを学生たちに伝えられたらと思います。来る前の印象では、もう少しブレイクダウンのところが弱いかなと思っていたんですけど、想像より全然よかったです(笑)。今シーズンのワセダの試合は、早慶戦と準決勝を現場で見たくらいで、きちんとした形ではほとんで見ることができませんでしたけど、大学ラグビーはいい意味で戦国時代というか、色々なところに力が分散しているなと感じました。自分がキャプテンのときのことを思い出したりは…、あまりしませんでしたね(笑)。自分のときも苦しかったですけど、今年はまた少し違う感じでしたから。僕のときは関東学院という大きなターゲットがあって、そこに対してイメージを持っていけたんですけど、今は違うんだろうなと。今シーズンは自分たちのやりたいことをできない悔しさがあって、豊田は大変だろうなと思って見てました。そう思って見つつ…、やっぱり自分のときのことも少し思い出していたかもしれません(笑)。今日は山中くんとも一緒に練習させてもらいましたけど、やっぱり能力、持っているものは素晴らしいですね。あとは何かのキッカケ、それがあればもっともっとよくなると思います。日本選手権ではワセダとしてしっかりとした戦いをして欲しいです。ただやみくもにぶつかっていくのではなく、今年やってきたことを軸にして、大きさでは劣りますけど、その分上回っているところもあるので、そこをしっかりと研究して、対策を立てて、思い切りやって欲しいと思います」
<気合いタイ!熱さ、狂気を『豊田組』に注入した前年度主将・権丈太郎>
「今日は五郎丸さんに言われるがまま来ました(笑)。後輩たちにあまりどうこうはなくて、とにかく僕も一緒に入って練習しようと。個人的にもいい練習になったと思います。技術的なところで僕が言うことはないんですけど…、何か淡々と練習しているようにしか見えなかったので、そこは終わってから後輩たちに話をしました。もっとやれるんじゃないのか?ってことです。これは卒業した立場で思うことですけれど、ワセダでラグビーができるのはすごく大切な、素晴らしい時間です。限られたすごく濃い時間。その限られた時のなかで、1日1日出し切って欲しいと思います。もっと狂ってやれるのではないかと。今シーズンはほとんど豊田しか見ていなかったですけど、対抗戦のときはらしくないというか、元気がなくて、そこだけが不安でした。でも、大学選手権に入ってからは、らしさが存分に出て、それがチームにも浸透して、すごく強くて、やっぱりキャプテンの色って出るものなんだなと改めて思わされました。『豊田組』としてラグビーができる時間はもう本当に限られているので、下級生のみんなには、4年生から学べる残り少ない時間を大切にして欲しいですし、4年生はもう出し切るだけ、日本選手権では『豊田組』らしく一発やって欲しいです。中竹さんが決勝の日に言った、豊田は権丈を越えた発言は…間違いないですね(笑)。あれだけプレッシャーの懸かった決勝で、あんなプレーができるのは本当にすごいことです。自分に置きかけて考えてみるとよく分かります。豊田は本当にすごい奴です」