翌日の関東大学春季大会・帝京大戦を前に、Bチームに続き、早大Cが帝京大Cとの春シーズン最終戦に挑んだ。「相手のフィジカルは強かったが、通用する部分も多かった」(CTB森田倫太朗、スポ1=兵庫・報徳学園)と早大Cは昨季王者・帝京大Cを相手に接点やアタックで引けを取らない強さを見せた。前半序盤、連続で2トライを奪い主導権を握ると、さらに得点を重ね12点をリード。蒸し暑く体力が奪われやすい中、後半も集中力を切らさず走り続け、29-24と逃げ切り見事帝京大Cに白星を挙げた。
試合開始2分、フェーズを重ね敵陣奥深くに攻め入った早大C。SO黒川和音(人2=茨城・茗渓学園)がディフェンスを突破すると、そのままスピードに乗ってインゴールへ走り、先制トライを決めた。さらに直後の4分、自陣から森田が左ライン際を攻め、相手を翻弄する華麗なランを見せる。一気に敵陣ゴール5メートル前まで駆け上がると、ボールはサポートに入ったWTB溝井颯太朗(スポ3=北海道・函館ラサール)に託され、そのままインゴールへ。
2連続でトライを奪い勢いある出だしを見せた早大は、低く鋭いタックルを何度も決めるなどディフェンスでも奮闘し安易に相手の前進を許さない。18分には、HO清水健伸(スポ1=東京・國學院久我山)の力強いゲインから、森田、CTB池本晴人(社1=東京・早実)と1年生コンビがスピードある攻撃で仕掛け、トライを挙げる。さらに35分にも追加点を決め、24-12で前半を折り返した。
前半の流れを崩したくない早大C。後半も果敢に攻め入り、幾度もチャンスを生み出すが、帝京大Cの堅い守備を前になかなかトライへ結び付けることができない。15分、相手の攻撃をFL岡村圭悟(スポ3=東京・本郷)がジャッカルし、マイボールに。敵陣22メートルラインへ前進し、ラインアウトのチャンスを得る。そこからモールを形成すると、両校FW陣の意地の戦いが繰り広げられた。
早大Cが必死に押し込み、ゴールまであと一歩のところまで攻め入るが、帝京大Cも簡単にはインゴールを割らせない。拍手で音頭をとるなど、観客席も盛り上がりを見せる中、早大Cが最後の最後まで粘り、押し切ることに成功した。しかし、この後帝京大Cの反撃で5点差まで詰められる苦しい展開に。その中でも早大Cは4年生が中心となって声を出し、仲間を鼓舞。最後まで試合テーマに掲げた「バトル」を全員で体現し、見事29-24で勝利した。
昨シーズンから、どのカテゴリーでもなかなか帝京大に白星を挙げることができなかった早大。今回の勝利はその負の連鎖を閉ざす、非常に大きな価値があっただろう。また、試合後に「大きな勝因になった」とLO松下慶伍ゲームキャプテン(教4=東京・早実)が語るように、春シーズン力を入れてきたブレイクダウンで、その成果を発揮し、相手を圧倒する強さを見せた。選手たちはこの勝利を励みに、夏以降も鍛錬を重ねる。秋シーズンでは、夏を越えてさらに強くなったチーム早大に期待しよう。
記事:川上璃々 写真:戸祭華子(早稲田スポーツ新聞会)