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2024
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ジュニア選手権 3位決定戦 東海大学戦/観戦記

冬の寒さが一段と厳しさを増し、今シーズンの終わりが近づいていることを感じさせられた早大・上井草グラウンドでは、ジュニア選手権3位決定戦・東海大B戦が行われた。これまで数々の白星を重ねてきた早大B。最終戦を勝利で締めくくり、来週末に控える大学選手権へ弾みをつけるためにも、熱い戦いが期待されていた一戦。試合開始直後、早大Bはペナルティーを犯し、先制点を許す。しかし、その後は素早い展開と正確なキックでエリアを支配し、トライを重ねて29-12とリードしたまま前半を折り返した。迎えた後半、早大Bは自らのミスで試合の流れを掴み切れず、東海大Bに得点を許してしまう。一時は3点差まで詰め寄られる苦しい展開となったが、途中投入された選手たちが流れを引き戻し、最後は50-26と大差をつけて試合を締めくくった。

インゴールへ独走するCTB金子

SO仲山倫平(法3=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)のキックオフで試合が幕を開けた。先に試合を動かしたのは東海大B。前半3分、早大Bは自陣でペナルティーを犯し、先制点を許してしまう。しかし、早大Bはすぐに反撃に転じ、流れを渡さなかった。前半7分、敵陣ゴールライン間近のマイボールスクラムから、SH渡邊晃樹(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がボールを持ち出し、それを受け取った植木太一(人1=神奈川・関東学院六浦)が力強くインゴールにねじ込み、5-7と追い上げる。勢いに乗った早大Bは前半13分、仲山のパスを受けたWTB西浦岳優(社1=東福岡)が前進し、オフロードパスでWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)に繋ぐ。鈴木が鋭いステップで相手ディフェンスを次々とかわし、トライエリアに飛び込んで10-7と逆転に成功。続く16分には、仲山のハイパントをキャッチした西浦がそのままトライラインに滑り込み、リードを広げた。東海大Bの連続攻撃で流れを奪われかけるも、鈴木の素早いディフェンスでスローフォワードを誘い、相手の攻撃を断ち切る。攻撃だけでなく守備でも鈴木が存在感を発揮した。前半24分にはスクラムでペナルティーを獲得し、敵陣深くまで攻め込むと、仲山が大きくゲイン。その横をサポートしていた渡邊がグラウンディング。22-7と点差を広げた。その後は両チーム得点を重ね、29-12で前半を折り返した。

攻守で貢献したWTB鈴木

迎えた後半、再び東海大Bに先制を許す。後半13分にはLO久我真之介(文構1=東京・早実)がデリバレイトノックオンでシンビンを受け、1人少ない不利な状況で戦うことを余儀なくされる。さらに得点を重ねられ、29-26と点差を3点まで詰め寄られる苦しい展開となった。しかし、後半投入された選手たちが流れを引き戻す。SO島田隼成(スポ1=福岡・修猷館)のキックで敵陣深くまで攻め込むと、ラインアウトモールからHO田中健心(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が起点を作り、FWがフェーズを重ねる。最後はPR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が力強くトライラインを叩き割り、36-26とリードを広げる。続く27分には途中出場のLO龍康之助(文構1=東京・早大学院)が大きくゲインすると、ボールはFL野島信太郎(教2=東海大大阪仰星)に渡り、トライを決めた。島田のゴールキックも決まり、43-26。試合終盤には島田が自ら蹴ったボールを獲得して前進。BKで素早く展開し、ボールを受け取ったCTB金子礼人(法3=福岡・西南学院)が追加点を挙げた。島田が冷静にゴールキックを沈め、50-26でノーサイド。勢いを取り戻した早大Bがスコアを広げ、勝利を収めた。

途中出場でチームに勢いをもたらしたFL野島

ジュニアカテゴリー最終戦を白星で飾った早大B。今試合ゲームキャプテンを務めた金子が述べたように、前後半ともに試合の立ち上がりとペナルティーの多さに課題を残す。しかしシーズンを通じて磨き上げてきたディフェンスで試合の流れを作り出した。また、スタメン15人中9人が1年生というフレッシュな布陣で、東海大Bを相手に勝利を収めたことは、チームにとっても大きな意義を持つ一戦となっただろう。公式戦は残すところ全国大学選手権のみ。金子が「まだ選手権に出場することは諦めていない。自分がグラウンドに立って早大の優勝に貢献したい」と語ったように、『赤黒』と『荒ぶる』を掴み取るため、最後まで足掻き続ける。

記事:大林祐太 写真:村上結太、堀内遥寿(早稲田スポーツ新聞会)