雲一つない青空の下、冬の深まりを感じさせる冷たい風が吹く早大・上井草グラウンドで、早大Cと東海大Cのトレーニングマッチが行われた。ゲームはロースコアの接戦に。序盤から東海大Cの力強いコンタクトに押され、エリアマネジメントに苦戦する早大C。拮抗した試合展開の中、先に2トライを奪われた。前半終了間際に1トライを返し、7-10となんとか点差を縮めて試合を折り返した。後半に入ると早大Cの攻撃が繋がり始める。ポゼッションで優位に立ち流れをつかむと、序盤で逆転に成功する。しかし、東海大Cの圧力を前に、連続得点を挙げられず再びリードを奪われてしまった。それでも集中を切らさず、粘り強く敵陣で攻撃を継続し、終盤に再逆転。そのまま逃げ切り、17-15と2点差の接戦を制した。
試合は東海大Cのキックオフで開始。早大はSO田中大斗(教1=東京・早実)を中心にキックを使ったエリア戦術を仕掛ける。しかし上手く陣地を広げられず、東海大Cの勢いあるキャリーに押し込まれていく。ゴール前で立て続けにラインアウトのピンチを招き、最後は連続攻撃からディフェンスを崩され先制トライを許した。その後も東海大Cの攻撃は続き、セットプレーでも押し込まれる苦しい立ち上がりの早大C。粘り強い守備で我慢の時間を過ごすも、30分にはゴール前のモールからついに追加点を奪われリードは10点に広がった。迎えた前半終了間際、粘り強い守備から徐々にエリアを回復していくと、敵陣で攻撃を重ねる。勢いそのままにゴール前まで侵入すると、最後はLO小松輝也(スポ2=大阪・常翔啓光学園)が反撃のトライを挙げた。SO田中のゴールキックも決まり、7-10と点差を縮めて試合を折り返した。
後半に入ると早大はボールを保持しアタックを継続する戦術に切り替える。横に広く攻撃を展開し、東海大Cの陣地に襲いかかった。フェイズを重ねインゴールに迫ると、BKが大外まで巧みに繋ぎきり、CTB佐々木豪正(文2=東京・早実)がゴールラインを割る。後半8分と早い時間帯で逆転に成功した。流れに乗った早大Cは高いポゼッションを保ちながらエリアの攻防でも優位に立った。しかし、東海大Cの激しさは衰えず、攻め込まれながらも堅いコンタクトでインゴールを明け渡さない。試合は前半同様に硬直状態に入った。試合を動かしたのは東海大C。後半22分のモールを起点に早大Cは陣地深くまで一気に攻め込まれ、力強い突進を止めきれずに12-15と再びリードを奪われてしまった。しかし集中を切らさなかった早大Cは、その後も持ち味の連続攻撃で着実にゴールラインに迫り、ゴール前で東海大Cディフェンスを翻弄。後半33分のチャンスの場面でCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)が左サイドへキックパスを送ると、大外で待つWTB小澤アンディ(法3=千葉・流経大柏)が受け取りそのままインゴールに飛び込んだ。17-15と再逆転に成功し迎えた最終盤。東海大Cの執念の反撃を受ける。ゴール前でラインアウトから東海大Cがモールを形成し早大Cのインゴールに迫った。このピンチにFWが奮起し東海大Cの反則を誘うと、続くスクラムでもペナルティーを獲得し、危険なエリアを脱した。その後も攻め込む東海大Cを止めきり、17-15で接戦に幕を下ろした。
翌日に4年早明戦が控える影響で、若い顔ぶれとなった今試合のメンバー。フィジカルで上回る相手に対し、粘り強いディフェンスで最小失点に抑えた経験は、確かな自信につながっただろう。一方で選手たちからは反省の声がいくつも挙げられた。常に高みを目指す執念が下級生にも根付いている様子がうかがえる。シーズンも終盤を迎え、赤黒への挑戦も激化していく師走。少しでも上へ、赤黒を着て全国大学選手権に。早大の選手たちの戦いはまだまだ終わらない。
記事:西川龍佑 写真:安藤香穂(早稲田スポーツ新聞会)