試合開始前、選出された全選手と観客が共に被災地へ黙祷を捧げたこのオール早慶明三大学ラグビー東日本大震災復興支援チャリティーマッチは、今年で開催2回目を迎える。全早大は第一試合、全明大に33-19で勝利。全慶大と全明大との第二試合の後に行われた第三試合でも全慶大に17-12と勝利し、笑顔で試合を締めくくった。
第一試合開始7分、早大は全明大に先制トライを許してしまう。10分にNO・8小峰徹也(平21スポ卒=現NTTコミュニケーションズ)がトライを奪うも直後に全明大にトライを返され、なかなか攻撃のリズムを掴むことができない。しかし18分、今試合2トライ目を小峰が決め同点に追いつくと、それを皮切りに全早大が一気に流れを手繰り寄せる。20分にはフランカー金正奎(教3=大阪・常翔啓光学園)がWTB首藤甲子郎(平18スポ卒=現NEC)からの素早いパスに反応しグラウンディング。伝統の素早いパス展開に現役部員とOBとの連携プレーが加わり、33-19で全明大に快勝した。
<第三試合、全早大は第一試合の勢いを保ち、5分にモールトライ、12分にフランカー山下昂大前主将(平23スポ卒=現コカ・コーラウエスト)が順調に得点を重ねる。しかし全早大の勢いもここまで。17分、全慶大のBK陣にスペースを攻められ点差が詰まると、攻撃の主導権が相手に移行した。SH辰野新之助(文構3=神奈川・桐蔭学園)の的確な玉出しもあり25分に3トライ目を奪うも、エンジンがかかった全慶大の俊足を前に全早大は守りに徹する場面が目立つ。試合終了が迫る36分、足が止まった隙をつかれ、相手にインゴールへ飛び込まれてしまう。その後なんとか逃げ切り17-12で勝利したものの、「試合感があまり戻っていなかった」(プロップ上田竜太郎主将=スポ4・東福岡)ことをうかがわせる試合となってしまった。
試合だけでなく、サイン会に記念撮影、オークションなどチャリティー活動に積極的に取り組む選手たちは沢山の人々に囲まれ、熱い声援を送られていた。被災地を励ます側にいる選手たちもまた、多くの人たちに励まされていることを知っただろう。被災地との、選手との、観客との『絆』。今大会で生まれたさまざまな『絆』は、今後選手たちのプレーの源となるに違いない。
(記事 石川瑠未)
<プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)>
――きょうの試合を振り返って感想をお願いします
OBのすごい選手と一緒にプレーできたので、良い経験になりました。
――コンディション面はいかがですか
全然試合をやっていなかったので、試合感があまり戻っていなかったです。
序盤は結構キツかったです。これから、試合を重ねて戻していきたいと思います。
――チャリティーマッチということでどのような気持で試合に臨みましたか
被災された方々への気持ちを考えたり、ラグビーができる喜びを感じて試合に臨みました。
――トップリーグの選手と一緒にプレーしてみて
大きいし、スピードもあって、僕たちとはレベルが違うなと感じました。
――2週間後の関東学院大戦に向けて
僕たちが今、力を入れて練習しているFWの部分で相手を圧倒したいと思います。
<フッカー伊藤平一郎(スポ4=大分舞鶴)>
――本日の試合の感想をお願いします
とにかく疲れましたね。出場したのは早慶戦の40分だけでしたが、久しぶりの試合だったので。チームとしては全く合わせていなかったのですが、淡白にフェイズしないとか、順目に走るといったことを練習してきているので、それをしっかりできたのではないかと思います。
――社会人のOBの方々と試合をしてみていかがでしたか
コミュニケーションを頻繁にとっていただいたり、トップリーガーや社会人チームの強さを身をもって感じられたので、とても良かったと思います。
――シーズンが始まったばかりですが、現在の調子はいかがですか
自分としてはまだまだで、もっとパフォーマンスを上げることができるなと感じています。
――春シーズンの目標をお願いします
しっかりとAチームに定着することと、FWの核となれるよう、しっかりと頑張っていきたいと思います。
<フランカー大峯功三(スポ2=福岡・東筑)>
――きょうの試合を振り返っていかがですか
全早慶明ということで偉大な先輩方とプレーができて、自分自身にとっても色々勉強になりました。
――チャリティーマッチということでしたが、どういった気持ちで試合に臨みましたか
監督からも感謝の気持ちを持ってプレーするように言われたので、まあ僕は40分も出てないんですけど、楽しんでできたと思います。
――先ほどお話にもありましたが、トップリーグの選手とプレーしていかがでしたか
やっぱ一人一人強いし、僕が課題としているところや、新しい経験というかこういうやり方もあるんだっていうのを感じられたので、とても勉強になりました。
――具体的にご自身が課題とされているところはなんですか
走り続けてどこにでもいるようなプレイヤーにならなくちゃいけないと思っているので、ディフェンスでは何回もタックルいって、何回もボールを持つようなプレイヤーになりたいと思っているので、走力とタイミングといいますか顔を出せるプレイヤーにならないといけないと思っています。必要なときに、大事なときにいるっていう、そういうところですね。
――目標としている選手はいますか
やっぱこのメンツだったら(山下)昂大さん(平23スポ卒=現コカ・コーラウエスト)です。去年一緒にやっていて、きょうもフランカーで出ていたので。昂大さんに少しでも近づいて、追いついて、追い越せるようにやっていきたいと思っています。
――2週間後には関東学院戦がありますが、チームの状況はいかがですか
やることがしっかり明確なので、練習自体も締まった良い練習ができていると思います。僕自身も試合に出れるようにしっかり調整して良い試合ができるようにしていきたいです。
――やることというのは
強く、走って、っていうわかり易いんですけど、でもやっぱり一つ一つをしっかりやらないとできないことなので、一つ一つ責任を持ってやっていきたいと思います。
<SO吉井耕平(スポ4=奈良・御所工業)>
――今回のチャリティーマッチにどのような気持ちで臨みましたか
OBの方だとかが出られる試合で、いいものが得られたらなと思って試合に臨みました。
――実際にトップリーグなどで活躍されている先輩方とプレーした感想は
相手のサントリーの竹本さん(隼太郎)とかがすごく強くて、これがトップリーグかという感じでした。
――お手本にしたい選手などはいましたか
やっぱりワセダのOBの方はプレーの意識が高くて、学ぶところがたくさんありましたね。
――例えばどのような部分ですか
ディフェンスとか果敢にいくところはまねしたいなと思いましたね。
――現在のコンディションはいかがですか
シーズン始まって初めての試合なので、結構まだまだこれからという感じでしたね。
――具体的にどのような部分が足りていないと感じますか
対面とか相手を意識した練習をしないといけないなと思いました。
――これから本格的にシーズンが始まりますが、心掛けていきたいことは
常にトップで、Aチームとして出られるように頑張りたいと思っています。
<WTB原田季郎(教4=福岡・筑紫>
――きょうの試合を振り返って感想をお願いします
きょうの目標は勝つことだったので、全慶大、全明大どちらにも勝つことができて良かったです。楽しくプレーすることができました。
――開催2回目を迎えたチャリティーマッチ、どのような思いでプレーしましたか
楽しもうと思いました。先輩方とプレーできる貴重な機会ですし、負けたら終わりということもないので。
普段の試合よりも楽しむ気持ちが強くありました。
―‐トップリーグの選手とプレーをした感想は
自分はまだまだだなと思いました。大学卒業後もラグビーを続けたいと思っているので、参考になりました。
――憧れの首藤選手、中濱選手とプレーして、どうでしたか
すごかったです。強いなと思いました。
――具体的にどの点が素晴らしかったですか
大袈裟かもしれないですけど、ボールを持った時の歓声。それとボールをたくさん受け取っていたということです。存在感があるし、味方からの信頼も厚いってことですよね。自分はきょう全然ボールに触らなかったので、まだまだ追いつけていないなと思いました。
――2週間後に関東学院大戦が控えていますが、コンディションは
いつも通りです。ケガも特にないので、自分らしく思い切りプレーしたいと思います。