「全員が早稲田を、チームを一番に考える」(CTB伊藤大祐主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)ーー。
この言葉を胸に春シーズンを駆け抜け、着実にチームの士気を高めてきた早大。鍛練の夏も超え、いよいよ10日に関東大学対抗戦(対抗戦)初戦を迎える。悲願の『荒ぶる』に向け、一勝一勝を着実に積み上げ、まずは対抗戦王者の称号を得たいところ。勝負の約3ヵ月へ、チーム伊藤のチャレンジが始まる。
夏合宿中に行われた昨季王者・帝京大との一戦は、NO8村田陣悟(スポ4=京都成章)やHO佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)など主力選手が欠場する中でのゲームとなった。春の戦いに比べて「感覚的には全く違った展開だった」と伊藤が語るように、前半から積極的なプレッシャーをかけ、敵陣でのプレーを続けた早大。互角の戦いを繰り広げたと思われたが、「あれだけのチャンスで1本も取れなかった」(HO安恒直人、スポ3=福岡)と帝京大のディフェンスに苦戦し、7-62で敗北を喫した。
その翌週には、同大と夏合宿最終戦が行われ、結果は70-12と快勝。BKを中心に前半から素早い攻撃で相手を翻弄し、トライを量産。強化してきたスクラムでも奮闘し、秋シーズンに向け、いい流れで夏合宿を締めくくった。
そんな早大の開幕戦の相手は立教大。春の成績を1勝4敗とし、思うような成績を残せていないが、夏季シーズンでは全試合を制し、今勢いに乗っているチームのひとつである。早大は昨年度の対抗戦で31-7と勝利しているが、今年はさらに強力になったディフェンスと、展開プレーで相手を圧倒し、快勝を収めたいところだ。チームの軸となる伊藤を始め、CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)やFL永嶋仁(社4=東福岡)らリーダー陣がチームを盛り上げ、『WASEDA FIRST』に拘るプレーを見せることができるか必見だ。
また、立大戦では1年生からNO8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)、FB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がスタメン入り。初の対抗戦でどこまで早大を勢いづけることができるのか、フレッシュな力にも期待したい。そして、ラストイヤーとなる4年生たちの想いがこもった気迫あるプレーも注目だ。
昨年の悔しさを晴らすため、練習の強度を上げ、試行錯誤して練習に励んできたチーム伊藤。対抗戦ではその成果を十分に発揮し、一戦一戦の経験を糧に進化していくことが『大学日本一』獲得に必要不可欠だろう。決して簡単な道のりではないからこそ、チームの団結力がカギとなるこの勝負のクライマックスシーズン。激しく、愚直にチーム全員で強い早稲田を体現したい。
記事:川上璃々 写真:川上璃々・西川龍佑(早稲田スポーツ新聞会)