最後の試合、笑顔で締めくくる
風もなく、穏やかな気候のもと4年生の追い出し試合が早大上井草グラウンドにて行われた。4年間の思いがこもった赤黒に袖を通すのもこの日が最後となる。全国大学選手権以来1カ月ぶりに集まった選手たちは、現役時代をほうふつとさせる気迫あるプレーを見せるも、終始穏やかな雰囲気で試合は運ばれた。開始10分、FB原田季郎(教4=福岡・筑紫)の鮮やかなトライに始まり、息の合ったプレーで下級生を圧倒。後半に入り2度のトライを許したが、4年生の意地を見せ24-12でノーサイドを迎えた。
試合後半、普段は試合に出ることのない女性トレーナーらも加わりパスを回されると、一直線に駆け抜けトライ。4年間陰で支えてきたメンバーも含め、「最後なので楽しみたいなと思っていました」(原田)と、最後の赤黒となる試合は和気あいあいとした空気に包まれていた。プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)は試合に出られなかったものの、「最後負けてしまったのですが、4年間良い同期、後輩に恵まれて楽しく過ごせました」と話し、自身の大学ラグビーを振り返った。
入学以来、一度も『荒ぶる』を歌うことができなかった4年生。その雪辱を果たすためにも、多くの選手がトップリーグへと舞台を変え、再び日本一を目指すことになるだろう。残された3年生以下は来季こそ5年ぶりの『荒ぶる』奪回へ。それぞれの思いを胸に、新たな挑戦が始まる。(早稲田スポーツ新聞会 山口智子)
<コメント>
プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)
――きょうの追い出し試合はいかがでしたか
本当にきょうで終わってしまうんだという気持ちでした
――引退から1カ月が経ちましたが今の心境は
最後負けてしまったんですけど、4年間良い同期、後輩に恵まれて楽しく過ごせました
――4年間で感じたことはありますか
出し切ったんですけど、負けたら悔いが残るので勝つことの意味っていうのはすごく4年間で感じました
――主将として挑んだ一年は
最後の一年はすごく大きな経験をさせてもらいました
――今後ラグビーを続けていく上での目標をお願いします
2019年に日本でワールドカップがあるのでそれに選ばれるようにしっかり頑張っていきたいと思います
SH西橋勇人副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――追い出し試合の感想をお願いします
ついに自分も追い出される側になったんだなと感じました。
――ワセダでの4年間を終えて
結果は良くなかったんですけど、一生付き合える仲間に出会えたのでよかったです。
――この1年間を振り返って
最後のほうになってくるとケガ人も多々出始めてキャプテンも出れないことがあったので、そういった分では一個一個のプレーに責任を持たなければいけないと思って、そういうところを意識してやってきました。
――副将としてはいかがでしたか
キャプテン上田(竜太郎、スポ4=東福岡)ができない部分を自分に支えてほしいという意味で選んでくれたと思うので、ことし一年間サポートはしっかりできたかなと思います。
――SHはポジション争いが激しかったですが、不安はありましたか
最初のほうは自分がなぜ使われているのかわからなかったんですが、副将だから使ってもらえているというのではなく、自分の力で勝ち取っていこうと日々の練習でも意識していました。
――辛かった時期はありますか
一番辛かったのは2年生で早明戦に出たりして、これから大学選手権では9番を取ってやろうというときにケガをして出られなくなったというのが自分の中では一番悔しかったですね。
――一番印象に残っている試合は
4年の早慶戦ですかね。ロッカールームで初めてキャプテンソロを歌ったのが早慶戦だったし、上田がいなくて自分がキャプテンをやったので、一番力が入った思い出に残っている試合です。
――同期はどんな存在でしたか
ひとりひとり個性が強くてまとめづらい学年だったんですが、いつもふざけているけど、ふとしたときに心強い言葉をかけてくれるいい仲間でした。
――後輩へ一言
もうワセダに涙はいらないので、1日1日をしっかり大切にして、日本一を勝ち取ってほしいですね。
――次の舞台への意気込みをお願いします
1試合目からしっかり試合に出て、日本一を狙っていこうと思います。
ロック永山大志(人4=長崎北陽台)
――きょうの追い出し試合の感想をお願いします
そうですね。1か月ぶりに集まってチームとして成り立つかどうかわかりませんでしたが、4年間やってきた仲なので、意外とぶっつけ本番でもうまく機能したかなと思いますね。試合らしくできたかなとは思います。
――4年間を振り返ってみていかがですか
みんながよく言っているように、1年のときから本当にまとまらない学年で、リーダーがいない学年でした。最後負けてしまいましたが4年として1つになれました。結果はついてきませんでしたけど、良い学年だったかなと思います。
――同期への思いはどのようなものですか
こういう学年なので、好き勝手やっているといらつくことが多かったです。でも、みんな建前ではなく本音でぶつかってくるので、そういう面ではプラスに、前に進める部分も多くて。言い合う仲ですけど良い学年なのかなと僕は思います。
――後輩のみなさんに伝えたいことは何ですか
予餞会でも話しましたが、すごく良くまとまっているので良いチームになると思います。ただおとなしいところがあるので、僕らの代を見習ってではありませんが、僕らの代みたいに言い合ってということですね。仲違いする部分も出てくるとは思いますが、言い合ってからまた考えをまとめた方が良いかなと思います。そういうところはもうちょっと頑張ってほしいなと思います。
――主務としてのこの1年間はいかがでしたか
正直主務としては迷惑かけてばかりで、特に4年のスタッフには迷惑かけました。でも4年のスタッフ、下級生もそうですけど、みんなの協力があって何とか選手と両立してできたので、スタッフに感謝しています。
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