雨にもかかわらず多くのファンが集まった早大上井草グラウンド。早大は関東大学春季大会第4節、流通経大戦に臨んだ。前半は17分までにSH宮尾昌典(スポ3=京都成章)が2トライ、SO伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が1トライを挙げ好調な滑り出しを見せる。しかしその後、流通経大のFWにスクラムで圧倒され2トライを奪われ献上し、21-12で試合を折り返す。後半はFWのフェーズ攻撃からトライを奪うと、交互にトライを取りあう形になる。それでも早大は相手ディフェンスの穴を突く攻撃で得点を重ね、流通経大の追随を許さない。最終スコアは50-31で勝利し、今大会3つ目の白星を収めた。
前半は立て続けにトライを3本奪い、主導権を握る。前半10分、ワンパスを受けたフランカー粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がディフェンスラインをブレイクし、フォローについた宮尾が先制点を挙げる。14分に伊藤がトライを挙げた直後、WTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)が自陣左22メートルから敵陣に大きくキックを放ち、自らものにして前へ。その後、アシストした宮尾が再びインゴールを駆け抜けた。
以降は敵陣ゴール前に侵入するものの、体格が勝る流通経大のディフェンスに阻まれ、ゴールラインを割ることができない。31分、36分にはスクラムを起点に自陣に踏み入られ、トライを奪われる献上。セットプレーで流れを乱され、21-12で前半を折り返した。
後半は点を取り合う展開となった。後半11分、NO8村田陣悟(スポ4=京都成章)が大きくゲイン。直後にパスを受けた粟飯原がゴール前に侵入し、最後はフッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)がトライに結んだ。その後は両校共にトライを重ね、40-24。32分、35分と連続でトライを挙げると、さらに40分、CTB守屋大誠(政経3=東京・早実)が裏のスペースに転がしたボールに、交代したばかりのWTB杉野駿太(政経3=東京・早大学院)が反応しダメ押しのトライを決める。試合終了間際に自陣ゴール前でのペナルティーからトライを許してしまうが、早大が逃げ切り、50-31で試合を終えた。
「どこからでも攻めることができる体制を整えて、積極的にゲームを進められた」と伊藤主将が語るように、エリアに関係なく多彩な攻撃を見せた本試合。雨の中でありながらもテンポの速い攻撃を仕掛け、計8本のトライを挙げた。一方、スクラムでは流通経大に圧倒される部分も多く見られた。来週末は同大戦、その後は昨季王者・帝京大との一戦を控える早大。強いスクラムを誇る両校に対し、春シーズンの成果を示したい。今日の勝利を糧に、さら更に精度を上げられるか。
記事:原旺太 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)