17年ぶりに対抗戦全勝優勝という快挙を成し遂げた早大。この偉業の陰には、下部カテゴリーの選手たちの奮闘がある。これまで多くの白星を重ねてきた早大Bは早大・上井草グラウンドにて、ジュニア選手権の3位決定戦である東海大B戦に挑む。今シーズンのジュニア選手権は出場校の秋季公式戦の日程を鑑み、プレーオフトーナメント決勝戦は行わず、順位決定戦のみの実施となった。この変更により決勝進出の道を絶たれた早大B。しかし、ジュニア戦の最終戦となる今試合では、今シーズンの集大成とも言える熱いパフォーマンスを見せてくれるに違いない。
総当たり戦最終節では、宿敵である明大Bと対戦した早大B。アンラッキーな形での失点が続いたものの、今勢いのあるWTB西浦岳優(社1=東福岡)が2トライを奪い、試合を立て直した。前半は10-21とリードを許して折り返す。続く後半は、早大Bが最初に試合を動かし、一時は点差を4点差までに縮めたが、試合終了間際、明大に勝負を決める追加点を奪われ、24-35でノーサイド。春シーズンから対外試合で無敗を誇っていた早大Bが初黒星を喫した。
今試合の相手である東海大Bとは、今年10月にも対戦しており、その際は早大Bが36-21で勝利を収めている。しかし簡単な戦いではなかった。東海大Bは身体能力の高い留学生選手を有しており、今試合でも彼らを中心に、早大Bディフェンスに襲いかかってくるだろう。
早大Bの注目はなんと言っても期待のルーキーたちだ。今シーズン、輝きを放つスクラムの要となるフロントローには1年生のPR杉村利朗(社1=東福岡)、HO田中健心(スポ1=神奈川・桐蔭学園)、PR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が並ぶ。特に、前節の明大B戦で後半に投入され、スクラムで圧倒的な強さを見せつけた前田には注目が集まる。さらに、LO小林光晴(文1=福岡)とLO久我真之介(文構1=東京・早実)、FL多田陽道(商1=東京・早実)のワークレートの高さからも目が離せない。BKでは安定したプレーでチームを支える西浦(岳)とFB植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)に加え、競争が激しいSHは今試合、渡邊晃樹(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が抜擢された。テンポの良い球さばきで早大Bアタックに勢いを生み出すことができるか。また、リザーブには推進力のあるLO龍康之助(文構1=東京・早大学院)、ゲームメイクに優れたSO島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)、巧みなステップで相手ディフェンスを切り裂くFB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)といった、これまでの試合で結果を残してきた選手が名を連ねている。これらのフレッシュな戦力が早大Bをさらに加速させることだろう。
ジュニア選手権もついに最終戦。佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が「勝ち癖のあるチームにならなければならない」と語るように、これから全国大学選手権に臨む早大としては負けられない試合となる。ジュニアカテゴリーでの勝利、そしてその先にある『赤黒』と『荒ぶる』に向けて、最後まで足掻き続ける早大Bの活躍から目が離せない。
記事:大林祐太 写真:安藤香穂(早稲田スポーツ新聞会)