10月も後半となり、冷たい秋風が強く吹き付ける明大・八幡山グラウンドにて、早大Cは明大Cとの一戦を迎えた。前半3分、早大Cは明大Cに隙を突かれ先制点を許し、食らいついたものの流れを掴みきれず、明大Cに2トライの差を許し前半を折り返す。早大Cは流石の修正力を見せ、後半開始から連続で4トライを挙げる。逆転に燃える明大Cの猛攻に苦戦しながらも、48-47と1点差で白星を飾った。
アウェイの空気感の中、早大Cボールから幕開けした今試合。しかし、強風の影響もありボールが10メートルラインを越えることができず明大Cのセンターボールスクラムから試合は展開された。思わぬ形でボールを渡した早大Cはそのままの勢いで自陣に攻め込まれ、瞬く間に先制トライを許した。ゲームキャプテンを務めたSH清水翔大(文4=東京・早実)が試合後「明大の強いキャリーやサイズの大きい選手に引いてしまって劣勢に回ってしまった」と語るように、その後も自陣22メートルライン付近でのディフェンスを強いられる。流れを変えたのは20分、敵陣22メートルラインでのマイボールスクラムから右に回し、CTB佐々木豪正(文2=東京・早実)が中央でラインブレイクしてゴール前へと一気に足を進めた。さらにCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)へとパスが渡され、FB髙栁壮史(創理3=東京・早大学院)がインゴールを走り抜けた。その後、1トライを取り合いながらも逆転の兆しが見えた早大Cは続く30分、相手ボールキックオフから自陣22メートルライン中央でSO島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)からWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)へとをパスを回し、左に回ってきた島田に再びボールが渡る。密集したラックで明大Cのオーバーザトップを誘い、ペナルティキックで陣地を広げた早大C。しかし敵陣アタックで外にパスしたところを明大Cがインターセプト。独走トライを許してしまう。その後も明大Cのディフェンスに苦戦を強いられ、17-33と2トライ差で試合を折り返した。
後半は早大Cが底力を見せつける。後半3分、ハーフウェイラインマイボールスクラムを見事に押し込み、島田、佐々木へとパス。髙栁が明大Cのディフェンスラインを引き裂きトライを決めた。このトライを皮切りに早大Cは勢いづき、その後連続2トライで36-33と逆転。波に乗った早大Cは20分、ディフェンスで明大Cを追い込み、ライン際でのミスを誘う。中盤でのマイボールスクラムからBKへと回ったボールはゴール前へと運ばれ、LO小林光晴(文1=福岡)へとパス。しかしここは、明大Cの固いディフェンスによってゲートオフサイドの反則を犯してしまう。絶好のチャンスを逃したと思われた早大Cだったが22分、相手ボールラインアウトから漏れ出たボールを鈴木がキャッチ。見事なステップで明大Cディフェンスを寄せ付けず、独走トライを決めた。10点の差をつけた早大Cだったが28分、キックがデッドラインを越えてしまい自陣ゴール前スクラムという状況に追い込まれる。奮闘した早大Cであったが抑えきれずにトライラインを割られた。その後早大Cは1トライを返すも、試合終盤に差を縮められる。苦戦し続けた早大Cであったが、奮闘の甲斐あって48-47と1点差で辛勝し、笑顔を見せた。
トライの取り合いや自陣ゴール前での相手ボールセットプレーに苦戦するシーンが印象的であった今試合だが、No.8髙橋松大郎(スポ2=愛媛・松山東)が「きつい時間帯にエナジーを出し続け、自分だけじゃなくチーム全体を鼓舞することを意識していた」と振り返るように、試合終了まで手を緩めることなく彼ららしいディフェンスを続け、見事に勝利を収めた。この試合の直前に行われたジュニア選手権では早大Bが今季初の黒星を許したが、仇をとる形で勝利を飾った早大C。彼らの活躍は確実にチーム全体の士気を高め、チーム内での争いはより熾烈を極めるだろう。関東大学対抗戦での『赤黒』を目指し、一試合ごとに成長を続ける早大Cに今後も注目していきたい。
記事:伊藤文音 写真:高木颯人(早稲田スポーツ新聞会)