関東大学対抗戦(対抗戦)の開幕から、はや1ヵ月が経とうとしている。初戦の立大、続く日体大を相手に完封で連勝を飾った早大。日体大戦では立ち上がりこそミスが若干見られたものの、その後は自分達のリズムを取り戻し、テンポのある攻撃で立て続けにトライを挙げた。勢いに乗って迎える次戦、対するは筑波大だ。対抗戦も中盤に差しかかる中、ヤマ場となるこの試合で追い風を作れるか。
これまでの2戦、好調のBK陣はWTB槇瑛人(スポ3=東京・国学院久我山)が2試合で6トライを奪うなど、早大らしい素早い展開から安定したプレーを見せた。また、大型ルーキーであるNO8佐藤健次(スポ1=神奈川・桐蔭学園)、見事なパスさばきで攻撃を司るSH宮尾昌典(スポ1=京都成章)も2試合連続でトライを挙げ、得点を量産。次戦でもその得点力に期待したい。
ただ、今季のチームの強みはBKだけではない。FWは立大戦の反省点だったラインアウトを、日体大戦では成功率100%に改善。スクラムで押し勝つ場面も多く作った。また、今季はスタメン15人だけでなく、リザーブ陣もその実力を発揮。立大戦では途中出場した前田知暉(社3=大阪・東海大仰星)、日体大戦では今駒有喜(文3=東京・早実)や久富連太郎(政経2=島根・石見智翠館)らがわずかな時間で得点を重ね、チームに貢献している。筑波大戦でも多くの選手たちの活躍に注目だ。
日体大戦では3トライを挙げた槇
一方の筑波大は、初戦の帝京大戦こそ7-17で惜敗したが、2戦目の慶大戦では34-12で勝利。帝京大戦の課題だったペナルティの多さを修正し、接点の強さを見せた。接点で勝ち切るという部分は、早大が今季こだわっているポイントでもある。ブレイクダウンでの対決が見どころとなるだろう。
また、特に警戒すべきは、筑波大の特徴である強力なBK陣。慶大戦で存在感を示したFB松永貫汰主将やキック力の高いルーキーSO浅見亮太郎、昨季ルーキーながら躍進したWTB谷山隼大を筆頭とする盤石の布陣が整っている。一瞬の隙を突いて果敢にアタックしてくる相手を確実に抑えていきたい。
好調ぶりが印象的だが、慶大、帝京大、明大戦を控える中で、この筑波大戦で結果だけではなくさらに内容に磨きをかけられるかが、今後の試合の結果の命運を握るだろう。『荒ぶる』奪取に向け、今年の真価が問われる。
記事:中村凜々子 写真:鬼頭遥南(早稲田スポーツ新聞会)