関東大学春季大会(春季大会)開幕から1週間、早大は愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で東海大との一戦に臨む。過去の春季大会で何度も苦戦を強いられてきた相手との重要な一戦。圧倒的な選手層の厚さを誇り、リーグ戦5連覇の強豪に対して『Beat Up』を体現できるか、チーム佐藤が春シーズン最初の壁に立ち向かう。
前節、流経大に対して終始流れを渡さず、68-7と春季大会初戦を快勝で終えた早大。大きなインパクトを残したのはLO栗田文介(スポ3=愛知・千種)の活躍だ。フル出場で攻守共にチームに大きく貢献。セットプレーでも中心的役割を果たし、流経大の強力フォワードを押さえ込んだ。さらに印象的だったのは後半31分のトライ。自陣22メートルラインでHO佐藤からボールを受けるとゲインラインを突破、そのまま食らいつく敵ディフェンスを薙ぎ倒しインゴールまで走り切った。このプレーでチームはゲームの流れを完全に掌握、早大の勝利を決定づけるビッグプレーとなった。次節の東海大戦は栗田の出身地である愛知で開催される。地元の応援を糧に気迫のこもったプレーで会場を沸かせ、チームの火付け役として躍動する姿を見せてくれるに違いない。
バックスからはCTB黒川和音(人3=茨城・茗渓学園)に注目していきたい。昨年の秋シーズンは主にCチームで出場。着実に経験を積みながら成長を重ね、シーズン終盤にはBチームでも活躍を見せていた。全てのスキルをハイレベルでこなし、ゲームコントロールの能力にも長けたユーティリティプレーヤーである黒川。この春からは赤黒の12番に抜擢されると、トレーニングマッチを合わせたこれまでの4試合全てでスタメン出場を果たしている期待の3年生だ。前節はディフェンスでの活躍が特に光った。自ら仕掛けるタックルで、流経大をわずか1トライに抑えたチームのディフェンスに大きく貢献し、「自分の中でいい感触があったので、これからも継続していきたい」(黒川)と手応えを感じている。東海大のアタックに対しても、ビッグタックルでチームに流れを引き寄せる活躍を期待したい。
東海大は伝統的に強力なフォワードを要するパワフルなチーム。流経大戦から数段高い強度での厳しい戦いが予想される。さらに東海大は次節が今シーズン公式戦の初戦であり、シーズンのスタートに強い意気込みで向かってくる。相手の得意とするセットプレーをどれだけ封じ込めるか。好調なディフェンスから流れに乗った強力アタックにどれだけ繋げられるか。チーム佐藤が迎える春の難関はどのような展開を見せるのか、大注目の一戦から目が離せない。
記事・写真:西川龍佑(早稲田スポーツ新聞会)