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2024
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トレーニングマッチ 東海大学D戦/観戦記

10月中旬の日差しが照りつける中、早大・上井草グラウンドには多くの観客が集まり、早大Dの雄姿を見守った。試合が始まると、早大Dは素早い攻撃で相手にプレッシャーをかけるが、ミスが続き、決定機を生み出すことができない。先制点を奪ったものの、立て続けに失点を重ね、前半は12-17と東海大Dにリードを許して折り返す。後半に入ると、早大Dはすぐさま得点を挙げて同点に追いつくが、再び相手にリードを奪われてしまう。それでも後半35分には逆転に成功。終盤には相手の猛攻に晒される場面もあったが、粘り強い守備でピンチをしのぎ切り、ノーサイドの笛が鳴った。東海大D相手に見事な逆転勝利を収めた。

ディフェンスに仕掛けるHO田中

前半はSO池山昂佑(商2=東京・早実)のキックオフで幕を開けた。早大Dは得意の展開力を活かして次々とチャンスを作り出すが、ミスが続き、なかなか波に乗ることができない。しかし、今シーズンの強みであるスクラムで優位に立つと、再び攻撃の機会を掴む。前半10分、東海大Dのキックを池山が巧みに処理すると、CTB田尻遥也(文4=埼玉・早大本庄)からボールを受けたWTB杉野駿太(政経4=東京・早大学院)がビッグゲイン。続いてLO紀伊龍二(商3=東京・早実)が果敢にゴールラインへ迫る。そして、最後はHO田中健心(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が力強くインゴールに押し込んで先制。池山のゴールキックも成功し、7-0とリードを奪った。その後も池山とFB北田琢麿(スポ3=埼玉・川越東)のロングキックで陣地を回復するが、東海大Dに着実に得点を重ねられ、7-12と逆転を許してしまう。さらにピンチが続くも、池山の冷静なディフェンスコントロールで難を逃れる。前半30分、CTB丸橋怜央(商2=埼玉・早大本庄)を起点に、池山が相手ディフェンスの裏へ転がしたボールをWTB小澤アンディ(法3=千葉・流経大柏)がキャッチし、そのままインゴールへ飛び込む。ゴールキックは惜しくも外れたが、12-12と振り出しに戻した。このまま前半を終えたかった早大Dだが、東海大Dがライン際でゲインし、そのままインゴールまで運ばれ、12-17。リードを許したまま前半を終了した。

力強い走りを見せたWTB小澤(アンディ)

後半の初めから途中出場したSO島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)がファーストプレーから魅せる。キックカウンターから大きなゲイン、ディフェンスでは独走する相手に追いついてチームをピンチから救うビッグタックルを決めるなど、攻守の両面で存在感を発揮した。島田の活躍により勢いづいた早大Dは、CTB中谷波一土(人4=東京・本郷)のパスを受けた田尻がチャンスを演出すると、島田がボールをつなぐ。内側からスピードをつけて切り込んできた北田にボールが渡り、そのままインゴールに飛び込んだ。早大Dは再び17-17の同点に追いつく。その後は両チームが得点を重ね合う一進一退の展開となり、スコアは27-29。勝負が決まるラスト5分、早大Dは勝負をかけた。後半35分、鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)が相手のミスを逃さずボールをキャッチし、大きく前進。その後のラックからNo.8原田恒耀(スポ2=福岡・修猷館)が自らボールを持ち出し、インゴールを叩き割り、逆転。島田のゴールキックも成功し、34-29とリードを広げる。そのまま試合を終えたい早大Dだったが、東海大Dも簡単には引き下がらない。強みのフィジカルを生かし、ゴールライン深くまで攻め込まれる。ゲームキャプテンの杉野が「コンタクトの強い相手に一対一で勝負する」と述べた通り、早大Dは最後まで粘り強くファイト。東海大Dがディフェンスのギャップを突き、独走に持ち込まれたが、鈴木の持ち味である快足でカバー。ターンオーバーに成功し、九死に一生を得たところで試合終了。クロスゲームを34-29で締めくくり、早大Dは見事な逆転勝利を飾った。

後半からの出場で試合の流れを変えたSO島田

シーソーゲームとなった今試合。早大Dは難しい試合展開の中でも勝利を収め、自らの実力を証明した。田中が「先週からスクラムにこだわっており、ヒットの部分でしっかり相手を押せたことが良かった」と振り返るように、春から磨き続けてきたスクラムの強さが発揮された。今試合ではディフェンスラインを整備する指示が至る所から飛び交っており、今シーズンの早大ディフェンスの成長を象徴しているようだった。一方で、紀伊は「自分の強みを出しながら、少しでも上のカテゴリーで戦いたい」と語るように彼らは更なる活躍に燃える。シーズンを通して「部内競争を強化させたい」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が述べるように、彼らの活躍はチーム力の底上げにもつながる。『荒ぶる』そして『赤黒』を目指す選手たちの更なる活躍に期待が高まる。

記事:大林祐太 写真:高木颯人(早稲田スポーツ新聞会)