3戦全勝で適地・釜利谷での一日を終えたかったワセダ。しかし、CチームはB・D戦勝利の勢いに乗ることが出来ず、7-39と宿敵・関東学院大を相手に屈辱の敗戦を喫した。
「ボールキャリアと寄りの早さ、そこで負けた・・・」(フッカー吉村陽介)。この一言に尽きる試合展開だった。前半、しばらくはお互いにチャンスをものに出来ない時間帯が続く。沈黙を破られたのは25分、ゴール前でのモールから展開した関東が先制点をあげた。その5分後にもターンオーバーから素早く展開され、右隅にトライを献上。ブレイクダウンは圧倒され、ディフェンスラインはなかなか揃わない。35分にも追加点を許し、0-17で前半を折り返した。
後半になってもワセダの劣勢は変わらなかった。流れを変えるべく果敢に連続攻撃をしかけるも、一瞬の隙を突かれ、あっけなくトライを奪われてしまう。更に、キックオフから立ち直る間もなく正面突破され、最後は大外の相手WTBがノーホイッスルトライ。しかし、29点ものリードを許し沈みかけたCチームが一矢報いたのは17分、CTB内山竜輔のトライだった。自陣ゴール前のピンチからキックで脱出すると、関東の犯したパスミスを素早くキャッチ。そのままインゴールまで70メートルを駆け抜け、ワセダの意地を見せた。このトライで一瞬息を吹き返したかに思えたが、奮闘空しく25分、29分と突き放され、7-39でノーサイドとなった。
「向こうのやりたいラグビーをやらせてしまった」(吉村)と、いいところを全く見せることが出来なかった。ここ2戦連勝していたCチームだが、「一人目が簡単に寝てしまうキャリアの意識、二人目のブレイクダウン」(吉村)と、根本的な課題が宿敵相手との対戦で露呈した格好だ。次戦の相手は夏に大敗を喫している帝京大。早急に課題を克服し、リベンジを果たすべく挑むほかない。
<ルーキー吉井大爆発!シーソーゲームを制しDチーム3連勝>
3連戦のトップバッターを飾ったDチームは、悪天候を味方につけるかどうかが試合の鍵となった。前半開始から果敢に攻め、敵陣に迫るワセダ。5分に相手ゴール前でのモールから左へ展開し、ロック永山大志が先制トライをあげた。18分には相手WTBに大外を走られ、50メートル独走トライを許すも、この日のDチームは攻守ともに粘り強い戦いぶり。その後も何度か相手WTBが大外から襲いかかって来るも、決死のタックルでゴールは割らせなかった。更に、攻撃面ではSO吉井耕平のプレーが冴え渡った。「雨だったので、キック中心のゲームをしようと思っていた」(吉井)。29分に吉井のライン裏へのショートパントをCTB下平泰生がキャッチし、そのままインゴールへ。前半終了間際にも相手ペナルティから素早く展開し、再び吉井のキックを起点に追加点が生まれた。このまま19-5とリードしたまま前半を折り返す。
後半は一転、シーソーゲームとなった。10分までに立て続けに2トライを献上し、試合は振り出しに。5分後に連続攻撃から吉井が突破して勝ち越しとなるトライを奪うも、22分には関東が24-24の同点トライをあげる。気の抜けない一進一退の攻防が続く中、決勝トライをあげたのはやはり吉井だった。「走り勝って気持ちよかったです」(吉井)。若き司令塔を中心にパスを回し、ミスなく波状攻撃を繰り広げる。敵陣深く攻め込んでもマイボールをキープし、最後は自ら仕掛けた吉井がインゴールへ飛び込んで31-24。宿敵相手にワセダの底力を見せつけた。
頼もしいルーキーの登場もあり、波に乗るDチーム。次戦の帝京大Dチームには、夏に5-47で大敗している借りがある。現在3連勝中の勢いを追い風に、勝利を得られるか。チームの真価が問われる。
圷萌奈
Cチームゲームキャプテン・吉村陽介
「課題になってたボールキャリアと、寄りの早さ。そこで負けてしまいました。ワセダの一人ひとりの意識として、カバーディフェンスの意識というのが決まりなのですが、その部分が後手になって、向こうのやりたいラグビーをやらせてしまいました。(関東は)変わらず、立ってつないで来る展開の早いFWの強いチームですね。課題は先に言ったように、一人目が簡単に寝てしまうキャリアの意識、二人目のブレイクダウンです。一人ひとりが責任を持って、関東にラグビーをやらせないようにワセダの強みを全面に出していかなければならないです」
DチームSO吉井耕平
「Dチームの上に上がれるように頑張ろうと思ってました。(関東は)春の試合はケガで出られなくて、観戦だったんですが個々の能力が強いチームだなという印象です。今日は雨だったので、キック中心のゲームにしようと思っていました。(後半、継続からのトライは)裏が空いていたので。走り勝って気持ちよかったです。復帰2戦目で、感覚が戻ってきた感じですね。下のチームですけど、これからもチームに貢献できるようにしたいです」