<対慶大C>
全敗という苦しい夏を経験したジュニアチームが、初戦に迎えた相手は永遠のライバル・慶應。「絶対に負けられない」(フッカー吉村陽介)と、より一層の気合いで挑んだものの、Cチームは終始圧倒され、7-48の完敗を喫した。対してDチームは55-29と快勝。明暗がはっきりと分かれる結果となった。
Dチームの勝利を受けて良い流れに乗りたいCチームだったが、慶應の激しいタックルや自身のミスが重なり、アタックを継続することが出来ない。リズムをつかみ損ねている内に、12分、慶應に左へ展開され、そのまま大外を走り切られてトライを許す。ここでワセダは完全に沈黙してしまった。幾度となくゴール前に迫られると、連続攻撃からあっさりと突破され、前半終了の時点で6トライを献上。
後半になっても形勢は変わらなかった。慶應は9分に再びトライを重ねる。ワセダは25分、敵陣ゴール前でのフランカー渡辺千明の突破からFB飯田貴也へつなぎ、中央へトライ。まさに一矢報いたが、遠く及ばず。更に32、38分と2トライを奪われ、そのまま試合終了となった。
春に勝ったはずのチームに、負けた。この事実は大きい。「今日は一人ひとりで相手に負けてしまって、最終的にトライに繋がる場面が多かったです。一人ひとりの問題です」(吉村)。負の連鎖を断ち切るべく、Cチームの試練の日々は続く。
<対慶大D>
先陣を切ったDチームは試合開始から3分、早くも相手WTBに大外を走り切られ、先制されてしまう。しかし、この日のワセダは違った。「自分達のミスからなので、焦ることもなく」(CTB森田慶良)しっかりと気持ちを切り替えると、その後は反応の早いディフェンスでゴールラインを割らせない。だが同時に、何度もトライチャンスが訪れるも、ものに出来ないワセダ。しばらく一進一退の攻防が続く。再び試合が動いたのは26分。ゴール前での慶應ペナルティから素早くリスタート、左へ展開し、森田がそのまま抜け出してインゴールへ走り切った。3分後にも左へ展開し、ボールを受けたフランカー近藤統晴が左隅にトライ。流れをつかみかけたが、38、42分と立て続けにトライを献上し、リードを許したまま前半は終了した。
後半になると、前半の一進一退は何だったのかと思わせるワセダの独壇場。怒涛のトライラッシュが始まる。WTB大塚悠介のトライを皮切りに、16分までに計5トライ、一気に慶應を突き放した。25分にはハーフライン上のスクラムから右へ展開。大塚が大きくゲインし、パスを受けたプロップ安江順がトライを奪う。更にその直後、SO黒澤健がゴール中央へのダメ押しトライを決め、勝負あり。最後に意地の1トライを奪われるも、55-29で快勝となった。
「合宿で勝てなくて、帰ってきて一発目に慶應ということで、気持ち入ってて。技術が夏と比べてすごい上がったとかいうわけではなくて、絶対に勝たなきゃいけない、しかも一発目が慶應という、そういうメンタルの部分で本気でいったというのが今日の試合に出たんだと思います」(森田)。ようやく、暗闇から一歩抜け出したDチーム。この夏の苦しさを、見事に光へ変えてみせた。
圷萌奈
Cチームゲームキャプテン・吉村陽介
「慶應は絶対に負けられないライバルで、Cチームは夏負けていたので、今日は本当は負けられない試合だったんですが…。合宿から帰ってきてからは、全部負けたということもあり、基礎的な初心に戻って繰り返し反復練習をしていました。でも、今日は一人ひとりで相手に負けてしまって、最終的にトライに繋がる場面が多かったです。一人ひとりの問題です。ラグビーは一人ひとりの力、勝負が試合に出ると思うので、練習から、上のチームもしたのチームも関係なく、対面に負けないでやっていきたいです」
FB飯田貴也
「Cは全然勝てていないので、自分が頑張って勝ちに導けたらいいなと思っていたんですが…、うまくいかず、大差で負けてしまいました。敗因は、FWにしろBKにしろ一人ひとりの良さが出し切れていないことだと思います。(このチームの良さというのは)とにかく走ってサポートして、個人で劣る分みんなでサポートするところです。それが出来ないで、受けてしまったので。個人としては、相手と当たったところで片手になってしまって、ミスが出た。負けてしまったら、自分がいくら頑張っていても意味がないので。勝たなくては。(課題は)トライをとらなきゃ意味がない。もっとトライに執着して、頑張っていきたいです」
CTB森田慶良
「今日はDの試合というよりも、ワセダと慶應の試合だったので。上のチームも下のチームも関係なく、負けてはいけない、とにかく勝つことを意識してやりました。先制されても自分達のミスからなので、焦ることもなく、もう一回そこから切り替えて一からのスタートという感じでした。合宿から帰ってきてやっていたのは、とにかくタックルです。ディフェンスを中心にやってました。合宿で勝てなくて、帰ってきて一発目に慶應ということで、気持ち入ってて。技術が夏と比べてすごく上がったとかいうわけではなくて、絶対に勝たなきゃいけない、しかも一発目が慶應という、そういうメンタルの部分で本気でいったというのが今日の試合に出たんだと思います。課題は…タックルですね。100%止めて当たり前なんで。みんな、Dで勝つことが目標ではなく、上のチームで国立に出るというのを目指してるので。他の大学の下のチームと試合をするんじゃなくて、もっと上を目指してこれからもやっていきたいです」