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2024
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関東大学対抗戦 明治大学戦/展望記

毎年、12月の第一日曜日に開催される早明戦は100度目のキックオフを迎える。関東大学対抗戦・最終節に行われるこの一戦にはこれまでいくつものドラマが生まれ、人々に興奮と感動を与えてきた大学ラグビー随一の好カードだ。今年は第100回にふさわしく、対抗戦優勝を決める天王山となる今試合。無傷の6連勝を飾り、単独首位に立つ早大が王手をかけているものの、この80分は何が起こるかわからない。「国立競技場での開催、そして第100回、さらに全勝がかかっている。いろんなプレッシャーに負けず、自分たちを見失わないようにプレーしたい」と早明戦への意気込みを語ったHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)。節目の一戦に向けて、堂々たる決意表明だった。

ディフェンスに仕掛けるHO佐藤

前節は11月23日に行われた慶大戦。伝統校の矜持がぶつかり合う大一番は早大の見事な試合運びで57-3と大差をつけて6つ目の白星を飾った。序盤からセットプレーで圧倒した早大は7分に得た反則からペナルティーキックを選択する。距離、角度共にCTB野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)の射程圏内で先制点は確実かに思われたが、ボールは左に逸れた。早慶戦の難しさを感じさせる立ち上がりになったものの、早大はすぐに流れを掴む。10分、No.8鈴木風詩(社4=國學院栃木)が待望の先制トライを挙げるとそこから一気にラッシュに入る。前半だけで5トライを挙げ、38-3と大きく慶大を突き放して前半を終えた。続く後半も、ミスはあったものの慶大にインゴールを割らせることはなく、57-3で伝統の一戦で大勝を果たした。

アタックラインにボールを供給するSH細矢

対する明大はFWの強烈なコンタクトと前進、BKの多彩かつ重層的なアタックが融合された隙のないラグビーが魅力。その圧倒的攻撃力で日体大を101-0で粉砕すると、筑波大戦では31-0と完封での勝利を見せ、攻守ともに高い水準を誇るオールラウンドなチームだ。注目選手、BKはWTB安田昂平。先週行われた帝京大とのジュニア選手権決勝でゲームキャプテンを務め、6年ぶりの優勝を決めたチームの精神的支柱が対抗戦に復活した。紫紺のトライゲッターが満を持して早大に牙をむく。そしてFWはNo.8木戸大士郎主将。1年時からレギュラーを獲得した大器は鋭いタックルと激しいボールキャリーで明大を象徴する選手となり、チームにエナジーを与える。前節の帝京大戦で28-48と敗戦し、大粒の涙をこぼした熱き闘将が重戦車を率いて早大のインゴールに襲い掛かるだろう。

早大のキープレーヤーはSH細矢聖樹(スポ4=國學院栃木)。ラストイヤーとなった早明戦、並みならぬ思いで国立の舞台に登場する。また、PR亀山昇太郎(スポ4=茨城・茗溪学園)にも注目したい。今季の早大スクラムの躍進を担う生粋のスクラメイジャーは必ずや明大相手でも押し勝ち、赤黒に勢いをもたらしてくれるだろう。また、リザーブにはHO安恒直人(スポ4=福岡)やFL清水健伸(スポ2=東京・國學院久我山)、SH宮尾昌典(スポ4=京都成章)など戦況を変えうるスタープレイヤーが出番をうかがっている。的確なベンチワークで明大に勢いを渡すことなく80分間を終えることができるか、大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)の手腕にも期待が高まる。

ディフェンスをブレイクするPR亀山

激闘になることは必至の宿敵との一戦。「すべてのプレーに対して粘り強く戦うことがポイント」と大田尾監督が強調するように、激しい殴り合いを我慢強く戦いきることができるかが勝負のカギとなるだろう。対抗戦優勝を目の前に、立ちはだかるのは最大の敵。紫紺の壁を破壊し、6年ぶりの歓喜へ。そして、『荒ぶる』へ。両雄は12月1日、国立競技場で相まみえる。

記事、写真:村上結太(早稲田スポーツ新聞会)