関東大学対抗戦 対明大 12月6日 秩父宮ラグビー場
塊になり、何度もインゴールに迫る赤黒の戦士たち。しかし最後に笑ったのは紫紺をまとう15人だった。関東大学対抗戦の最終戦にして第91回目となる早明戦。早大は勝てば明大、筑波大と並び2位となり、明大は勝てば帝京大とともに優勝となる重要な試合となった。BK展開を伝統的な持ち味とする早大はモールを、『重戦車』と呼ばれるFWを売りとする明大はスピードを武器にこの日は戦う。しかし早大は前半のミスが響き、トライ数は同じながらも24-32で惜しくも敗れた。
立ち上がりは両軍ともにセットプレーでミスをするという不安定なものに。早大は前半9分にPGで先制を許したが15分。ペナルティーからWTB山岡篤樹(教4=東京・本郷)が速攻で外に走り、パスを受けたフランカー宮里侑樹(スポ1=沖縄・名護商工)が力強いランで明大BKを振り切りインゴールへ。「うまくサポートできた」(宮里)という見事なプレーで逆転に成功する。しかし修正した明大をよそに、早大は攻め込みながらミスを多発。これに付け込まれ、連続でトライを献上して5-17となった。それでもゴール前ラインアウトから「狙っていた」(フッカー貝塚隼一郎、政経4=埼玉・早大本庄)というサインプレーを成功。貝塚隼が飛び込んで5点差に迫る。このまま終わるかと思われたが、前半最後にも落球から切り返され失点。12-22でハーフタイムを迎えた。
後半も序盤からミスに苦しめられた。流れをつかめず、さらにスクラムでも劣勢に。コラプシングの反則を取られ、これを機にトライを奪われて17点差をつけられる。しかしここから早大の反撃が始まる。その武器はモールだ。まず15分、ラインアウトから組んでCTB岡田一平主将(スポ4=大阪・常翔学園)がインゴールにグラウディング。PGを狙える位置でもSO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がタッチに蹴りだし、再びモール。これを結実させ、貝塚隼が前半に続き飛び込んだ。これで5点差に。PGを決められた後もなおこだわる早大。崩されてもリモールを試み、岡田やCTB盛田志(スポ4=広島・尾道)も入って10人が一つに固まる。だが最後は明大に持ちこたえられた。最終スコアは24-32。及ばなかった。
14-66。春の早明戦のスコアだ。これと比べれば、早大は成長を示したと言える。特に「モールでトライを取れたのは収穫」(後藤禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)というように、4トライ以上でボーナスポイントが得られる全国大学選手権(大学選手権)ではモールは大きな武器となるだろう。しかし負けてはならない早明戦で負けてしまった。「ミスとペナルティーで自分たちの首を絞めてしまった」(ロック桑野詠真、スポ3=福岡・筑紫)と敗因は明らかだ。モール以外にトライを取れるオプションの精度を高めることも必要だろう。今回得た自信と課題を糧に。今度は大学選手権に挑む。くしくも昨年敗れた東海大との対戦が決まっている。「借りを返すまさにありがたい相手」(後藤監督)と、逆襲の舞台は整った。年明け、自信に満ちた表情で東京・秩父宮ラグビー場のピッチに立つ赤黒軍団の姿を期待したい。
(早稲田スポーツ新聞会 鈴木泰介)
後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――試合を振り返っていかがでしたか
早明戦ということで、早明戦はいつでもスクラムを中心としたセットプレーと、今季の明大に関してはBKに能力の高い選手が多く非常に精度の高いアタックをしていくということで、ディフェンスでどこまで止め切るかというところに焦点を絞って準備をしてきました。ただ前半は特に、ディフェンスが破綻したというよりもこちらが攻め込んだ際に安易なミスからのカウンターをくらってしまって、やらずもがなのトライを与えてしまっていることと、後半スクラムで煽られたところから失点を喫してしまったこと。それが全てだと思います。後半の後半、今までこだわってきたモールでいくつかトライを取れたのは収穫だと思います。この試合で出た成果、勝ち得た自信もあると思うので、来週からの(全国大学)選手権に臨みたいと思います。
――見えた課題はありますか
このチームの課題としては帝京大戦以降ずっと、精度の部分であると思います。1次攻撃、ディフェンスの精度の課題を修正しようと試合に臨んでいて、きょうの試合に関してはブレイクダウンなど本当に細かい部分。限られた戦力の中で緻密に積み上げてチームをつくる中で小さなミスが命取りになってしまうので、そういう部分に引き続きこだわりたいと思います。
――東海大、天理大と同じグループですが、大学選手権に向けての意気込みをお願いします
昨年の借りを返すまさにありがたい相手と同じグループに入りました。その前に天理大、このチームはいつも非常にいいチームで、共感を覚えるようなチーム作りをしてくるので、そういったラグビーで早大が決して負けることがあってはならない。天理大にしっかり勝って、東海大にしっかりと借りを返したいです。
CTB岡田一平主将(スポ4=大阪・常翔学園)
――激しい試合となりました。戦いを終えたときの気持ちを教えてください
最後は時間が迫っているなか、1本取れるか取れないかが今後に大きく関わると思っていて、スキルや技術など色々ありますが、あそこで取り切ろうという気持ちの強さは、大学選手権へ向けて大きいかなと思います。
――勝てた試合という手応えでしょうか
そうですね。勝てた試合と言ったら簡単ですが、やはり勝つためにもっとできることがあったと思いますし、相手を抑えることができたと思います。一生懸命戦ったので、それでも勝てなかったことはもちろん悔しいです。それでも、まだまだ自分たちは足りないと自覚できた試合だったとも思います。
――ディフェンスラインはこれまで以上に安定したように見えました
ディフェンスラインは整えて安定することができたと思いますが、前半に自分たちのミスからアンストラクチャーの場面が生まれ、そこからトライを取られたので、そのような場面でも冷静にラインを整えてディフェンスしていきたいです。
――ゲインした後にボールをロストするシーンがありましたが、どのようなことが原因でしょうか
新たに課題になってきたブレイクダウンの精度のところや、キープする強さ、ボールキャリアーの強さなど、ブレイクダウン関連で課題が出ましたね。
――早慶戦と同様にドライブするシーンが目立ったと思いますが、どのように感じていますか
一人一人のキャリアーがドライブしようという気持ちは感じましたし、明大にも劣ってないので、そこは大きな収穫だと思います。そこから勝てるようなビジョンを持つために、つなぐところを突き詰めて、ミーティングして高めていきたいです。
――春の14ー66というスコアからのこの試合。差は縮められていると感じますか
点差は縮まったということよりは、いま1試合ごとに自分たちがどれだけ成長できているかだと思うので、そう考えると精度の部分で上がってきている部分もあり、課題ももちろんあります。ステップアップできたところ、できなかったところをしっかり確認して、勝てる準備をしていきたいです。
――次戦は天理大戦となりますが、スカウティングはしているのでしょうか
出る選手にとってはこの伝統の一戦に懸けてきたので、天理大について対策することはなく、1週間は明大に対してやってきました。それでも、ある程度この組み合わせは分かっていたことで、全く気にしていなかったわけでもありません。僕も含め天理大の試合は見ました。
――CTBの強力な外国人選手を止められるかがカギになると思いますが、いかがでしょうか
天理大の強みであるCTBが前に出てくると勢いに乗るいいチームだと思っています。それでも、今回の早明戦と同様、相手に強みを出させないようなゲームをすれば、安定して勝てるかなと思います。
――東海大とも再戦が決まりましたが、やはり意識しますか
もちろんあります。東海大に勝たないと、昨年のリベンジもありますし、大学選手権を優勝するには避けて通れない相手だと思っています。結果として(関東大学)対抗戦は優勝できなかったのですが、東海大とまた戦えるのは運命を感じるので、東海大に全てぶつけていきたいです。
NO・8佐藤穣司副将(スポ4=山梨・日川)
――この試合を振り返っていかがでしたか
この一戦に勝とうとやってきた中で勝ち切れないということが純粋に悔しいです。要所でのミスやペナルティーで苦しくなり、流れがつかめませんでした。来週から始まる大学選手権では1試合でも負けたら終わりという世界になってくるので、この負けをいい方向に変えて、大学日本一に結びつけられるよう頑張っていきたいです。
――チームでは結果をどのように受け止められていますか
この負けをいい方向に結びつけられるよう、きょうの負けは負けとしっかり受け止めて、来週からの選手権につなげられるようにということですね。
――ラインアウトの精度に関してはいかがですか
意思統一のミスなど細かいミスがまだあったので、大舞台でもしっかり正確にプレーできるようにならなければいけないなと思いました。
――要所でのミスが目立ちましたがその原因はどのようなところでしょうか
先程も言いましたが、ラインアウトに関して言えば意識統一のミスや、コミュニケーションがうまく取れていないためのミスが多かったです。後はサポートが遅れたこともあり、本当に直せる部分だと思うので、来週に向けて早く直して臨みたいと思います。
――最後のプレーを振り返っていかがでしたか
相手が2枚で僕の方を見ていて、プロップの石川敬人(スポ4=茨城・茗渓学園)の前が空いているということで、僕が行くと見せかけてのパスというオプションだったのですが、そこでも僕は言っているつもりだったのですが、敬人は分かっていなかったということで、そこでもやはり意思の疎通ができていなかったというミスでした。そうしたところをいち早く直していかなければと思います。
――ご自身ではハイパントキック処理の後キックを蹴られていましたがどういった判断だったのでしょうか
チームとしてもああいった場面においてはキックを選択しているので、自分の判断でしたことですね。
――キックはうまく飛びましたね
練習はしていなかったのですが、高校生の時はそういうことがあったので、思い切って蹴りました。
――明大のWTB紀伊皓太選手と念願の対決がかないましたがいかがでしたか
本当にうれしかったです。皓太とは4年目にしてこの大舞台で戦えたということで、すごくうれしいです。いままで皓太も2、3年と早明戦前まではレギュラーで出ていたり、メンバーに入っていたりしたのですが、ケガや調子が悪く交代してしまい、なかなか対戦する機会がありませんでした。僕がハイパントキックを蹴ったところでぶつかっていけばマッチアップできたところで、蹴ってしまったのでマッチアップはなかったのですが、4年目にして同じピッチで高校時代のキャプテン、副キャプテンという立場の二人が戦えたので、ゲームは負けてしまいましたが、その点に関してはうれしく思います。
――大学選手権に向けて調整していきたい点はどのようなところですか
負けたら終わりの試合なので、そのプレッシャーを意識しつつ楽しみながら、コミュニケーションや意思疎通のミスなどの改善できるミスが多かったので、次に向けて修正していきたいと思います。
FB藤田慶和副将(スポ4=東福岡)
――試合を振り返っていかがでしたか
やろうとしていたことはできたのですが、すごくもったいないミスがあったと思います。
――見えた課題はありますか
早大は明大と比べて確実に個人能力が劣っているので、チームとしてアタックしなければならないので、チームとして成長していきたいです。
――クロスゲームを楽しんでいるように見えましたが、その点についてはいかがですか
そうですね。ただ、この先も竸ったゲームが続いていくと思いますが、こういったせめぎ合いでミスをすると負けてしまうので、そこを修正すればいい方向にもっていけると思います。(この試合の敗戦は)すごく悔しいのですが、切り替えて精度を高めていきたいです。
――笑顔を心がけていましたか
落ち込む人もいますが、未来は変わらないので次に切り替えられるようにしました。
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
まだまだですね。もっとチームを前に出していかないといけないですし、工夫はしたのですがもう少し頑張りたいです。前に出せれば乗ってくるチームだと思います。
――大学選手権に向けての意気込みをお願いします
強いチームのゾーンに入りましたが、強いチームとやるのは楽しみです。昨年はここで成長できませんでしたが、ことしは成長していると思います。
プロップ佐田涼祐(社3=東京・早実)
――伝統の一戦をどのようなお気持ちで臨まれましたか
前評判とか関係なしに早明戦なのでもちろん勝ちにいくという気持ちで臨みました。
――相手の1番と3番の選手についてどのような印象をもって試合に臨まれましたか
1番の植木悠治選手はアングルでくるということで、それを警戒して逆にそこからチャンスをつくろうという気持ちでやっていました。3番の塚原拓巳選手は、僕としては強い選手だと思っているので、それを倒すチャンスがきょうだということで臨みました。
――後半、スクラムからペナルティーを取られて失点をしてしまう場面も見られました。その点を踏まえてスクラム全体を振り返っていかがでしょうか
落ちそうになって、そこで落ちてペナルティーになるのが嫌だったので耐えようと思ったら、耐えたときに僕の姿勢が悪くなってそこで一気に押されたという感じでした。いま考えたら、あそこは落としてスクラムアゲインにしてからもう一度組みなおした方が良かったかなと思います。スクラム全体としては前にヒットしてあとに、前に3人で乗ってそのまま前にかけたままいたかったです。でもこの試合は姿勢はとれたのですが、相手が押しやすい位置で僕らが組んでしまいました。ここは良くない点だなと思います。
――点数をつけるとしたらどれくらいですか
ボールを出したという点では70点くらいで、個人的には3,40点くらいです。
――タックルに関してはどう捉えられていらっしゃいますか
春にやった感じとは少し違って、(佐藤)穣司さんとか詠真(ロック桑野詠真、スポ3=福岡・筑紫)がどんどん果断していたので、僕も引けを取らずやるしかないという感じでした。
――モールでは有利であった印象を受けましたがいかがですか
モールでは有利だったと思います。あれを最初から出せていたらと思います。でもモールでトライを取れたのは収穫だと思います。
――対抗戦を総括していかがですか
対抗戦というよりも、この試合でターンオーバーされてからスクラムでトライされてという場面があって、あそこで僕らが安定していたら、もしかしたらこの試合が変わっていたかなと思うので、スクラムが一番大事だなと思いました。もっとスクラムについて考えたいなと思います。
――全国大学選手権に向けて修正点と意気込みをお願いします
まずはスクラムでマイボールを失うことをゼロにして、逆にターンオーバーしにいくということが目標になります。フィールドでは、ボールを貰ったら確実にボールを仲間に出せるように、ディフェンスでは絶対抜かれないようにしていきたいです。もちろん全部勝ちにいくつもりでいきたいです。
フッカー貝塚隼一郎(政経4=埼玉・早大本庄)
――悔しい結果となりましたが試合全体としてはいかがでしたか
やはりセットプレーで焦ってしまい、それで後手を踏んでしまいました。
――この早明戦へ向けどのような気持ちで迎えましたか
本当にいろいろな方の支えてでこの舞台に立てたので、この試合を楽しもうという気持ちで臨みました。
――ラインアウトに関しては明大に研究をされているなという印象を受けましたが、実感はいかがでしょうか
そうですね。前半のうまくいかなかった部分をハーフタイムで修正することができたのは収穫かなと思いますが、やはりプレッシャーをかけられた状態で精度の高いラインアウトができなかったのは惜しいところではあります。
――前半のラインアウトからのトライについてですが感触はいかがでしたか
あれは狙っていたプレーでしっかり練習していたので、(佐藤)穣司からいいパスがきたのでいくしかないという感じでした。
――トライを決めた瞬間の歓声はいかがでしたか
もううれしかったですね。あの大観衆の前でトライすることができたので。
――後半に入っての最初のスクラムで明大に崩されてしまいましたが原因はどういったところにあったのでしょうか
対面との勝負に勝てなかったところが大きいですね。
――その後の修正としてはどういうようにしていきますか
自分が先に仕掛けて姿勢を取らなければならなかったので、その点を重点的に見直していきたいです。
――2つ目のトライについてはいかがでしたか
モールがしっかりできていたので、やっぱりこれからの自信にもなりましたが、後半最後の場面で取り切れなかったのは修正しかないといけないですね。
――モールからのトライシーンがいまの早大のかたちになっていると思いますがその点に関しては自信になっているのではないでしょうか
そうですね。もっともっと精度を上げていきたいですが、自信にはつながっています。
――最後の早明戦が終わりましたが、いまはどういったお気持ちでいますか
本当に悔しいという気持ちは大きいですが、こういう環境の中でラグビーができたのは楽しかったです。
――早慶戦後に明大の対面・中村駿太選手に勝ちたいと仰っていましたがいかがでしたか
スクラムの場面でいかれてしまった部分があるのでまだまだですが、大学選手権の準決勝か決勝でリベンジしたいです。
――次週から大学選手権が始まりますが、初戦の天理大戦に向けてはどのように取り組みたいですか
ここから負けられない試合が続いていくので、しっかり準備をして最高のパフォーマンスをできるようにしていきたいです。
――最後に意気込みをお願いします
本当にあとがないのでそのプレッシャーを感じる前に試合を楽しんで一つ一つ勝っていきたいです。
プロップ千葉太一(教3=東京・早実)
――FWの強い明大と体を当ててみていかがでしたか
スクラムで負けたので、完敗かなという感じですね。
――前半は良いスクラムが組めていたのではないでしょうか
そうですね。前半はよかったのですが、後半のあの一本が全て変えてしまったかなという印象です。
――いまお話にもありましたが、後半スクラムで押し込まれ、ペナルティーからトライにつなげられた場面を振り返っていかがですか
弱かったですね…。あの一本がこの結果を導いてしまったのかなと反省しています。
――後半、スクラムで押し込まれた原因についてはどのように考えていますか
メイジのプライドをワセダが受けてしまったことが、結果的に押される原因になってしまったと思います。
――モールは優勢だったのではないでしょうか
すごく練習をしてきたので、結果としては良い結果が出たかなと思います。
――春の早明戦では、「何もできなかった」とおっしゃっていましたが、春から成長を感じるところはありましたか
スクラムはまだ安定とは言えませんが、負けているわけではないので、その部分では大きな成長を感じます。FWで頑張ってきたので、成果が出たかなと思います。
――途中、足を痛めているように見えましたが、状態はいかがですか
大丈夫です。
――対抗戦を振り返っていかがですか
自分にとってすごく大きな経験となったと思います。まだ終わりではないので、4年生と一緒に次のステップに進めるように頑張っていきたいと思います。
――最後に、大学選手権に向けて意気込みをお願いします
優勝するために努力を惜しまないで、一歩ずつ着実に進んで、まずは次の天理大戦に向けて体調を整えて練習していきたいと思います。
ロック加藤広人(スポ2=秋田工)
――試合の感想をお願いします
結果的に負けたという感じです。
――具体的な敗因をどのように分析していますか
僕らが攻めている時は敵陣でボールを継続していたのにトライにつなげられなかったので、トライを取り切る決定力の差だと思います。
――ラインアウトのキャッチについて、サインを明大に読まれていましたか
前半は読まれているところもあったと思います。明大さんの空中で競る力も強く、うまいなと感じました。前半は苦戦しましたが後半はシンプルに考えて修正し、成功率を上げられたのは良かったです。
――スクラムのプレッシャーについてはいかがですか
何本かスクラムで押される部分もありました。それでも春の合同練習などではこの試合よりもずっと押されていたので、その点は修正できたと思います。
――要所でミスが響き、得点にはつなげられませんでした。今後の課題とは何ですか
ディフェンスですね。自陣に入られてもしっかりと粘り、しっかり食い止めることです。アタックに関しては取り切るところです。そこを伸ばしていきたいです。
――モールでの得点機が多かったですが、手応えは感じていますか
FWの強い明大さんにも渡り合えたことは自信になりますし、これから(全国大学選手権)セカンドステージなども控えていますし、そこは武器になると思います。
――ラスト10分間の集中力に関してはどのような評価ですか
敵陣でずっとボールを継続できたことは良かったですが、得点にはならなかったのでそこが修正点です。
――次週に試合が控えていますが、どのような準備をして臨みたいですか
関西2位の天理大で外国人選手をはじめキーマンが多い相手です。相手の弱みをしっかりと研究し、強みを生かして勝ちたいです。
ロック桑野詠真(スポ3=福岡・筑紫)
――この試合を振り返ってみていかがでしたか
自分たちのミスとペナルティーで、自分たちの首を絞めてしまいましたね。
――近場にランナーが走り込んでくる場面が多かったですが、それに対してのタックルの手応えはいかがでしたか
そこの部分では全く負けていなかったです。でも、一つ一つのブレイクダウンでメイジの強いプレーヤーのプレッシャーを受けてしまっていたので、その部分は良くなかったです。
――スクラムについてはいかがでしたか
春の早明戦よりは安定したスクラムを組めていたと思いますが、自分たちが求めているスクラムとは程遠いですね。
――ラインアウトの際に、桑野選手が後ろリフトを担当する場面が多かったですね
そうですね。前半のラインアウトでムーブして取れなかったので、シンプルに高さで取ろうと思っていました。その点は後半にしっかり修正できたので良かったです。
――前半のゴール前ラインアウトの場面、サインプレーでトライしましたが、狙い通りだったのでしょうか
そうですね。あれは狙い通りでした。
――モールでのトライが目立った試合でした
そうですね。今までやってきたことを精度高くやろうということを今週はずっとやってきたので、その成果が出たと思います。今週の練習は4年生が相手としてモールの練習をやってきて、かなり良い練習ができていたので、その結果がこの試合に結びついたのかな、と思います。
――この試合のゲームテーマは何だったのでしょうか
ブレイクスルーです。突き抜ける、強いカベに対してでも真っ向勝負で挑む、という意味です。モールに関してはそのブレイクスルーができていたのではないかと思います。
――来週から大学選手権が始まります。初戦の相手は天理大ですがどういう準備をしていきたいですか
相手がどうこうというよりも、自分たちのプレーの精度の問題が大きいですね。FWに関して言えばセットプレー、この試合での反省としてスクラム、ブレイクダウンの改善というのが必要になってくると思います。あとはこだわりです。ゴール前でどれだけ自分たちに自信を持ってこだわれるかという部分が、最後の苦しい場面で試されると思うので。
――この試合でのゴール前でのこだわりという部分はいかがだったでしょうか
もっと(FWでトライを)取れたし、取りたかったです。最後のプレーでもそうですね。
――大学選手権セカンドステージの最後の相手はまたしても東海大ですが、特別な意識などはありますか
特に意識はしていないです。まずは初戦の天理大をまずしっかり見据えて、倒したいですし、一戦一戦勝っていきたいという思いです。
フランカー宮里侑樹(スポ1=沖縄・名護商工)
――初めての早明戦で緊張感などはありましたか
試合前はやはり緊張しましたが、あの大舞台でいい雰囲気でプレーできたと思います。
――地元の沖縄からもご家族などたくさんの方がいらっしゃっていたと聞きましたが、いかがでしたか
課題が多かったのですが、みんなの前でトライできたのは良かったと思います。
――そのトライのシーンを振り返っていかがですか
篤樹さん(WTB山岡篤樹、教4=東京・本郷)が絶対仕掛けてくるということが分かったので、そこをうまくサポートできたかなと思います。
――ラインアウトからのアタックではこの試合も宮里選手が中心となっていますが手応えを聞かせてください
少しチームから信頼されたかなとは思います。きょうも最初はミスが出てしまったのですが、強いプレーができたかなと思います。
――対面の選手の印象はいかがでしたか
やはり強かったのですが、しっかり分析して分かることもあったので、それをきょうは活かせたかなと思います。
――次は天理大との大学選手権になりますが意気込みをお願いします
ここから負けられない試合が続くので、一戦一戦しっかり臨みたいと思います。
フランカー仲元寺宏行(社4=広島・尾道)
――この試合を振り返っていかがでしたか
負けてしまったのですが、来週から大学選手権のセカンドステージも始まるので、反省するところは反省して、ここから切り替えていきたいです。あとは課題になっているのが精度の部分なので、そこをしっかりと修正していきたいと思います。
――自身初の早明戦スタメン出場でしたが、何か気持ちがこみ上げてくるものはありましたか
早明戦だから特にというのはなかったです。ただ、新人早明戦で負けている相手だったので、僕たちが4年間やってきたことを証明したかったと言いますか、点差を縮めて勝ちたかったのですが、負けてしまったので悔しいですね。
――チーム全体で明大への対策を何かやろうというのはありましたか
やはり先週と変わらず、準備をしっかりやろうと。相手を分析して、明大のやってくるオプションを一つ一つ潰していこうということで。みんなできてはいたのですが、最後は精度や地力の差がありました。そこはまだ詰めていかないといけないと思います。
――ゴール前でなかなかトライが取れないという時間帯がありました。やはり相手のディフェンスが堅かったのでしょうか
そうですね。相手のプレッシャーが強かったというのもありますが、自分たちもボディコントロールやボールコントロールなどができなかったので、それも課題として練習に取り組んでいけるようにしたいです。
――これで対抗戦も終わりとなりました。振り返ってみていかがですか
僕自身ケガをして出られない試合がいくつかあったのですけど、尻上がりと言いますか、段々と調子が良くなってきていて。ただ、大学選手権ではここからもっと状態を上げていかないと決勝に行くことも難しいですし、決勝に行けたとしても日本一を取れないと思います。
――次は天理大戦です。今後に向けての意気込みをお願いします
来週から本当に負けられない戦いが始まるので、今日の試合とか反省するべきところは反省して、ただ気持ちは切り替えて、またしっかり準備をしていきたいです。
SH杉本峻(商3=東京・早実)
――この試合を振り返ってみていかがですか
最後は早慶戦のときのように逆転で勝てると思っていましたが、時間が足りませんでした。あとはチーム全体として一個一個のプレーで出し切れたのに、勝てなかったのは悔しいです。
――具体的な敗戦の理由は何だとお考えですか
チームでまだ話し合っていないのでわからないのですが、僕としては最初の2本のトライを僕が止められたのではないかと思います。その2本がなければ勝てていたので、最初の2本が悔しいところですね。
――接点で明大にプレッシャーをかけられていた印象でしたがご自身のプレーを振り返っていかがですか
試合前から接点で劣勢になるのはわかっていたので、それをどこまで捌けるかと思ってプレーをしていました。まずまずと言えば言いすぎかもしれませんが、捌けたのかなと思います。
――大学選手権までにチームで修正していきたいところは何でしょうか
この試合はミスが多かったので、精度の面で詰めていければいいと思います。いまから大きく変わることはないと思うので、一個一個のプレーをみんなが責任をもってやっていきたいです。
――最後に次の天理戦に向けての意気込みをお願いします
早明戦に向けてやってきたので、まだ天理大について対策はやっていませんが、きょう勝てなかったといえども明大にここまで戦えたということを自信にして、しっかり上井草で練習して絶対に勝ちたいと思います。
SO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――伝統の早明戦となりましたが、本日のプレーを振り返っていかがですか
良いプレーもありましたけど、勝てなかったことが一番心残りです。大学選手権では絶対に勝てるようにやっていきたいと思います。
――点差が生まれてしまった要因としてどのようなところが大きかったのでしょうか
ミスの多さですね。明大の方が能力的にも高いので。上手いし、強いし、速いしというところで、そういう人たちに勝つためには基礎的なスキルの部分をきちんとしなければいけないのだと思います。そこを改善し修正していきたいです。
――ミスからターンオーバーを許す部面も多かったかと思いますが、いかがですか
基礎的なスキルミスのところで、個人的なところなのかユニットのチーム的なところなのかというところを突き詰めて、改善して大学選手権ではやっていきたいと思います。
――キックの精度に関して、どのように捉えていますか
ミスをしてしまったので、もっと修正してゴールキックの精度を上げなければいけないと感じました。
――難しい角度などもありましたが、キックの印象としてはいかがですか
それでも決めきらなければいけないので、集中してやってはいるのですが、正確性の部分をやっていきたいです。
――早明戦ということでしたが、ゲームプランはどのように考えていましたか
いつも通りエリアを取っていくというかたちでした。
――最後のプレーはトライを決めたい場面だったと思いますが、振り返っていかがですか
ああいった場面でしっかりと決めきるということが今後求められていくところだと思います。最後にコミュニケーションミスで失敗してしまったので、集中して取りきれるようにしていきたいです。
――チームではどのように話をしていましたか
トライを取りきろうととにかく話していました。そこで取ることができなかったというところがまだまだ足りていないなと思います。
――大学選手権に向け調整していきたいところはどのような部分ですか
キックのコントロールと精度、パスの精度などを調整していきたいと思います。
WTB山岡篤樹(教4=東京・本郷)
――この試合の振り返りをお願いします
早大としては準備してきたプレーをしっかり遂行することを目標にやりました。早大の流れの時間が長かったことはとてもよかったと思うのですが、やはり簡単なミスから相手にボールを渡してトライを取られてしまうというのがもったいなかったですね。勝てた試合を自分のミスで落としてしまったかなと思います。
――相手のプレーの印象は
やはり力強さは早大よりも上だと思いました。明大は敵陣に入ってくるととても強かったですが、自分たちが敵陣に入っていくとあまり力を出せていないという印象も受けました。自分たちの流れで自分たちのプレーができている時は、明大相手でも対抗できるのではと思いました。
――関東大学対抗戦を振り返っていかがでしたか
早大としてはまだ全体的に精度が高まっていないということがあります。大学選手権は負けたら終わりなので、精度の部分をもう一度見つめ直していきたいと思います。
CTB盛田志(スポ4=広島・尾道)
――試合を振り返っていかがでしたか
僕が起点でやられたところがあったので、個人としてはすごく反省点が多い試合でした。
――積極的に攻めていた分、取られてしまったと思うのですがアタックについてはいかがですか
一次で久しぶりにボールをもらえる時だったので、ちょっと欲張ってしまったという感じです。
――相手ディフェンスについてはいかがでしたか
もう少し攻められたかなとは思います。もうちょっと強くタテにいければ前に出られたのかなと思いました。
――次戦の天理大のCTBは外国人選手ですが、どのようなディフェンスをしていきたいですか
これまでと変わらないです。きょうも一発目に前に出てタックルをしたので、そういうところは絶対に続けていくようにします。
――対抗戦全体を振り返っていかがでしたか
(ケガで)出ていないこともありますし、僕の中では対抗戦がそんなに良くなかったので。20点ですね。全然ダメです。
――大学選手権に向けて意気込みをお願いします。
100点取れるように全力で頑張ります。
WTB本田宗詩(スポ3=福岡)
――早明戦敗れてしましたがいまのお気持ちを教えてください
観客もすごく入っていて、五郎丸さん(五郎丸歩、平20スポ卒=現ヤマハ発動機)を始め、ジャパンがつくってくれたブームで注目度も上がり、すごくいい環境の中でやらせてもらいました。ワセダとしては準備してきたプレーで流れが傾いたときもありました。しかし、ミスとペナルティーからメイジの強みを出させてしまって、最後8点差で終わってしまい悔しいです。
――この試合を振り返っていかがですか
準備してきたプレーはすごくはまっていて、FWのモールなど今シーズンこだわってきたものが通用していたので、そこはよかったと思います。
――準備してきたプレーとは具体的にどのようなものですか
モールとBKの1次からのサインプレーなどです。
――ケガからの復帰戦となりましたが、外から見ていてどう感じていましたか
なかなか一皮むけ切れない試合が続いていて、藤田さんも帰ってきましたし、自分が復帰してチームを変えてやろうという気持ちでいました。
――復帰戦でフル出場となりましたが、コンディション面はいかがですか
体力的な面は問題ないのですが、やっぱりパフォーマンスという部分がベストパフォーマンスには程遠かったので、これから負けられない戦いが始まるので最高の状態で迎えたいと思います。
――FWのモール中心のアタックが多く、ボールタッチが少なかったですがアタックを振り返っていかがですか
僕が(ボールを)もらったときはあまり欲しくない状況というのが多かったのですが、欲しい状況をつくり出すことと、そういうときでもボールキープというのを心がけていきたいです。
――ディフェンスは悪くはなかったと思いますが、ディフェンスを振り返っていかがですか
チームのディフェンスもよかったですし、バックスリーも3人で連携を取れていたので、裏へのケアもできていてディフェンスはすごくよかったと思います。
――大学選手権へ向けて意気込みをお願いします
昨季はここで負けてしまって、負けられない戦いが始まるので、まずは『荒ぶる』に向けて正月越えというのを果たしたいと思います。
プロップ石川敬人(スポ4=茨城・茗溪学園)
――この試合の総括をお願いします
帝京大とも良い試合をした明大戦ということで、力も向こうの方が上なのでチャレンジャーとして良い準備をしてチーム全員で勝ちに行くというのが方針でした。全体を通して見てみると、先にトライを取られて、点差も離れて負けてしまいましたが、慶大戦の終盤でも見られた諦めないプレーというのがチーム全体として見られたので悲観的にはなっていなくて、大学選手権も続くのでこれから先どんどんレベルアップしていければ良いかなと思いました。
――前半はどのような心境で準備をしていましたか
明大はスクラムが強いということで、春もスクラムで押されて負けています。スクラムに関しては僕もそこまで強いわけではないのですが、理論的に相手がこう組んで来たらこう組もうというイメージはありました。向こうのヒットが特に強いので、こちらも工夫して間合いを詰めたり斜めに入ったりということをやって見ようと思っていました。
――やはり実際に当たってみても強かったですか
そうですね。強いです。スクラムに関しては上手く組めたかなと思いますが、欲を言えば僕が起点となってスクラムトライの形を作って、もっと早い段階でトライを取れればと思います。最後の部分もワントライを取って、時間がちょっと余ったところで敵陣に入ってペナルティーでPGを決めて勝つという予定だったのですが、最後のカベが厚かったです。あそこで取れていれば良かったなと振り返って感じます。
――次戦への意気込みをお願いします
自分が出た時にチームの流れを少しでも変えられるようなプレーをしていきたいと思います。