早大の関東大学春季大会(春季大会)が閉幕して1週間。関東大学オールスターゲームが東京・秩父宮ラグビー場で開催された。早大からは、対抗戦選抜としてHO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、LO池本大喜(文構4=東京・早実) 、NO8村田陣悟(スポ4=京都成章) 、CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)が出場。試合は拮抗した展開となり、前半を19-26で終える。後半は、早大選手が幾度も起点を生み出しトライに貢献。一時は逆転に成功した対抗戦選抜がリードしたものの、最後まで粘り強さを見せ、追い上げたリーグ戦選抜。試合終了間際に同点トライを奪われ、43-43で今年のオールスターゲームは幕を閉じた。
前半3分、対抗戦選抜は敵陣インゴール手前でマイボールスクラムを獲得。左サイドでのラックからCTB廣瀬雄也(明大)、SO伊藤耕太郎(明大)と明大コンビが巧みなパスをつなぎ相手を翻弄。その後、ディフェンスの隙をうまく突いたFB髙田賢臣(筑波大)が先制点を奪った。しかし、直後にトライを奪われ、再び振り出しに戻されてしまう。
対抗戦選抜は何度も好機を作るが、インターセプトやノックオンでなかなか前進することができない。すると15分、敵陣右奥深くでマイボールスクラムのチャンスを得る。帝京大メンバーが集うFW陣が強さを見せ、そのままインゴールへ押し込んだ。続く28分にも追加点を挙げ、対抗戦選抜は19点を獲得。30分には早大から池本、村田、岡﨑が出場し奮闘するが、前半終盤にリーグ戦選抜に連続トライを奪われ、19-26で折り返した。
後半戦はHO江良颯(帝京大)に代わり佐藤が出場。早大選手全員がグラウンドに立ち、応援に駆けつけた早大の仲間達にも熱が入る。後半、リーグ戦選抜に先制を許し、点差を引き離された対抗戦選抜だったが、14分、FL青木恵斗(帝京大)のトライを皮切りに怒涛の追い上げを見せる。16分、ハーフウェーラインでのインターセプトから勢いよく攻撃に出ると、岡﨑とCTB秋濱悠太(明大)のファインプレーから右へフェーズを重ねる。相手の隙を見抜いたSO山田響(慶大)が右大外へキックパスを放ち、反応したWTB榎本拓真(青学)が仕留めた。
続く28分、村田が中央で相手ディフェンスを突破し前進すると、同郷・京都成章出身のPR八代デビット太郎(立大)がサポートに入る。最後は青木がトライに結び、逆転に成功した。さらに佐藤の力強いキャリーを起点に追加点を挙げ、43-33とリードする。このまま逃げ切りたい対抗戦選抜だったが、スピードある相手攻撃を止め切ることができず、被トライ。ラストワンプレーで同点に追いつかれ、そのままノーサイドとなった。
白熱した戦いを繰り広げた両チーム。「しっかりとコミュニケーションを取り、いいボールキャッチができた」と村田が試合を振り返るように、他大選手とのいい連携が光り、早大選手もそれぞれの強みを生かしたプレーでチームを勢いづけた。また、春季大会で敗北した明大、帝京大の選手に対し「コミュニケーションの量や質はすごいと感じた。チームに還元したい」(岡﨑)と各々収穫もあったようだ。残り半年で春の差を縮めることはできるか。選手たちは栄光を手にするために「一日一日をしっかり積み重ねていく」(岡﨑)。
記事:川上璃々 写真:戸祭華子、谷口花(早稲田スポーツ新聞会)