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2024
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トレーニングマッチ 慶應義塾大学C戦/観戦記

9月も終わりに差し掛かり、過ごしやすい気温の中、早大・上井草グラウンドにて早大Cと慶大Cによる一戦が行われた。前半は互いに点の取り合いになり、21-19で折り返す。後半に入ると、早大Cが3連続でトライを奪い、慶大Cを突き放す。その後、慶大Cに2トライを返されるが、最後に早大Cがダメ押しの追加点。49-31で勝利を収めた。

力強いゲインを見せるCTB守屋

前半4分、まずチャンスを作ったのは慶大Cだった。慶大の選手の蹴った低弾道のボールが50-22となり、一気にピンチを迎えた。鋭いタックルで守るもトライラインを越えられてしまう。先制を許した早大Cは7分に、FB髙栁壮史(創理3=東京・早大学院)が力強いランでゲイン。そこを起点にボールを展開し、CTB守屋大誠(政経4=東京・早実)がスペースを見つけて走り込み、WTB山下一吹(教3=東京・早実)へパス。そのまま走り切ってトライ。SO田中大斗(教1=東京・早実)がコンバージョンも決めて逆転した。ここから両者一進一退の攻防が続く。11分には早大Cの果敢な守備を跳ね返す。慶大Cがフェーズを重ねてトライ。再び5点のリードを譲る。しかし13分、早大Cボールのラインアウトを確保し、ボールを展開すると相手がペナルティーを侵す。SH宮尾昌典(スポ4=京都成章)はクイックで仕掛け、強気なアタックでさらなる反則を誘発する。最後は宮尾からパスを受け取ったPR勝矢紘史(スポ3=長崎北陽台)がインゴールに飛び込んだ。相手ディフェンスを押しのけて、トライを奪った。続いて28分。マイボールスクラムを確実にキープ。フェーズを数回重ねたところで相手の左サイドにスペースが生まれる。これを見逃さなかった守屋がグラバーキックを蹴り込み、そのボールを追いかけていたWTB三浦哲(文構4=東京・早実)の胸にすっぽりと収まってトライ。スペースを上手く使った早大らしいアタックが光った。その後慶大Cが1トライを返し、21-19で試合を折り返した。

好キックでチャンスを演出したSO田中(大斗)

後半開始早々、仕掛けたのは早大Cだった。華麗なステップから抜け出した山下がフォローに回っていた宮尾へパス。後ろから追ってきた相手ディフェンスの頭上を通すパスを髙栁が受け、中央へトライした。さらに4分。ハイパントをキャッチした相手が地面に倒れるとすかさず、FL野島信太郎(教2=東海大大阪仰星)がボールに絡み、相手のノットリリースザボールを誘った。田中(大斗)の素晴らしいキックで敵陣の奥深くで早大Cボールのラインアウトを獲得。これを確保し、守屋が田中(大斗)へパス。トライゾーンへ飛び込んだ。その後しばらく膠着状態が続いたが、後半26分。敵陣深く攻め込んだ早大は田中(大斗)がディフェンスラインの裏のスペースを見つけ、柔らかいキックをあげる。これを交代で入ったNo.8龍康之助(文構1=東京・早大学院)がキャッチしてトライ。42-19と点差が開いた。このまま勝負は決するかと思われたが、34分、39分に慶大Cがトライをあげ、怒涛の追い上げを見せる。この嫌な流れを壊したのはまたしてもキックパスだった。41分、トライライン手前で数的有利な状態を作り出した早大はCTB丸橋怜央(商2=埼玉・早大本庄)が右の空いているスペースへボールを蹴った。少し長くなり、タッチを割るかと思ったボールをWTB溝井颯太朗(スポ4=北海道・函館ラサール)がタッチライン間際でキャッチ。ボールを押さえて、ダメ押しのトライを奪い、49-31で早大Cが勝利を収めた。

途中出場で1トライを挙げたNo.8龍

早大Cの今試合のコンセプトは「まず、勝つこと」(宮尾)とシンプルなものだった。ゲームを振り返ると前半・後半ともに先制を許すもすぐに逆転。最後も手を緩めることなく、ダメ押しのトライを奪った。キックを多用する戦術で着実にエリアを奪うという、勝ちにこだわった戦い方だったと言えるだろう。一方、課題も残る。ブレイクダウンでは慶大Cの圧力に押され、苦戦するシーンも見られた。今回、接点で強いインパクトを残した野島は「タックラーと2人目の仕事が被ってしまった」と振り返った。今試合で出た課題を修正し、チーム全体のレベルはさらに高まっていくことだろう。早大のスタンダードを押し上げる選手たちの成長に期待が高まる。

記事:高木颯人 写真:西川龍佑、堀内遥寿(早稲田スポーツ新聞会)