「荒ぶる」に向けて早大ラグビー蹴球部の挑戦が幕を開けた。
先週、関東大学春季大会(春季大会)初戦が行われ、東海大と対戦した早大は33-19と勝利。スローガンに掲げる「WASEDA FIRST」を見事体現し、「日本一」に向け幸先のよいスタートを切った。そんな早大の次なる相手は、明大だ。春の一大イベントでもある早明戦は今年、熊本の地で開催される。伝統ある一戦で開幕2連勝を飾ることができるか。
前節の東海大戦は、激しい雨が降り注ぐ中行われた。前半開始4分、ラインアウトからモールでフッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が先制トライ。続く10分、SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)のキックにWTB磯崎が素早く反応し追加点を挙げる。また、WTB細矢聖樹(スポ3=國學院栃木)のキックキャッチから磯崎、佐藤と確実にパスをつなぎCTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)がインゴールに飛び込んだ。
しかし、続く21分と27分に東海大にトライを奪われ、19-14まで点差を縮められる。両者拮抗した状態が続く中、SO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の効果的なキック、ランニングプレーで早大は流れを取り戻す。
後半には、佐藤が2本目となるモールトライを決め、点差をさらに広げる。コンディションの悪い中、早大は最後まで粘り強いディフェンスと縦横無尽なアタックで相手を圧倒し、春季大会初戦を33-19と白星で終えた。
一方、次戦の対戦相手である明大は、勢いあるルーキーが入部し、今季もFW、BKともにタレントぞろいだ。前節の流通経大戦、CTB廣瀬雄也主将(明大)が欠場するものの、58-12と勝利。今季も明大の攻撃の要であろうSO伊藤耕太郎(明大)のゲームメイクには警戒が必要だ。また、大型FWの縦への突破、ルーキーWTB海老澤琥珀(明大)のランニングをディフェンスで抑えられるかが勝敗を分けるポイントとなるだろう。
昨年の春季大会早明戦では、早大が惜しくも敗北した。この悔しさを知る伊藤、CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)、NO8村田陣悟(スポ4=京都成章)ら上級生が中心となってプレーや声で仲間を鼓舞し、勝利をつかみたい。また、今季頭角を現した両プロップ門脇浩志(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、下村勇貴(文3=東京・早実)や、トレーニングマッチで持ち味のランを発揮し、1年生ながら存在感を示したFB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)も今回メンバー入りを果たした。フレッシュなメンバーの勢いも力に昨年のリベンジを果たせるか。頂点の景色を見るために、宿敵・明大に闘志を燃やす早大。魂のこもったプレーに注目だ。
文:寺谷芽生 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)