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2024
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関東大学対抗戦 慶應義塾大学戦/観戦記

いよいよ関東大学対抗戦も終盤にさしかかり、タフな試合が続く中、早大は宿敵・慶大との一戦に臨んだ。101回目となる今節の早慶戦。伝統ある試合を一目見ようと、約1万5千人もの観客が会場に足を運び、大きな盛り上がりを見せた。早大は序盤からセットプレーで相手を圧倒しチャンスを得ると、次々と得点を重ねていく。ミスからPGを1本沈められてしまったものの、計5トライを挙げ、38-3とリードを広げて前半を折り返す。しかし後半は両者共にミスが続き、なかなかスコアが動かない拮抗した展開に。それでもなおスクラムで優位に立った早大は、さらに3トライを追加。最終スコア57-3で勝利し、対抗戦・優勝へ王手をかけた。

ディフェンスをブレイクするPR亀山昇太郎(スポ4=茨城・茗溪学園)

試合は早大のキックオフで幕を開ける。開始からスクラムで相手ペナルティーを誘発し、チャンスを得た早大であったが、慶大の粘りのディフェンスを前にトライを取り切ることができない。7分、早大に好機が訪れる。慶大のオフサイドの反則から早大は3点を狙う。しかし精密なCTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)のキックは左に外れ、先制点とはならない。早慶戦の難しさを感じさせるような立ち上がりとなったが、直後の10分、WTB田中健想(社1=神奈川・桐蔭学園)がライン際で起点を作ると、SO服部亮太(スポ1=佐賀工)からの鋭いパスでHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が抜け出す。LO米倉翔(スポ2=福岡・修猷館)からのラストパスを受け取ったNo.8鈴木風詩(社4=國學院栃木)がゴール左へ飛び込んだ。13分には、慶大のハイパントを服部が冷静に処理。田中(健想)が持ち前の身のこなしの良さで相手ディフェンスを軽やかに交わし、ビックゲイン。SH細矢聖樹(スポ4=國學院栃木)が素早く捌き、最後は服部自らインゴールを叩き割った。17分、慶大にフェーズを重ねられ、たまらず反則を犯してしまった早大。PGを沈められ、14-3と得点を許してしまったが、ここで流れを渡すことなく猛攻を仕掛ける。27分、早大は服部の50:22からモールトライに成功。さらに立て続けに2トライを追加し、38-3と大きく点差をつけて前半を終えた。

力強いランニングを見せるHO佐藤

慶大ボールで始まった後半だが、互いにミスが重なり、膠着した展開が続く。そんな均衡状態を破ったのは早大だった。10分、敵陣5メートルのマイボールラインアウトから早大はテンポの良いアタックを継続。敵陣奥深くでフェーズを重ねると、最後は服部からロングパスを受け取った田中(健想)がゴール右隅へトライした。続く22分には、佐藤主将のラインブレイクから一気に敵陣まで侵入することに成功。服部が大外で待っていたWTB池本晴人(社2=東京・早実)へ正確なキックパスをつなぎ、そのままグラウンディング。50-3とリードを47点に広げる。そして、試合終了間際にもFWが体を当て続け、ゴールライン目前まで攻め込む。FB矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)、HO安恒直人(スポ4=福岡)と右に素早く展開し、最後はCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)がダメ押しのトライ。57-3で対抗戦・連勝記録を6に伸ばした。

積極的なボールキャリーで攻撃を牽引したLO米倉

伝統の一戦で大差をつけて勝利を収めた早大。「トライラインを割らせないという強い思いを持ってプレーできていることが今日の結果につながった」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)が評するように、今季力を入れてきたスクラムとディフェンスで慶大を圧倒し、ノートライに抑えたことは大きな成果と言えるだろう。一方で「後半のきつい時間になるにつれて乱れが出てしまったシーンがあった」(佐藤)。次戦は宿敵・明大との大一番。80分間いかに精度高くプレーし続けられるかが勝利のカギとなるだろう。対抗戦優勝、そしてその先の『荒ぶる』獲得へ、赤黒戦士の躍動に期待が高まる。

記事:安藤香穂 写真:村上結太、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)