佐賀・SAGAスタジアムで行われた早慶戦から1週間。
来たる5月12日、ついにチーム佐藤の関東大学春季大会(春季大会)が幕を開ける。
昨年、全国大学選手権準々決勝で京産大に28-65と差をつけられて敗戦を喫し、辛酸をなめた早大。新体制にはHO佐藤健次(スポ4=神奈川・桐蔭学園) が主将に、副将にはSH宮尾昌典(スポ4=京都成章)が就任し、昨季のリベンジを誓う。監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)が4期目となる続投。チームスローガンは『Beat Up』と決め、「全ての試合で勝利する」ことを目標に掲げ、新シーズンをひた走る。
初戦の相手は流経大。力強いFWをそろえる流経大を相手に、今試合はディフェンスに注目したい。「ディフェンスに多くの時間を割いている」と大田尾監督も語ったように、今季は『防御』に成長を見せたい早大ラグビー部。
期待が高まる選手、筆頭はLO栗田文介(スポ3=愛知・千種)。先週の早慶戦ではタックル、モールディフェンス共にFWの要となり大田尾監督からも高評価を受けた。今試合でも大きな体格を生かしたダイナミックなプレーが飛び出すに違いない。
また、高いワークレートを誇る両FL田中勇成(教3=東京・早実) 、粟飯原謙(スポ3=神奈川・桐蔭学園)からも目が離せない。彼らの献身的なプレーはこれまでの中大戦、慶大戦でも目を見張るものがあり、早大ディフェンスの主軸として身を挺して戦う。
一方のBKでは今季からCTBにコンバートした福島秀法(スポ3=福岡・修猷館) 、両翼の鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)、杉野駿太(政経4=東京・早大学院)の守備統率に視線が集まる。組織ディフェンスの中核を担う三名の活躍が早大の勝利に直結することは言うまでもない。勢いのある流通経大のアタックを規律ある防御で封じきることができるか、期待が高まるばかりである。
対する流経大はサイズのあるFWを率いる。No.8ティシレリ・ロケティは前節の明大戦でも自身のストロングポイントを遺憾なく発揮。流経大の切り込み隊長として早大の脅威となるだろう。またWTBアポロサ・デレナギの大きなストライドを生かしたランにも注意が必要だ。FWでゲインを狙い、積極的なオフロードパスでさらに前進を試みるのが流経大アタックの特徴といえる。前試合、慶大戦は「一対一にこだわる」というテーマを掲げて臨んだ早大。今試合は慶大戦以上にタフな試合になることが予想され、プレーヤー一人一人がコンタクトで優位に立つことが勝利への条件になるだろう。
「自分たちがどれぐらい戦えるのか楽しみ」とHO安恒直人(スポ4=福岡) は春シーズンでの対外試合に自信を見せる。早大ラグビー部が目指すのは『荒ぶる』のみ。2019年以来、17度目の日本一を掴み取るための準備を着実に進めてきた。早大らしいラグビーで流経大を圧倒し、これからのシーズンに弾みをつける一戦とできるか。
春季大会の開幕、待ちに待った公式戦。
早大ラグビー部はいよいよ『荒ぶる』へ向けた長い戦いのスタートラインに立つ。
さあ、キックオフの笛が鳴る。
記事:村上結太 写真:西川龍佑(早稲田スポーツ新聞会)