気力で追いつくも競り負け
例年、1年生同士の熱い試合が繰り広げられる新人戦。関東学院大、明大と2敗して迎えた早大は最終試合に慶大を迎える。早大にはケガ人が多発し、本来SHである岡田一平(スポ1=大阪・常翔学園)、山岡篤樹(教1=東京・本郷)、FLの池本翔一(スポ1=愛知・千種)が別のポジションに移ってプレーするという厳しい状況。前半を5-7でほぼ互角で終えると、両者の勢いは更に加速する。3トライをリードされながらも後半終盤に同点に追いついた早大だったが、終了間際に慶大に再度突き放されるPGを決められ24-27で敗戦を喫した。
開始早々の7分に岡田がトライを挙げた早大。一進一退の攻防が続くが、慶大も黙っていない。29分に自陣ゴール前で再三のFW勝負を耐えた早大だったが、慶大にパスを回されるとディフェンスが崩され得点を許してしまう。その後も主導権がめまぐるしく入れ替わる熱い展開が繰り広げられるが、得点には至らず。意地がぶつかり合う緊張感のある前半を5-7で折り返した。
後半は序盤から慶大に攻め立てられてしまう。慶大BKに猛攻を受けると、15分間で3トライを奪われ5-24。大差をつけられてしまうが、簡単に負けられない早大の選手たちは力を振り絞る。相手ゴールにSH近田望(法1=東京・早大学院)が突っ込んで1トライを取り返すと、山岡のビッグゲインから岡田が再びトライ。そして、WTB今岡晃大(商1=東京・早大学院)が同点トライを挙げ、早大サイドの大歓声が響いた。終了間際に慶大のPGによって失点してしまい惜敗を喫したが、最後の最後まで諦めない姿勢を見せた早大フィフティーンには惜しみない拍手が送られた。
結果的に惜敗を喫したものの、慶大に対し好機を何度も作った早大。スクラムでターンオーバーしチャンスを作り、ゴール前に押し込まれながらも粘り強いタックルでしのぎきる場面も見られた。後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)は「内容的には早明戦の方がはるかに集中力があった」と苦言を呈しながらも着実な成長を認めている。ゲームキャプテンを務めた岡田は「自分たちが4年生になったときにこのメンバーから1人でも赤黒を着て慶大を倒せるように頑張りたい」と強い決意を示して試合を振り返った。未熟ながらもしっかりとした気力を見せた新人が赤黒争奪戦に関わってくることに期待したい。
(早稲田スポーツ新聞会 辻耕平)
◆コメント
後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――本日の試合の感想をお願いします
点差的には競った試合になったけど、内容的には、早明戦の方がはるかに集中力があってよかったかなと思います。
――新人早明戦からの成長は感じましたか
成長はしてると思います。特にきょうはスクラムでプレッシャーかけてたし、そこに関しては成長してる。だけどむしろ、早明戦のときは集中力を高く保ってディフェンスできたんだけど、きょうはちょっと緩くなってしまった部分がでたかなと。あとは、不用意な反則を繰り返してしまって、結果的にそれが負けにつながってしまった。精神的な部分で片づけてしまっていいかわからないけど、不満の残る試合だったね。
――1年生の中で期待してる選手はいますか
これから誰がどのように伸びてくるかという点では、全員に期待しています。
――今週末の流経大との試合では何が勝負のカギになると考えていらっしゃいますか
おそらくキープレイヤーとなる外人が2人くらいいるので、まずはその2人を止めれるかどうかだと思います。
SO岡田一平ゲームキャプテン(スポ1=大阪・常翔学園)
――今日の試合を振り返って感想をお願いします
自分たちが練習からずっとやってきた最初の10分で試合を決める、最初の10分で出し切るということが目標でした。それが全然できずに後半の最初10分くらいで3本トライを取られてしまって、練習でやろうといったことができずに残念に思います。一方で自分たちの成果といえば、ディフェンスのタックルです。きっちりタックルにいっていたので、慶大相手に粘れて接戦に持ち込めたのかなと思います。敗因はペナルティの多さと最初10分の出だしが悪かったことですね。
――多くの選手にケガがあったようですが
ケガ人もいたんですけど、ケガがない人間なんかいないので、どんな状況でもワセダのチームとして相手を倒すという絶対だと思います。ケガは早く治してほしいと思いますが、言い訳なんてできないので今日の結果を受け止めたいです。もう新人の試合はないですが、チームに分かれても少しでも早く、多くの選手が赤黒を着れることを目指して頑張りたいです。
――試合中に徹底したことはありますか
やはりディフェンスですね。相手を倒しきることです。皆があまりタックルができてなくて、やはり自分がいくタックルから自分が見せなければならないので、自分がビッグタックルをして相手を仰向けに倒すなどをしたいと思っています。
――岡田選手も2トライを取られました
1本目のトライはリズム良くいって、前半のアタックからです。自分の意地ではないですけど、力任せにいった結果かもしれないですね。しかし、トライに結びついたのでそれは良かったと思います。2本目のトライは皆が順目に早大のラグビーをして、結果自分の前が空いてくらたので、皆で取ったトライだと思います。
――新人戦3試合を振り返って感想をお願いします
結果的に全部負けてしまったんですけど、結果は変えられないものなので、次へ次へ考えていきたいと思います。これからE、F、コルツと分かれていく中で、1人1人の修正点を考えて、自分たちが4年生になったときにこのメンバーから1人でも赤黒を着て慶大を倒せるように頑張りたいと思います。
――最後にご自身の目標をお聞かせいただけますか
目標は自分ができるだけ早く赤黒を着て、自分のプレーで1年生皆に語れるように、皆を引っ張っていけるようになりたいです。