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2024
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ジュニア選手権 帝京大学戦/観戦記

関東大学対抗戦、早大の初戦から一夜明け、帝京大・百草グラウンドで関東大学ジュニア選手権が開幕した。今シーズン無敗を貫いている早大Bの応援に駆けつけた多くのファン。その期待を背に、選手たちは覇者・帝京大B戦に臨んだ。先制したのは早大Bだったが、アタックミスからトライを取り切られ振り出しに戻る。しかし、春シーズンから磨いてきた激しいディフェンスで帝京大Bに追加点を渡さない。早大Bはペナルティーゴールも成功し、17-7で前半を折り返した。続く後半、6分に追加点を決め、このまま突き放すかに思われたが帝京大Bも簡単に主導権を渡さなかった。力強いランナーが次々とディフェンスラインに襲い掛かり、33分には27-28と逆転を許す。しかし、負け知らずの早大Bはラストチャンスで逆転のトライに成功。34-28でジュニア選手権の初戦を見事に勝ち切った。

ゲインラインを突破するFL安恒

風が吹く中、早大Bのキックオフで始まった今試合。先に試合を動かしたのは早大Bだった。5分、帝京大BのハイパントキックをキャッチしたFB植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)が空中でタックルを受けたとしてペナルティーを獲得。SO服部亮太(スポ1=佐賀工)のロングキックで大きく陣地を獲得すると、早大Bはモールを形成した。帝京大Bのオフサイドを誘発すると、ゴール前まで侵入することに成功。またもモールを形成し、HO清水健伸(スポ2=東京・國學院久我山)が持ち出す。次のフェーズでFL牧錬太郎(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がボールキャリーすると、後ろから強烈なハンマーに入ったFL安恒直人(スポ4=福岡)。そのまま力強いドライブでインゴールに押し込んだ。15分にはPR新井瑛大(教2=大阪桐蔭)、LO萩原武大(スポ3=茨城・茗渓学園)を中心に鋭いタックルを連発
するなどディフェンスで帝京大Bを押し下げる。敵陣でボールを獲得し、追加点の兆しが見えた17分、アタックのミスボールが帝京大Bに収まり、そのままインゴールまで走り切られた。同点となった22分、早大Bは敵陣で獲得したスクラムでプレッシャーをかける。ブラインドに回り込んだWTB西浦岳優(社1=東福岡)がボールを受けると、ステップで次々とディフェンスをかわし、インゴールを駆け抜けた。続く30分、敵陣10メートルライン付近のスクラム一次攻撃から西浦がゲイン。オフロードを受け取った植木がタックラーを引きずりながら前進。テンポよくアタックを継続すると、帝京大Bはたまらず反則を犯してしまう。早大Bはそのペナルティーでショットを選択し、服部が確実に沈めた。17-7と10点のリードを守り切り、前半が終了した。

ディフェンスに仕掛けるPR新井

後半も先制したのは早大B。帝京大Bのオフサイドの反則から敵陣ゴール前まで前進し、ラインアウトモールを組んだ。帝京大Bは故意に崩したとして反則を取られたが、早大Bはプレーを続ける。さらにハイタックルのアドバンテージも獲得。後手に回った帝京大BディフェンスにCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)が鋭く走りこみ、そのままトライ。24-7と17点のリードを得た。12分、早大Bは連続でペナルティーを取られ、陣地を失うとそのままトライを奪われた。しかし、20分にまたもペナルティーゴールを決め、点差は13に。激しいディフェンスが光る早大Bだったが、帝京大Bはテンポを落とさずに雪崩れ込む。連続で2トライを奪われ、33分に逆転を許した。27-28と1点差で迎えた37分、早大Bは敵陣22メートル付近でスクラムを得た。ラストチャンスと思われたアタックで早大Bは変則的なフォーメーションを組む。SOの位置に仲山倫平(法3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)、強力なフィジカルを持つ福島の裏に服部が立ち、特殊な攻撃が来るかと思われた。しかし、仲山が選択したのはパスダミー。帝京大Bディフェンスの裏をかき、仲山がそのまま逆転のトライ。コンバージョンキックも成功し、34-28。6点差で勝利した。

決勝の逆転トライを挙げたFB仲山

春、夏に続き帝京大B相手に3連勝を果たした早大B。ゲームキャプテンを務めたSH清水翔大(文4=東京・早実)は、「苦しい時間帯でも自分たちが我慢し続けて早稲田のプライドを見せられたことが勝利の要因だと思う」と今試合を総括。「FW、BKどちらも接点で前に出る良いディフェンスができた」と安恒が振り返るように、フィジカルで引けを取らなかったことが収穫だろう。ルーキーの活躍も目覚ましい。逆転を許しても最後まで諦めずに戦い、勝利を奪い取った早大B。選手たちが求めるものは勝利、そして「赤黒」だ。貪欲に成長を続ける彼らは早大のメンバー争いをさらに激化させ、チームを新たなステップへと押し上げる。無敗の早大B、彼らの快進撃はまだまだ続いていく。

記事:村上結太 写真:西川龍佑、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)