雨上がりの蒸し暑さを感じる中、早大・上井草グラウンドにて早大Cは帝京大Cとの一戦に臨んだ。優勝をかけた春季大会・最終節の前哨戦として行われたこの一戦。白星をあげ、良い流れでAチームにバトンを渡したい早大Cだったが、自身のミスからの失点が続き、得点をあげられないまま前半を折り返してしまう。なんとしても追い上げたい後半、開始早々から失点を許すも、フレッシュなメンバーの勢いで持ち直し3トライを挙げる。しかし前半の点数差が響き、追い上げは叶わず21-64で今季初の黒星を喫した。
早大Cのキックオフで始まった今節。試合開始直後から自陣でのプレーが続く展開に。フィジカルを武器とする帝京大に対し、今季力を入れてきたディフェンスの成果を見せる。No.8岡村圭悟(スポ4=東京・本郷)のタックルでノックオンを誘うなど得点を許さない。
しかし10分、途切れないアタックに対応しきれず生まれたディフェンスの穴を正確に突かれ、先制トライを奪われてしまう。21分には、ハーフライン付近でのマイボールスクラムを起点に攻撃を仕掛けるもボールをこぼしてしまうと、そのボールを拾われ追加点を奪われる。
その後も2連続でトライを許し、このまま帝京大ペースの試合展開になるかと思われたが、33分早大に反撃の機会が生まれる。LO鈴木大和(国2=東京・早実)のビッグゲインで一気に敵陣22メートルラインまで前進。左に展開しようとするが、ボールが手に付かず攻撃が途切れてしまう。アタックチャンスを生かしきれないまま前半終了間際のトライで突き放され、0-31で前半を折り返した。
なんとしても得点をあげたい後半だが、開始早々から3連続で失点。ここで流れを変えたい早大は怒涛の選手交代を行う。すると18分、敵陣深くでアドバンテージを獲得後、クイックスタートを切りテンポ良く左へ展開。LO折戸健介(法4=東京・早実)、CTB田尻遥也(文4=埼玉・早大本庄)、SO池山昂佑(商2=東京・早実)へとつなぎ、最後はCTB平野仁(スポ1=神奈川・法政二)がインゴールへ飛び込んだ。33分にスクラムトライを許すも、直後にFB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)の30メートル近い圧巻のランを見せるとグラウンドを大きく使って展開し徐々にラインを押し上げる。ゴール前でラインアウトモールを形成し、そこから持ち出したボールを受けたCTB田尻がグラウンディング。さらに41分、自陣でのスクラムからCTB田尻の力強いキャリーでゲインラインをこじ開けると、確実に前進し最後はPR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がインゴール右隅にねじ込んだ。流れを掴んだと思われた早大Cだったが、試合終了間際にトライを許し21-64で無念のノーサイドとなった。
「スクラムやモールなど練習でやってきたことを出せた」と岡村が話すように、今季強化してきたセットプレーやディフェンスなどで十分な成果を見せていた早大C。試合結果は芳しくなかったが、今節を経て、ミスからの失点、アタックチャンスでのボールロストなど細かい部分に課題を見つけた。この試合は赤黒を目指す選手たちにとって自身を成長させる機会となることだろう。2ヶ月後に控えた夏の再戦でどのような姿を見せてくれるのか期待が高まる。
記事:清水浬央 写真:戸祭華子、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)