霧雨の降る中、早大・上井草グラウンドにて早大Cと流通経大Cの試合が行われた。最近の試合では敗戦が続き、負の連鎖を断ち切りたい早大Cは38-0で完封勝利を飾った。前半は両者セットプレーが安定せず、12-0で折り返すなどロースコアな試合展開となった。一方、後半は早大らしいテンポのいいアタックを見せ、後半だけで4トライを挙げるなどリードを広げ、ノーサイドとなった。
前半は早大Cがポゼッション、エリアともに優位に立ち、何度もチャンスを勝ち取る。しかし、セットプレーが安定せずトライまで結びつけることができない。10分、流通経大Cのペナルティーから得た敵陣ゴール前5メートルスクラムで相手のFWに圧力をかけられ、スクラムを崩してしまう。ラインアウトも精密さを欠き、苦戦を強いられる。しかし、20分に待望の先制点が生まれる。フランカー松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)のジャッカルから得たペナルティーをきっかけに敵陣ゴール前5メートル左ラインアウトを獲得。モールを形成して早大Cがインゴールをこじ開けた。
30分には今試合劣勢だったスクラムでペナルティーを獲得したことに加え、続く31分、WTB鈴木陽結(政経4=東京・早大学院)が俊足を生かし、流通経大Cの決定機を阻止。FW、BKの両方からチームを盛り上げ、早大Cが加速する。35分にはSO仲山倫平(法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)の内返しのパスを受け取った鈴木がラインブレイクし、サポートに走っていたフランカー中島潤一郎(教2=神奈川・桐蔭学園)がインゴールを走り抜けた。序盤にセットプレーが安定しなかった早大Cだったが、前半終盤に勢いを取り戻し12-0で折り返した。
後半は、前半終盤の勢いそのままに早大Cが優位に試合を展開する。開始早々に早大Cがトライを挙げると、続く12分、「次々と順目にまくり、セットスピードで相手に勝つというテーマで練習してきた」とCTB池本晴人(社1=東京・早実)が語るように、早いテンポで順目にフェーズを重ねて数的有利を作り、最後はディフェンスの隙をついた仲山が得点を重ねる。24-0とリードを広げた早大Cは途中出場のプロップ清水健伸(スポ1=東京・國學院久我山)をはじめとして、早い出足と鋭いタックルで得点を許さない。
29分には松沼がゲインすると、オフロードパスを受け取った池本がインゴールを駆け抜けた。さらに39分、敵陣10メートルライン付近のマイボールラインアウトから1次アタックでボールを受け取った松沼がラインブレイクし、そのままトライ。最終結果を38-0とし、完封勝利を収めた。
流通経大Cの強力なアタックを完封した早大Cは着実に成長をうかがわせている。「全員がコネクトして前に出れていたことが無失点につながった」とロック松下慶伍(教4=東京・早実)が語るように、試合終盤まで徹底されたディフェンスは早大Cの強みとなっていくだろう。また、随所に見られたルーキーたちの活躍も印象的だった。積極的にプレーに関与し、活躍する選手の姿はチーム全体に刺激を与えたことだろう。来週に控える新人早明戦での活躍にも期待が高まる。層の厚さを見せる早大Cは今後の試合でもさらに勝利を重ねるに違いない。
記事:村上結太 写真:高田凛太郎(早稲田スポーツ新聞会)