早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで
理解を深める連載企画、第55回は小西泰聖(3年・SH・桐蔭学園)。
取材:武内陸 構成:早稲田大学ラグビー蹴球部広報 写真;鳥越裕貴
すべてにおいて突き詰める。
早稲田以外に行くという選択肢は泰聖にはなかった。2歳の頃から親と一緒に早稲田の試合はすべて観に行っていた。泰聖のラグビーの実力ならば他の進路を選ぶこともできたかもしれないが、早稲田に行かなければ必ず後悔すると思い早稲田ラグビー部に入った。
泰聖は様々なチームでプレーしてきて、チームの仲間たちと勝利を収めてきた。勝った瞬間はどれも比べられないほどうれしかった。しかし、それとは別にうれしかったことがあると泰聖は語る。小さい頃、早稲田の試合を観戦しに行ったら憧れの選手にサインを求めていた(当時は五郎丸選手などがプレーしていた)。それから成長して自身が早稲田ラグビー部員になり、自分が小さい頃に通っていたラグビースクールに久しぶりに行った時、そのラグビースクールの子供たちからサインを求められた。その時に自分が昔あこがれていた場所にいることを実感したこと、また、スクールの子供たちや様々な人達が自分のことを応援してくれていたことを肌で感じたことが人生で最もうれしかったことだと言っていた。
勝つハーフになりたい。勝たせるハーフになりたい。どうやったらもう一段上の線路に乗り換えられるのか。まったく別の路線を走るわけではなく、去年まで走ってきてこれからも走る予定だった線路から、上級の他線路に乗り換える。そのためにはラグビーのスキルを向上させるためにやっていることを突き詰めるだけでなく、日常生活でやるべきこともきちんとやることが大事だと泰聖は考える。ラグビーにおいても、日常生活においても超一流になることが今年の目標である。
今年、チームのためには荒ぶるを取るためなら何でもすると宣言した。社会貢献に関してはコロナ禍の状況で地元中高生へのラグビー指導や北風祭など従来ならやっていた交流ができないので、試合以外にもチームに貢献できることを探していきたい。
早明戦、早慶戦など早稲田がする試合は日本ラグビー界の中でも伝統があり、多くの人に応援され、憧れられる試合である。そのような組織でプレーできることに感謝していると強く言った。