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2024
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ジュニア選手権 明治大学戦/観戦記

ジュニア選手権全勝を懸けた大一番、早大B対明大Bの一戦は前日の強風の影響で会場が変更になり、明大・八幡山グラウンドで行われた。試合序盤から再三ピンチを迎えた早大Bだったが粘り強いディフェンスで明大Bのアタックミスを誘い、難を逃れる。先制を許したものの、立て続けに2トライを挙げて逆転に成功する。しかし、アンラッキーな形での失点もあり10-21と11点をリードされて前半を折り返す。続く後半はオフロードパスを巧みに繋いだ早大Bが先に試合を動かした。明大Bにすぐさま1トライを返されるが、スクラムで優位に立った早大Bは34分に点数を追加し、24-28と4点差にまで詰め寄る。しかし、試合終了間際に勝負を決定づけるトライを明大Bに奪われ、ノーサイド。24-35、負け知らずの早大Bについに土が付いた。

ディフェンスを抜き去るWTB西浦

早大Bのキックオフから始まった今試合。早大Bは良い立ち上がりを見せられない。反則や明大Bの好キックで10分までに3度、自陣22メートルライン内への侵入を許した。しかし、辛抱強いディフェンスで前進させず、アタックミスを誘ってピンチを脱した。13分、早大Bは敵陣でのスクラムでフリーキックの反則を得ると、大外に大きく展開。待望のトライチャンスに見えたが、浮いたパスを奪い取ったのは明大B。そのままインゴールまで80メートル以上を走り切られ、思わぬ形で先制点をとられる。15分、18分にはWTB西浦岳優(社1=東福岡)やSH糸瀬真周(スポ3=福岡・修猷館)のアグレッシブなアタックで敵陣深くまで攻め込むが、ミスで流れをつかみ切ることができない。しかし21分、敵陣マイボールスクラムからの3次攻撃でSO仲山倫平(法3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)が相手のギャップを見逃さず前進すると、オフロードパスを受け取ったFL多田陽道(商1=東京・早実)がさらにゲイン。最後はライン際に走っていた西浦がトライを挙げた。続く30分、ゴール前でのラインアウトからBKラインに展開した早大BはCTB森田倫太朗(スポ2=兵庫・報徳)の位置でゲイン。ディフェンスラインの出足を遅らせると、大きく飛ばしたパスを受け取った西浦がまたもインゴールを駆け抜け、スコアは10-7。このまま早大Bペースになるかと思われたが、アンラッキーな形で2連続トライを奪われ、10-21と11点ビハインドの状態でハーフタイムを迎えた。

フィジカルの強みを見せるHO清水

迎えた後半、7分にSH宮尾昌典(スポ4=京都成章)が登場すると、早大Bアタックはさらに加速する。8分、ハイタックルの反則で敵陣深くまで前進した早大Bは明大Bの強烈なタックルに苦戦しつつもボールを継続。宮尾から早いテンポでパスを受けたCTB黒川和音(人3=茨城・茗渓学園)からHO清水健伸(スポ2=東京・國學院久我山)、最後は森田がインゴール中央に飛び込んだ。このまま逆転の糸口をつかみたい早大Bだったが、明大Bの多彩なアタックに翻弄され、12分にキックパスから簡単にインゴールを明け渡してしまう。どうにか流れを変えたい早大Bが投入したのはPR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)。20分、交代直後のスクラムで前田は明大Bスクラムを大きくプッシュし、コラプシングの反則を獲得。FW陣は一斉に雄叫びを上げ、ムードは早大Bへ。明大Bの統制されたディフェンスに攻め手を欠いていたが、32分、LO萩原武大(スポ3=茨城・茗渓学園)のキックチャージではじけたボールを上手くキャッチしたWTB清透馬(商4=茨城・茗溪学園)が前進。素早くアタックラインを完成させ、ボールを大きく展開した。逆サイドのライン際で待っていたFB植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)がディフェンスを引きずりながらインゴールを叩き割り、キックも成功。24-28とついに明大Bを射程圏内に捉えた。試合は最終局面を迎え、会場も熱気を帯びる。しかし、38分、明大Bが決定的なトライを挙げると、その後の反撃もむなしくノーサイド。24-35と早大Bは今季初めて敗戦を喫した。

後半からの出場で攻撃に違いを生み出したSH宮尾

「本当に悔しい」と清水と仲山は口をそろえて振り返った。これまで様々な難所を乗り越えてきた早大Bだったが、最大の山場で白星を落とした。チャンスの場面で得点に結びつけられないといった早大Bらしくないプレーもあり点差を縮めることが叶わなかった。しかし、明大Bの強力なフィジカルにも引けを取らず、スクラムでもプレッシャーをかけたことは事実。これまで磨いてきたディフェンスではピンチを何度もはねのけ、最終盤まで勝負を決めさせない粘り強さを見せた。ジュニア選手権はこれで終わりではない。優勝を決めるプレーオフトーナメントへ向け、早大Bはさらに強くなることだろう。この敗戦を受けて一段と完成度を上げる早大Bから目が離せない。

記事:村上結太 写真:安藤香穂(早稲田スポーツ新聞会)