早稲田大学ラグビー蹴球部に所属する2~4年生の選手・スタッフが相互インタビューで理解を深める連載企画、第87回は小沼宏太(4年・PR・清真学園)。
最高の環境でチャンレジし続ける。
もともとラグビーといえば早稲田という漠然としたイメージを持っており、そのレベルの高さと部員全員が日本一になるためにラグビーに真摯に取り組む姿勢に魅力を感じていた。
だが浪人を経て入部したことで体力的に厳しかったこと、自身が新人練を超えて早稲田でラグビーをする姿が想像つかなかったことからトレーナーとして早稲田ラグビー部に入部することになる。
しかし新人早慶、早明で同期が活躍している姿を見て羨ましく思ったこと、その後の夏の帝京戦で大敗した時にあまり悔しくなさそうにしている選手の姿を見て自身は悔しさを感じたことをきっかけに選手になることを考え始める。プレーヤーとしてこの状況を変えたい、サポートではなくグラウンドで戦いたいという思いから2年生で新人練を受ける覚悟を決めた。
新人戦を乗り越えて迎えた新人早明戦。U-20日本代表に招集された長田、河瀬の不在により小沼はセンターを務めることになり、大きなプレッシャーを感じていた。その中で自身のラインブレイクからチームの流れを変えるトライをできたこと、トライの瞬間に同期が集まってきて祝福してくれたことに大きな喜びを感じた。もともとトレーナーとして一
年前に見た新人早慶、早明に憧れたことが選手転向へのきっかけであり、その時求めたものが形になった。また小沼にとって自身が選手としてチームや同期に貢献できたことを実感した大きな経験となった。昨年の対抗戦の初戦、青学戦に出場するチャンスを逃してしまった時は大きな悔しさを感じた。対抗戦直前までシニアでプレーし、試合に出る機会をつかめる位置にいた。しかし対抗戦初戦のメンバーを占う夏の流経大と試合と教員試験の日程が被ってしまい、小沼はアピールする場を逃してしまった。結局その試合で活躍した選手が青学戦に出場することになり、初のアカクロとはならなかった。アカクロをつかむ機会を逃してしまったこと、そしてその後自身の努力でその機会を取り戻せなかったことが大きな悔しさになっている。今年、早稲田の1番として試合が劣勢の時にスクラムでチームを勇気づけたい。小沼はフロントローとして8人でまとまって相手を押した瞬間にチームメイトが喜んでくれること、チームに貢献できることに大きなやりがいを感じている。今年はチームがきつい時に自身のスクラムで相手を圧倒し、試合の流れを変える選手を目指している。チームのためには自身の声で周囲を引っ張りたいと考えている。小沼が思うカッコいい 4年とはプレーや背中で引っ張るだけでなく本当にきつい時に声を出して引っ張れる人間である。だからこそ皆がきつい時に周囲を見る余裕を持ち、スクラムでもフィットネスでも声で引っ張ることで信頼される4年を目指している。
小沼にとって早稲田ラグビーとは「ラグビーに真剣に打ち込める場所」だ。高校時代の 3年間、県決勝で茗溪に負け続けた小沼は、もっと高いレベルでの競争がしたい、全国レベルの中で自分がどうなのか、勝てるのか試したいと思った。早稲田大学ラグビー蹴球部にはラグビーに本当に真剣に打ち込める環境がある。栄養管理された寮の食事に天然芝と人工芝のグラウンド、豪華なコーチ陣という最高の環境で、公平に評価されチャレンジできる。この充実した環境で本気で日本一を目指し、目標としている自分になるために日々努力している。