関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)準決勝敗退から1カ月。早大Bは今季初対戦となる東海大Bと練習試合を行った。ジュニア選手権入れ替え戦で筑波大Bを破り、カテゴリー1への昇格を決めた東海大B。勢いに乗る相手に序盤から苦戦を強いられた早大Bは、攻め込む相手を止め切れず前半だけで5トライを献上する。後半は巻き返しを図るも反撃及ばず、20-32で悔しい敗戦を喫した。
東海大Bキックオフで始まった前半。開始早々気迫あふれる猛攻を見せた相手に自陣への侵入を許すと、インゴール手前から連続攻撃を仕掛けられ、先制点を奪われる。主導権を握りたい早大Bはフランカー呉泰誠(スポ4=大阪朝鮮)の突破でインゴールに迫るも、相手のディフェンスに阻まれなかなか得点にはつながらない。加えて度重なるミスで相手に好機を与え、16分にはモールから失トライ。さらに点差を広げられる。だが22分、敵陣でのラインアウトからモールを押し込み一気にゲインすると、ラックから左に展開。最後は大外でパスを受けたWTB土肥将也(人4=東京・三鷹)がインゴールに走り込み、得点を決めた。このまま流れを呼び込みたい早大Bであったが、直後にパスインターセプトからの独走トライを許すと、その後は自陣にくぎ付けとなり2トライを献上。5-27と大差を付けられ前半を折り返す。
22点を追いかける展開となった早大Bは後半10分、相手のペナルティーからチャンスを得る。敵陣深くでモールを形成すると、激しい攻防を乗り切ってパスをつなぎWTB杉聡司(政経4=福岡・西南学院)がグラウンディング。さらに14分にも密集から抜け出したSH中尾康太郎(スポ3=福岡)がハーフウェーライン付近から独走し、追加点を挙げる。
2連続トライでペースをつかんだと思われたが、以降はミスから度々好機を逃し、両者とも得点を奪えない時間が続く。後半は相手の力強い攻撃を止め、無失点に抑えていた早大Bだが、37分、膠着(こうちゃく)状態を打ち破った東海大Bにダメ押し点をたたき込まれ勝利は絶望的に。ロスタイムに途中出場のFB滝沢祐樹(基理2=福島)が相手を抜き去り、杉がトライをもぎ取るも、点差を埋めることはできずノーサイドを迎えた。
相手の勢いに押され、最後まで悪い流れを断ち切ることができなかった。「明大B戦に引き続き、ペナルティーやミスを重ねて相手にボールを与えてしまった」(呉)と言うように、前回の反省を改善できなかったのは悔やまれる点だ。4年生が多く名を連ねている早大B。赤黒に袖を通せるチャンスは残りわずかだ。不調が続くBチームを立て直し、Aチームに返り咲くことはできるか。来週控える慶大B戦が彼らにとっての正念場となる。
(早稲田スポーツ新聞会 大口穂菜美)
フランカー呉泰誠ゲームキャプテン(スポ4=大阪朝鮮)
――試合を振り返って感想をお願いします
入りから東海大Bさんの気迫あるまとまったチーム力に自分たちが全く対応し切れず、チーム力の部分で負けてしまったという印象があります。明大B戦に引き続き、ペナルティーやミスを重ねて相手に簡単にボールを与えてしまったのは厳しいところだと思います。
――敗因はペナルティーの多さでしょうか
それもあるんですけど、そもそも全員が練習試合で頑張ってAチームに上がろうという思いが相手チームよりも劣ってたんじゃないかなと思います。
――ゲームキャプテンとしてどのような声掛けをしましたか
いまのチームはあと1ヵ月で終わりなので、4年生も下級生も最後まで食いついて諦めないでいこうと言っていたんですけど、それがうまくいけなかったというのが残念です。
――ディフェンス面はいかがでしたか
相手の力強い推進力のあるアタックに対してこっちのFWが止め切れず、前に前に寄っていってしまいました。つられてBKも寄ってしまっていて、相手のWTBへクリーンにスペースのある球を与えてゲインされ、後手後手に回ってしまったので、ディフェンスはもっと相手を一発で倒し切るタックルを大切にしていかなければいけないと思います。
――呉選手ご自身のプレーはいかがでしたか
やはりチームが苦しいときに自分が起点となって崩していったり、ディフェンスでは自分のタックルでターンオーバーして流れを変えていったりしないといけなかったのですが、悪い雰囲気に自分自身埋もれてしまって流れを変えていくことができなかったので反省しています。
――来週慶大B戦を控えていますが、チームをどう修正していかれますか
ここまで一戦一戦崖っぷちで来ていて、細かいところや自分たちができていないところを直すのは厳しいので、チームをしっかり固めてコミュニケーションを取るなど自分たちの強みをガンガン押し切って試合に勝つということをイメージしたいと思います。
NO・8古賀壮一郎(教4=福岡・筑紫)
――試合を振り返っての感想をお願いします
前半が全てでしたね。追う展開になってしまったというのが何よりもの敗因だと思うので、特にFWのモールをもう少し抑えられたらと思います。
――前半に点を離されてしまった要因はどこだと思いますか
やっぱりFWがもう少し我慢できたらなと思います。全部止められなくても、4本ぐらいやられた内の2本を止められていたらもっとタイトなゲームになっていたと思います。そこが破られてしまったのが良くなかったです。
――モールディフェンスはどこが原因で守れなかったのですか
真っ向勝負というよりも、相手のモールに対応ができなかったのが一番です。試合中に考えて行動できたらよかったと思います。
――前半はボールを持ってもすぐ相手に取られてしまいました。何が起きていましたか
かなりディフェンスでプレッシャーをかけられて、あまり前に出れなくてキャリアーもすぐに倒れていました。寄りが遅かったというのもありますが、ブレイクダウンで圧力がかかっていたので、そこも改善したかったです。
――モール以外でのFW戦という点はどう感じましたか
近場で食い込まれたり、1人や2人タックルに行っても倒れないという強さは相手のほうが上回っていました。逆に自分たちはなかなかゲインできなかったのが現状で、その差が顕著に出たと思います。
――後半は一転して完封するペースで進めていましたが、振り返ってみてどうでしたか
明大Bとの試合もそうだったんですが、後半で追う展開になっていたというのが駄目なところです。スイッチが入るのが遅くて、これを前半からやっていればというのがあって悔いが残ります。
――チームとして最大で残り5試合しかない時期になりましたが、どのようにアピールしていきたいですか
すごい焦る気持ちもあります。でも、それ以上に目の前のことを一つ一つやらないと上に上がれないですし、チャンスももらえないのでもう後がないという気持ちでやっています。
WTB土肥将也(人4=東京・三鷹)
――今日の試合を振り返っていかがですか
BK、FW共にミスが多すぎて。本当に4年生のミスが多かったので、4年生として自覚が足りなかったのかなと思います。
――初めての対戦でしたが、東海大Bの印象は
東海大Bはすごく身体が大きくて、FWもBKも強い選手が多いなというのは前から思っていて。今日もそう思っていたので、やはり最初に受けてしまったのが、もったいなかったかなと思います。
――今日の敗因としては、どんなことが挙げられますか
ミスと、受け身になっていて、相手の攻撃を受け過ぎていたというのがあると思うので。もっと速くディフェンスをセットして、前に押し上げるのが大事かなと思います。
――前半のトライについて、一連のプレーを振り返って
余っていたのを生かせたので。あとは(CTB)水野(健人、人4=大阪・東海大仰星)とコミュニケーションを取って、しっかり前を見てしっかり溜めてボールを貰うことができたので、良い溜めができたので、良かったかなと思います。前半しか出られなかったんですけど、本当はもっと自分自身でボールを呼び込んで流れを変えるプレーをしたかったので。良いプレーはそれくらいですかね。もっと呼び込みたいと思います。
――明日に向けて意気込みをお願いします
久々にまた試合に出ることができるかもしれないので、自分がいま持っているものを全て出して、またAチームに返り咲きたいなと思います。