対抗戦で早大が躍動をする中、9月29日には早大・上井草グラウンドにてジュニア選手権の第2戦である慶大戦が行われる。春の対外試合が始まってから脅威の無敗という成績を誇る早大Bだが、今試合でも引き続きその強さを発揮することができるか。
早大Bは前節、帝京大・百草グラウンドにて強敵である帝京大Bと対戦した。早大Bはペナルティーゴールで着実に得点を重ねていく。また粘り強いディフェンスで帝京大Bの攻撃を防ぎ、17-7とリードを保って前半を折り返した。後半も早大Bが勢いに乗ると思われたが、帝京大Bの猛撃に耐えきれず、33分には27-28と逆転を許す。しかし連戦連勝の早大Bはラストチャンスでトライを取り切り、逆転に成功。34-28で見事に昨年度覇者・帝京大Bから勝利を収め、ジュニア選手権の初戦を白星で飾った。
対する慶大Bは9月8日に早大Bが前節に対戦した帝京大Bとの初戦に臨むも、21-52で敗北。しかし帝京大Bから3トライを奪ったバックスリーの決定力は早大Bの脅威となるだろう。また慶大Bは伝統的にタックルを強みとしており、早大Bのアタックに次々と襲いかかる展開が予想される。圧力のあるディフェンスに対し、80分間集中したアタックを継続できるかが今試合の勝敗を左右するカギとなるだろう。そして注目すべきはルーキーのPR井吹勇吾。昨年度の花園王者・桐蔭学園からの出身であり、そして高校日本代表でも1番を背負った。これらの活躍が評価され、飛び級で今春のU20日本代表候補合宿にも選出された逸材だ。またSHの小城大和はゲームメイクに定評があり、彼らを中心に果敢に攻めてくるだろう。
早大Bが慶大Bのディフェンスを崩す上でキープレイヤーとなるのはSH清水翔大(文4=東京・早実)だ。前節では「テンポの早いアタックが早稲田の生命線」と自身が語るように、持ち前の素早い球捌きとゲームメイクでチームを勝利に導き、帝京大B撃破に大きく貢献した。最上級生として迎える今シーズン、リーダーシップにも磨きがかかり、今節での活躍が期待される。得点力ではWTB西浦岳優(社1=東福岡)にも注目だ。前節では1トライを記録し、魅力的な大きなストライドのランで相手ディフェンスを次々とかわし、何度もチームにチャンスをもたらした。今試合でも持ち前の決定力やランニングスキルで多くのチャンスを生み出してくれるだろう。また今シーズンの早稲田の強みでもあるスクラムにも期待がかかり、PR山口湧太郎(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、PR新井瑛大(教2=大阪桐蔭)にも注目したい。
前節、強敵・帝京大Bを破り、無敗を誇っている早大B。どのカテゴリーでも早大らしさや強みを発揮できることがチーム佐藤の最大の強みといえるだろう。「部内競争を強化させたい」と語る大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)のもと、『荒ぶる』を獲るためには早大Bの活躍が必要不可欠だ。『赤黒』を勝ち取るためにも、選手たちの激しいプレーが期待される。伝統の早慶戦、負け知らずの早大Bは持ち味を存分に発揮し、勝利を掴むことができるのだろうか。負けられない、プライドをかけた戦いが今週末、上井草で行われる。
記事:大林祐太 写真:西川龍佑(早稲田スポーツ新聞会)