第35回関東大学ジュニア選手権 対慶大B 10月27日 早大上井草グラウンド
これまで関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)で明大B、帝京大B、筑波大Bと対戦してきた早大B。今日は慶大Bとホームで戦った。前半はテンポの良いパス回しから計6トライ、38得点を奪う。しかし、後半は前半の点差に気の緩みが出たのか、慶大Bの勢いに圧倒されほぼ敵陣に踏み込めない展開に。逆に4トライを奪われ、後半の拙守に課題が残る試合になった。
前半は風下の攻撃のもと、早大Bが主導権を取った。開始13分、クイックスタートからパスをつなぎWTB土肥将也(人4=東京・三鷹)が左サイドを突破しトライ。続けて16分、慶大Bのペナルティーから得た早大Bボールスクラムを起点にBKに展開。またも土肥が右中間に飛び込んだ。早大Bは開始20分までに3トライを重ね、リードを広げる。この後、慶大Bが息を吹き返し1トライを奪う。しかし、早大Bは流れを渡さない。25分WTB山本龍平(商3=東京・都武蔵)がフィジカルの強さを活かし右サイドから内側に切り込むと、パスを受けたSO間島陸(商4=東京・早大学院)が中央突破しトライ。その後も左右に揺さぶりをかけ合計6トライを決める。前半を38—12で折り返した。
迎えた後半は慶大Bに圧倒される。開始18分、インターセプトに成功した慶大Bが70メートルの独走トライを決める。対する早大Bは25分、SH中尾康太郎(スポ3=福岡)のパスからNO・8古賀壮一郎(教4=福岡・筑紫)が中央にトライを決めたが、以降流れを慶大Bに渡してしまう。自陣での苦しい守りの時間が続き、突破口を見出せなかった早大B。守備でも粘りを見せることができず3トライを奪われた。勝利したものの、満足出来る試合とはならなかった。
「ディフェンスのセットが遅くなってしまう」(プロップ光川広之、スポ3=神奈川・公文国際)という言葉の通り、疲労から足が動かなくなってしまった後半。相手のペースに持ち込まれた際に、いかに早くディフェンスラインを組み立て、守りのリズムを取り戻せるかがカギとなる。この試合で勝利したことにより、上位4チームで行われる決勝トーナメント進出が決定した早大B。決勝トーナメントで再び対戦する明大B・帝京大Bに勝利するためにもこの課題の修正が重要である。
(早稲田スポーツ新聞会 高畑幸)
◆コメント
プロップ光川広之(スポ3=神奈川・公文国際)
――この試合を振り返って、いかがでしたか
点取り合戦のようになってすごくきつかったのですが、やはりそこでディフェンスで0点に抑えなければいけないので、これだけトライされたのは課題だと思います。
――慶大Bの印象はいかがでしたか
個々が強くて帝京大のようなチームだったので、1対1で負けるのだったらダブルで、低いタックルでいかなければいけないなと思いました。
――自分が勝利に貢献できたと思うところはどこですか
スクラムです。
――後半失速の原因は何だと思いますか
相手が圏内で攻めて攻めて、どんどんテンポ良くつながれたときに、ディフェンスのセットが遅くなってしまうので、そこの厳しさが足りなかったです。
――決勝トーナメントに向けて、意気込みをお願いします
チームとしては優勝で、個人的には、セットプレーはもちろん、僕はディフェンスが課題なので、どれだけタックルを外されないで継続していけるかということが目標です。
フッカー清水新也(スポ3=宮城・仙台育英)
――試合の振り返りをお願いします
自分の出来が本当に最悪で、僕が最初のセットプレーを大事にしようと言ったのに、いきなり僕がラインアウトでミスしてしまいました。そこから前半の最初は自陣ばかりになってしまって、悔いが残ります。
――そこから点を大きく積み上げられた要因はどこにあるのでしょうか
前半はBKがいいタメを作って有効な攻撃をしていました。そこは練習でやっていたことなのでよかったと思います。
――前半の最後でオフサイドのペナルティーが多発していましたが、チームで取り組んでいることはありますか
オフサイドラインから30センチ下がってから上がろうという声かけをしているんですけど、そこが徹底できなくてラインオフサイドが重なりました。ハーフタイムで後藤監督(禎和、平2社卒=東京・日比谷)に30センチじゃなくて、1メートル下がれというアドバイスを頂いて、少しは改善したと思います。
――前半と一転して後半に大外で抜かれることが多くなった要因は何でしょうか
やっぱり外で抜かれる前に、内側に切り込んできた相手に対してFWが全然当たれてなかったので、そうして外で取られたと思います。
――関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)としては決勝トーナメントに進出しましたが、意気込みを聞かせてください
明大Bと帝京大Bには負けているので、そこに勝てるように頑張ります。
フランカー植田耕平(スポ4=東京・本郷)
――久々の先発出場でしたが、どんな気持ちで臨みましたか
先発で出たのは約1年ぶりで、下手したらきょうがワセダでの最後の試合になるかもしれなかったので、後悔しないように最初から思いっきりいこうと思って臨みました。ここで結果を残せば、11月23日の早慶戦も出れると思っていたので、すごく気合入っていました。
――立ち上がりが良かった要因は何ですか
BKが準備していたアタックがすごくうまくいったのがよかったと思います。
――植田選手自身のプレーの評価はいかがですか
前半から全力で行って80分間走り切れなかったのが、反省であり後悔しています。
――持ち味の鋭いタックルは随所に光っていましたね
そこでしか勝負できないので、そこだけは意識してやりました。
――ラインアウトでミスが重なった原因は何ですか
後半うまくいかなくなったときに、修正できなかったのが原因です。そういう部分が自分たちがAチームに行けない部分だと思います。
――この試合で見えたチームまた個人での課題は何ですか
後半大事なところでの集中力、あとディフェンスでの粘りですかね。一人一人がもっと責任を果たさないといけないと思います。
――赤黒に向けて抱負をお願いします
ジュニア選手権で結果を残すことが、赤黒への一番の近道だと思うので、ジュニア選手権で優勝して赤黒を着れるように頑張りたいと思います。
NO・8古賀壮一郎(教4=福岡・筑紫)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前半はゲームメイクが良かったと思います。前半は全体的に良かったです。後半は相手がやるしかないという勢いで挑んでいて、ゆっくりしてしまったのが悪かったと思います。
――ゲームキャプテンからの指示はどのようなものでしたか
FWのセットプレーを安定させることでした。前半は風下だったので敵陣に進むことを意識していました。
――相手の当たりはどうでしたか
相手のコンタクトは強かったです。それでも、後半の勢いの方がすごかったです。
――今回の試合で鍵となったプレーはありますか
前半よく決まっていたロータックルですね。タックルするときに一人目が低く刺さるとディフェンスがやりやすくなるので。
――前半終了間際にシンビンになったのは何故ですか
チーム全体でペナルティーが重なっていたので、最後にペナルティーを犯した自分がシンビンになりました。
――後半、相手の勢いに押されてしまった原因はどこにありますか
前半に点差がついていたので、そこで気が緩んでしまったと思います。
――決勝トーナメントで再び対戦する、明大B・帝京大B戦へ向けて意気込みをお願いします
二つとも僅差で敗れている相手なので、今度こそきっちりと勝利したいと思います。
SO間島陸(商4=東京・早大学院)
――試合を振り返っていかがでしたか
Aチームが来週帝京大戦ということで、それに向けてメンバー選考も兼ねていて、Bチームもゲームテーマとして『サバイバル』と言われていたので、チームの勝利はもちろんだったのですが、その中でも自分をしっかりアピールできるように頑張りました。試合としては、風下だった前半に粘り強く戦えて、後半はミスやペナルティーなどだめなところが出てしまい、あまり良い展開ではなかったのですが、結果としては勝てたのでよかったです。
――キックの調子はいかがでしたか
ぼちぼちですかね。前回よりはまだ良かったかな、と思います。
――トライを振り返っていかがでしたか
FWがしっかり前に出てくれていて、BKも良い展開ができていたので、自分の前が空いていただけですね。
――ディフェンス面はいかがでしたか
大外を抜かれることが多くて、コミュニケーションの部分は改善できることも多いと思うので、しっかりビデオを見て、修正していきたいです。
――ジュニア選手権では決勝トーナメントに進むこととなりましたが
自分たちが2位になって、明大Bとはホームで試合することになると思うのですが、1回負けているチームなので、勝ちにいきたいと思います。
――来週の帝京大戦に向けて意気込みをお願いします
1年間ずっと帝京大をターゲットとしてやってきて、やっぱりAチームと試合することに意味があると思うので、まずは試合に出られるように1週間しっかり練習をして、試合にでたら勝てるように、頑張りたいと思います。
WTB土肥将也(人4=東京・三鷹)
――前回の筑波大B戦からどういった修正をされましたか
BKのミスが単純に多かったので、BKのミスを減らすことにフォーカスしてやっていたのでその成果が少しは今日の試合で出せたんじゃないかなと思います。
――試合へはどのような意気込みでしたか
負けてしまったらもう帝京大Bと対戦出来なかったりする可能性もあったので本当にこの一戦を勝ち切るということを皆で意識していました。僕たちにとっての早慶戦でもあるのでそういう意味で気合入れて臨みました。
――個人として試合を振り返っていかがでしたか
良い形でボールを貰えたのでトライを取り切れたのは良かったんですけど、後半の流れが悪かった時にボールに触れなかったのでそういう流れが悪いときにもっと積極的にボールを呼び込んで流れを変えられたらなと思います。
――チーム全体ではいかがでしたか
前半はすごく良かったです。後半相手が結構修正してきて、攻め方を変えてきたんですけどそこに対応出来ていなかったので、そこが悔やまれるというかもったいなかったなと思います。
――チームとしての収穫と課題は
収穫はすごくBKのアタックが良かったことです。それは続けてもっと精度をあげていって、課題はやっぱり規律の面でペナルティーが多かったことと、(トライを)何本も取られてしまったのでディフェンスの精度だと思います。
――次回の試合に向けて一言お願いします
Aチームに上がるために活躍するのはもちろんですけど、もっとFWを楽にできるようないい場面でトライを取れたらなと思うので、次もトライにこだわってそういう形でチームに貢献できたらなって思います。
WTB山本龍平(商3=東京・都武蔵)
――試合を振り返っていかがですか
前半は見ていて気持ちが良いぐらい良いテンポでBKとFWの連携も取れていて点差をつけることができたんですけど、後半に失速してしまった部分があって、集中力とか精度という部分での詰めがまだ甘いのかなという感じですね。
――トライを決めたシーンを振り返ってください
余ったところにたまたま自分がいて良いパスを放ってもらったのでそこに走っただけで、自分の力というわけではないですけど、久しぶりのトライだったのでちょっと嬉しかったです。
――後半、WTBの選手を止めきれずにトライを奪われるシーンが何度もありました
背はそんなに大きくないんですけどとにかく強さとスピードを持っていて、一発で外を抜かれてしまったことが何度かあったので反省しています。内側は仲間を信じて外だけは絶対に抜かせないというディフェンスをして若干の修正はできたんですけど、もっと自分の強みのタックルで止めないといけないと思うので、自分の良さを出すことができるようにもっと練習して精度を上げていきたいです。
――次戦につながる収穫はありましたか
前回の筑波大B戦でBKのミスが多くて試合の雰囲気全体を悪くしてしまったのですが、その一方で今日の試合はBKでも点を取れるということを証明できたと思うので、これからもそれをどんどん強みにしていって帝京大にぶつけていきたいと思います。
――いまのチームの雰囲気はどうですか
キャプテンを中心に自由に意見を言い合える状況なんですけど、まだやっぱりキャプテン頼みなところがあるのでもっと一人一人が自立して情報を発信してコミュニケーションをとれるチームになれたらなと思います。
――この次には決勝トーナメントが控えています
ジュニア選手権ではまだメイジと対戦したことはないんですけど、春には1勝していて、秋のジュニア選手権では最後に逆転されて負けていて一勝一敗の状況なので気を抜くことなく力をさらに高めて全力でラグビーするだけです。
――来週の帝京大戦に向けて意気込みをお願いします
今日のパフォーマンスでメンバーに入れるかわからないんですけど、気持ちでもパフォーマンスでもいつでも自分が出られる準備はしているので常に高いところを目指して、自分が試合に出ている姿を皆さんに見せられるように努力していきます。
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