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2024
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vs法政大 『白星を挙げるも後半に失速 修正点が明らかに』

関東大学春季大会 対法大 5月23日 東京・法大多摩グラウンド

 

 関東大学春季大会の第2戦、早大は法大と対戦した。前半の主導権を握ったのは早大。BKの活躍が光り、計5トライを奪った。法大を1トライに抑え337で後半へ。しかし、後半は運動量が落ちミスが目立ち始める。敵陣に踏み込む時間も少ない中、最終盤に意地を見せ12点を追加。4514で勝利を収めたものの、後味の悪い試合となった。

 

 前半、早大はスピード感のあるプレーで良いリズムをつくる。開始早々に7点を先制し迎えた15分、ラインアウトからWTB本田宗詩(スポ3=福岡)が右に展開。ゴールライン前でCTB盛田志(スポ4=広島・尾道)と息の合った連携を見せ、そのまま盛田が走り切りトライ。また、SO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のロングキックで敵陣に深く切り込み、ラインアウトからモールを形成。32分、スペースをついたプロップ千葉太一(教3=東京・早実)がインゴール右中間に飛び込んだ。その後も本田、盛田をはじめBKが機能し33点をマーク。法大に7点を許したものの、リードを残し後半へと折り返す。

 

 突き放したい後半だったが、早大は流れをつかめない。「いまのチームにはミスから流れが傾くことがある」(盛田)。テンポの良かった前半とは打って変わり、ペナルティーが増え、法大に攻め込まれてしまう。フィットネスやパスの精度も低くなり、悪い流れを止められない。19分には自陣ゴール前から、ラインアウトを起点にモールトライを献上。早大のスコアが動いたのは、終盤だった。36分、自陣でキックをキャッチした本田がステップで相手を抜き去り大きくゲイン。パスを受けたフランカー池本翔一(スポ4=愛知・千種)がインゴール左を陥れる。終了間際には、本田が大外を回りノーホイッスルトライ。4514でノーサイドを迎えた。

 

 「スタミナの問題」(盛田)、「ディフェンス面、つなぎの面でいろいろな反省点のある試合」(本田)と振り返るように、疲労の見えた後半を中心に課題が残る試合となった。苦しい時間帯に、傾いた流れを断ち切る力が欲しいところだ。次の相手は、12月の全国大学選手権セカンドステージで敗れた東海大だ。年越しさえかなわなかった雪辱を晴らすため――。「絶対に勝ちたい」(盛田)。リベンジに燃える赤黒戦士のレベルアップに期待したい。(早稲田スポーツ新聞会 高畑幸)

 

 

 

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)

――この試合について、率直な感想を聞かせてください

相手云々もありますが、前半はセットプレーも安定していましたし、個々のコンタクトで勝てている選手もいて、いい形でボールをつなぎ、いいトライもできてよかったです。ただ、後半は選手が何人か変わるだけで、しかも途中で入った選手がチームとして穴を開けてしまい、それを取り戻すことができなかったです。選手層が薄いことは前提で今季が始まっているので、もう少し時間をかけて、チーム全体として積み上げていかなければならないなと感じます。

――先週よりもスクラムが安定しているように見えましたが、後藤監督にはどう映りましたか

本音を言えば、昨季やその前の年の感覚でいくともうちょっと相手ボールにプレッシャーをかけたいということがあるのだけども、この試合にかんしてはいいのではないでしょうか。

――同大戦から何かスクラム対策に取り組まれたのでしょうか

練習量云々と言うよりも、頭の部分や精神的な部分でコーチ陣が注力してくれたので、その効果は多少なりともあったと思います。

――テーマとして掲げているブレイクダウンの面はいかがでしょうか

結局取っかかりになるのはスクラムなどセットプレーです。セットプレーから安定して球出しをして1次攻撃を仕掛ければ、自然とその後のブレイクダウンもいい感じになっていくので。あとはブレイクダウンにこだわりをもってやっていることもあるかと思います。

――今季初めてスタメンSOに横山陽介選手(スポ2=神奈川・桐蔭学園)を起用されましたが、意図などあったのですか

現時点では横山と浅見(晋吾、スポ4=神奈川・桐蔭学園)を競わせていこうということで、この試合に関しては横山を起用してみようと。それくらいですね。

 

プロップ佐田涼祐(社3=東京・早実)

――試合全体としてはいかがでしたか

FWからしたら、スクラムでもっと圧力をかけたかったということがあって、そのスクラムから考えれば物足りない結果です。

――自身のスクラムの状態はいかがでしたか

僕のスクラムが良くなくて、後ろが頑張っている分、自分ももっとやれたかなと思います。

――同大戦ではスクラムで押されている印象がありましたが、この試合ではどのように修正をしたのか教えてください

コーチに一番厳しく言われたことが、スクラムを組む前にワセダはファーストスクラムにこだわらなければいけないのにそれを怠っているのは問題だということで、そこから修正をして、加えて技術面を教わり改善しました。

――4トライ目はモールでのトライでした。あのシーンを振り返ってみてください

今週練習でやってきたことをチームでやったのですけれど、その練習通で思い描いた感じにはならなかったかもしれないので、もっと上を目指せるプレーだったと思います。

――自身のプレースクラム以外のプレーはどう評価していますか

セカンドタックルの部分を意識してやって、先週よりはできたのかなと思います。

――試合全体を通してブレイクダウンの反則が多い印象でしたが

いままでワセダはブレイクダウンでファイトできていなかったので、その分ファイトしようとしてこの結果になって、ペナルティーがこの多さなのは反省しなければなりませんが、決してマイナスなことではないのかなと思います。

――今季左プロップで、毎試合スタメンしていますが手応えとしてはいかがですか

自信はないですけどスクラムだけを評価してもらって出させてもらっているので、そのスクラムでもっとこだわっていかなければいけないし、フィールドプレーはもっとしっかりしていきたいです。

――次は東海大戦ですが修正しなければいけない点はどのようなことですか

セットプレーですね。東海大はスクラムが強くFWのチームなので、FWで相手を止めてディフェンスでもこの試合くらいファイトし続けることです。

――東海大は因縁の相手だと思いますが、意気込みをお願いします

先輩方が残してくれたものをちゃんと引き継いで、そういう気持ちを持って挑みたい と思います。

――最後に今季の個人の目標を聞かせてください

セットプレー、特にスクラムを安定させ、フィールドでも自分がボールキャリアーになったら安定させて、ブレイクダウンをファイトしていきたいです。

 

CTB盛田志(スポ4=広島・尾道)

――試合を終えて感想を教えてください

前半は上々の出来だったのですが、後半であのような結果になってしまったので、もっと僕が引っ張ることができたのかなと思います。

――後半は思うようにプレーできていないように見えましたが、どのような要因がありますか

スタミナの問題もありますが、後半の一発目に僕がミスをして、そこから悪い流れになってしまいました。いまのチームにはミスから流れが傾くことがあるので、断ち切る力が必要ですね。

――盛田選手は前半だけで3トライマークされるなど活躍が光りましたが、自身のプレーについてどう思いますか

ありがとうございます(笑)。ただ、FWをはじめ他の選手のサポートあってのトライだったと思うので、周りに感謝しています。

――復帰戦となりましたが、コンディションはいかがですか

本調子ではないですが、上々ですね。

――ディフェンスについてはCTBとしてどう思いますか

前半はだいぶよかったのですが、後半になってから内側が抜かれるシーンもあったので、もっと外から整備するように口うるさく言っていくことが必要です。

――同大戦ではブレイクダウンに課題が残りましたが、この試合での評価を聞かせてください

練習の時からブレイクダウンは意識してきたので、先週の試合よりは全然修正できていると思います。

――BKのスタメンでは4年生が2人でしたが、引っ張る意識もありましたか

そうですね。あと、この試合が初めての13番(アウトサイドCTB)だったので、めっちゃ声を出しました。

――NO・8佐藤穣司ゲームキャプテン(スポ4=山梨・日川)が退いたあとはゲームキャプテンを務められましたが、何か意識したことはありますか

特にはないですね。変わらずに声を出して引っ張るだけでした。また、穣司に任せずに引っ張っていこうということは僕もずっと思っているので、その思いのままやりました。

――次週は東海大戦ですが、抱負を聞かせてください

東日本大学セブンズ選手権でも勝てていなく、昨季も東海大に負けているので、絶対に勝ちたいと思いますし、この試合の修正をし、強いプレーをしていきたいと思います。

 

WTB本田宗詩(スポ3=福岡)

――本日の試合を振り返っていかがですか

先週の同大戦で嫌なかたちで負けてしまったので、勝ち切れたことは良かったと思います。それでもディフェンス面、つなぎの面でいろいろな反省点のある試合でした。

――個人的なところで評価できる点はありますか

抜けてラストパスを受けてトライを取り切れたところです。アタックに関しては、総じて良かったと思います。

――後半は苦しい展開が続きました。後ろから見ていてどのような気持ちでしたか

後半はメンバーが代わり、穣司さん(NO・8佐藤穣司ゲームキャプテン)もいなくなり若いメンバー中心でした。そこで、相手のアタックを受けてしまう同大戦のような悪い流れでした。どこかで僕なりBKがトライを取ったら流れを変えられるかなと思っていました。

――声を出している場面も多くありました。どのようなことを伝えていましたか

昨年だと僕は下級生で、フレッシュさを出そうとしていましたが、今季は上級生になりましたし、昨年は出場していない経験の浅いメンバーもいました。なのでリラックスして落ち着いて自分の実力を出せるようにと思って声出しをしていました。

――ペナルティーの多さに関してはどのようにお考えですか

相手の攻撃を受けて苦しい時に反則を犯してしまっています。このままの状態だと、東海大戦、帝京大戦ではやっていけないので、早期に改善したいと思います。

――ほぼ毎試合トライを重ねていますが、意識していることはありますか

WTBというポジションもそうですが、今季のフォーメーションではバックスリーに多くボールが回ってくるかたちですね。トライの数は毎試合、意識しています。

――次の東海大戦に向けて抱負をお願いします

今回の試合で出た課題を一つ一つクリアし、自分たちのやりたいラグビーをやれば結果はついてくると思うので、しっかり取り組みたいです。