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2024
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対関東学院大 やっぱり今も特別な対戦…


 「自滅して負けました。主将として、Aチームとしての責任で、まず自分が変わって、その姿をみんなに見せる。絶対にやります」(主将・早田健二)―。二転、三転、四転、五転、何かが起こる『釜利谷決戦』から丸一日。この春の1番、最高の締めくくりを誓った『早田組』は、ミスミスミス、航路を誤り、ドシャぶりの上井草で撃沈した。B、C、Dグッドゲーム(特に後者2つは激熱)、ワセダとして至極のシナリオ、宿敵・関東グランドスラムを目前に…。
 考えうる最高のシチュエーションで迎えたこの日のゲームは、すべてがザ・関東戦。キックオフからの一連の攻防でしくじると、そこから80分ドツボにはまった。セットの不安定さこそあれ、基本攻めているのはほとんどワセダ。ビッグゲインしばしば、継続していれば~の匂いプンプン。しかし…、いつの間にかスコアしているのは関東。10分、左8単からのこぼれ球を拾われトライ。15分、ノックオンでボールを失ったところを一気に切り返されて(その間タックルミス×2)トライ。完全に流れを失うなか、37分には大チャンスフェーズでインターセプト。「ミスにつけ込まれて、ターンオーバーからトライ。ワセダのやりたかった形を逆に関東にやられてしまったのは屈辱です…」(主将・早田健二)。要所のブレイクダウンでも、他チームにはないうまさ、しつこさに屈し、その都度自陣に押し返された。このシチュエーション、『清宮・春口対決』のときから続く、天下分け目のせめぎ合い。攻めて攻めて、ゲームは支配しているように見えても、意図どおりボールを保持し続けなければ、きっちりスコアできなければ、関東の思うツボ。ここ1番の嗅覚、反応、切り返しのシャープさは大学屈指。体制は変われども、2年間ファイナルでの決戦はなくとも、対ワセダの爆発力、フィロソフィーは健在だった。
 「シンプルに、手堅く、冷静に」を意識して臨んだ後半も、一向に状況に変化なし。ペナルティ、乗っていけそうなところでノータッチ。グッドアタック、相手を崩しかけるも最後はノックオン。ターンオーバー、そして自陣。バタバタ焦る、勝手に崩れる。0-17がよほど重く感じたのか、対関東ならではの重圧なのか、ドシャぶりの雨のなか、最後まで晴れ間は覗かなかった。思い返せば…、少しでもチームに緩みが見えようものなら、「このままで勝てると思ってんのか!」と叫んだ山下大悟。それこそインターセプトで言えば、決勝でまさかの一発を喰らいながら、清宮監督の想像を超えたところでチームをまとめ『荒ぶる』を手繰り寄せた諸岡省吾。『レジェンド』、いつ何時も先頭に立ち、正しい道を進み、歴史に名を刻んだ佐々木隆道。気合いタイ、熱きハートと確固たる意志で決してブレることのなかった権丈太郎。理屈抜き、すべてを超越し、最後はひとりで勝利を持ってきた豊田将万。他、各世代、各ポジションに流れを変えるキープレーヤー多数…。雨が降ろうとも、「常勝ワセダ」は最後に必ず美しい虹を架けてきた。しかし、この日のワセダはあっさりと自ら崩れ…。チームとしては未成熟。絶対王者への道はまだまだ遠い…。
 春シーズンラストマッチ、唯一残る?ジンクス、この試合を迎えるまでの過程を考えると、決して小さくはない一敗。半年前も瀕死の状態から関東戦をキッカケに甦った。この日も対関東だからこその大きな学びがあった。奇しくも、夏合宿のファーストゲームは、リベンジマッチ。「今の自分たちの実力がこれなんだと分かりましたし、1ヶ月半先にもう一度関東と対戦できるのは幸いです。今のままではダメだと、試合に出ている人間もそうでない人間も分かった。夏に向けて、まず自分から変わります」(副将・田邊秀樹)。何たる運命。『早田組』、この夏で今ある原形をぶち壊せ―

<変わるキッカケ! 夏合宿初戦でのリベンジを誓う中竹監督>
「今日は学ぶべきところの多い試合だった。関東は関東らしく、ワセダのミスを切り返し、アタックも仕留める。関東はらしく戦い、ワセダはらしくなく負けてしまったという典型的なゲーム。けど、春やってきたことの成果は出ていたので、夏はしっかりとリベンジしたいと思う。今年はこうやって負けを通じても、焦らず、じっくり、チームとして固めるところを固めて、確実な成長をしていきたい。大切なのはこの日のゲームからいかに学ぶか。その点を1番大切にして、夏を迎えていく。今日のこの経験があったから、夏こうなったというゲームをしたいと思っています」

<まさに自滅… 主将としての責任を口にする早田健二>
「自滅して負けました…。主将として、Aチームの責任として、まず僕から変わって、それをみんなに見せて、夏一発目の関東で絶対にやります。今日は自分たちでミスして、自滅して負けた試合です。ここで変わらなければいけない。意識を変えてやり直そうとみんなには話しました。アタックする時間は長かったですけど、敵陣に入れば取れるだろうとみんなが感じて、いつもどおりにやっていたのが反省です。雨の中で晴れの日の戦いをしてしまった。例えば、接点の近くに放ってミス。そこにつけ込まれて、ターンオーバーからトライ。ワセダのやりたかった形を逆に関東にやられてしまったのは屈辱です。そこはやり返さないといけません。今日は80分、変えることができませんでした…。まず敵陣と言っていたのに、相手に合わせるような戦いをしてずっと自陣。敵陣に入っても、冷静にいくべきところで早くいってミス。テンポも悪い。ここは練習からやっていくしかないです。ディフェンスに関しては、いいタックル、いいターンオーバーがあって、春やってきたことに手応えは感じているので、そこはこれからも続けていって、まずミスの多いところの切り替えが課題です。今日は相手のテンポに合わせてしまったのが1番の敗因。いかにきつい局面で戦えるか。そこを変えていく必要がありますし、甘い気持ちではどのチームにもやられてしまう。次の練習からしっかり切り替えて、ミス、イーブンボールへの対応等々、夏にむけてやるべきことをやっていきます」

<自らの存在意義… 先頭に立っての変化を誓う副将・田邊秀樹>
「完敗です…。天気がどうであれ、相手がどうであれ、負けは負け。完敗でした。試合の内容を一言で言えば、自滅。自滅でリズムを失って、反則して焦って、時間がなくなる。分かりやすい負けです。自分が出た後半は…、どうだったんでしょう。ミスが多いことは分かっていたんですけど、継続できず、また下げられて自陣に釘付け。違うやり方をするとか、チームとして修正できませんでした。その修正ができなかったのは僕の責任。後半になっても変えられない、ああなってしまったのでは、僕が出た意味はないということです…。エリアの部分は何とかできましたけど、同じミスを最後まで繰り返してしまいましたし、総じて80分変えることができなかったです。ボールを継続さえできればトライを取れるという感覚はずっとありました。けど、継続できずにミス、ミス、ミス、そしてペナルティ。ずっとその繰り返しでした。ミスの要因は自分たち。ペナルティに関しては、関東がうまかったとか、やるべきことが~とかありますけど、ミスは完全に自分たちの問題。今の自分たちの実力がこれなんだと分かりましたし、1ヶ月半先にもう一度関東と対戦できるのは幸いです。今のままではダメだと、試合に出ている人間もそうでない人間も分かったと思います。夏に向けて、まず自分から変わります」

<関東からの学び! 完敗にも最後まで対抗し続けたNo8大島佐利>
「完敗でした…。試合を通して何一つ変われなかった、変えることができなかったのが、まずかったです。ミスが多くて、ペナルティが多くて、みんなチャレンジはしてましたけど、ツメの部分で冷静になれなくて、最後まで変えることができませんでした。ずっとどうにかしようとは思っていたんですけど…。攻めてはいましたけど、ツメが甘かったです。雨の日の戦い方だったり、考えるところが80分関東が上だったと思います。ワセダは練習からそういった甘さが出ているので、そういうところから変えていかないといけないです。FWとしては、特にラインアウトが安定しなくて、そこからのアタックを潰してしまいました。試合を通じて関東に感じたのが、中盤とここ1番のスクラムでの意識の違い。セットに対する集中力、意識は自分たちも見習わなくてはいけないっです…。ブレイクダウンの2人目の絡みもうまくて早い。そこをワセダも2人目の寄りで対抗しなくてはいけなかったんですけど、最後まで変えられなかったことは、後悔しています…。まず練習から、ひとつひとつのプレー、すべてのファーストから変えていかないとダメだと思っています。あとはチームとしてチャンスとピンチの切り替え、そこの集中力。今日関東から学んだ点をいかに変えられるか。夏、秋にはそこが大事になってくると思います」

<試合後は猛省… ゲームコントロールのミスを悔やむSO村田賢史>
「自分がこれだけ準備したのにテンパってしまったり、ゲームコントロールできなかったのが悔しいです…。自分たちのやりたいことができず、最後までテンポがでなかったですし、エリアの取り方、局面局面での戦い方が関東の方が上で、みんな焦ってしまいました。ミスをするなと言っても、完全に失くすのは無理なので、いかにそれを減らす選択をするか。その点がうまくできなかったですし、前半に取れなかったのが大きかったです(オブストラクション2回…)。インターセプトされてしまいましたけど、雨の中でも前に出られていたので、もっと来て欲しかったというか、テンポ、リズムを上げたいと思ってました。ブレイクダウンに関しても、ジャッカル、球出しを遅らせる関東のうまさにやられてしまった。自滅というか、やりたいことがまったくできませんでした。この天候でのハンドリングエラーはある程度想定できましたけど、ラインアウトがなかなか取れない、スクラムがきっちり止まらないなか、どういう選択するのか、ゲームコントロールのミスが1番です…。夏に向けては後悔することのないように、チームコアとなるディフェンスを意識して、先もプロジェクションはしながら、1日1日を大切にしていこうと思います」

<BチームはCTB宮澤を中心に猛タックル連発!47-5で快勝!>