ついに迎える天王山。対するのはもちろん、宿敵・明大B。今季無敗の常勝軍団は早大・上井草グラウンドでペガサスの戦士たちを迎え撃つ。ジュニア選手権はついに最終節となり、早大Bは1位をひた走る。帝京大B、慶大B、東海大Bとの激闘を制し3連勝。リーグ戦首位突破をかけた一戦で白星を飾ることができるか。また、2週間後には関東大学対抗戦最大の山場・帝京大戦が控えている。チーム全体の勢いを最高潮に持っていくためにも絶対に負けられない戦い。必見の一戦だ。
前節・東海大Bとの一戦はまさに試合巧者ぶりを発揮した展開だった。先制を許したものの、FB植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)をはじめとする安定感のあるプレイヤーが試合を立て直し、前半は19-14と5点リードで折り返す。続く後半、早大Bは開始早々に追加点を挙げ、点差を広げた。今季の早大Bの強さはここにあるだろう。接戦の前半を終えた後半の立ち上がりという、試合全体の流れを決める重要な局面で東海大Bの出鼻をくじき、勢いそのままに2トライを決めた。36-21と点差は開かなかったものの、試合のターニングポイントで優位に立った早大Bが点差以上に優勢に進めた試合だった。
対戦相手の明大Bは大学屈指のタレント軍団。前節の慶大B戦では、早大Bが苦戦を強いられた相手に73-7と圧巻のトライショーで快勝した。高校時代から注目を集めていたFL藤井達哉やNo.8中村つぐ希、SO伊藤利江人などのスターたちが大学ラグビーに適応し、猛威を振るった。一方でWTBの4年生坂本公平がプレースキックで驚異の成功率を見せるなど、上級生が土台を固め、下級生が躍動するという安定的な強さを誇る強敵だ。
対する早大Bはルーキーたちの台頭により部内競争が激化し、近年稀にみる層の厚さが魅力。今回のメンバーのほとんどが赤黒での試合出場を経験しており、明大Bに引けを取らない個人の強さも持つ。中でも注目選手筆頭はHO清水健伸(スポ2=東京・國學院久我山)。U20日本代表に選出された大器は、セットプレーの中核を担うと同時にフィールドプレーでも抜群のパフォーマンスを見せる。早大Bの切り込み隊長として明大B陣内に襲い掛かる姿に期待したい。また、両FLの久我真之介(文構1=東京・早実)と多田陽道(商1=東京・早実)も注目株だ。献身的なプレーで1年生ながらも存在感があり、FWをワークレートで牽引する。明大Bの強力なバックローとのせめぎ合いは今試合の流れを左右する重要な局面となるだろう。また、BKではSO仲山倫平(法3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が試合のカギを握る。両チームともミスの少ない締まった展開になると予想される今試合ではプレースキックの成功率がリードに直結する。明大Bにプレッシャーをかけるためにも、チャンスを得点で終えたいところだ。
昨季のジュニア選手権では36-36と引き分けの熱戦を繰り広げたこのカード。今試合も正面からの殴り合いとなることは避けられない。キックオフのその瞬間から目が離せない80分間になることは間違いないだろう。総当たり戦無傷の4連勝を飾るため、早大Bは宿敵との大一番に臨む。相手にとって不足なし。『赤黒』を着て『荒ぶる』を歌う。ジュニア選手権のその先にある唯一の目標のため、選手たちはグラウンドを躍動する。
記事:村上結太 写真:西川龍佑、村上結太(早稲田スポーツ新聞会)