チーム佐藤の追い出し試合を明日に控える今日、大田尾監督が今シーズンを振り返ります。
2024シーズン、チーム佐藤のスタートは京都産業大学戦からの敗戦。
大学選手権準々決勝で敗退し、“荒ぶる”はおろか、年越しを果たせずにチーム伊藤は幕を閉じた。
「大事にしていたものが崩れた」そのような状況の中、学生たちは多くの不安を抱えながら、チーム作りにフォーカスして自分たちのやるべきことに取り組んだ。
“早稲田”とは何か。その本質を見つめ直すというところからスタートした。
2024年1月9日からチーム佐藤が始動。“早稲田”を見つめ直しながら積み上げたものが、一つ表れた瞬間は、5月12日の春季大会と同日に行われた流通経済大学B戦だった。
試合は前半を35-0で折り返し、順調な試合運びが後半も続いた。後半17分には54-0というスコアだったが、後半28分に1トライを相手に奪われた。
その瞬間に出たBチームの選手たちの悔しい顔を見たときに、“早稲田”のプライドが戻ってきた、という感覚を覚えた。
プライドが戻った感覚を受けてからも常にこの感覚を感じ、右肩上がりの成長を続けた。
シンプルに言えば順調に進んでいた春シーズン。
その最終戦、6月16日の春季大会帝京大学戦で大敗を喫したものの、試合で発揮されていたスキルやセットプレーには確かな手応えを感じた。
春シーズンを終え、夏を迎えても自分たちのやるべきことにフォーカスし、成長を続けた結果、菅平には非常にいい状態で入山することができた。
入山して多くの練習と試合を経て迎えた、8月18日練習試合帝京大学戦。
38-14で試合を終え、久しぶりに早稲田のAチームが帝京に勝利し、春と夏の成長を改めて感じた。
前日にはCD戦も行われ、C戦は惜しくも26-28で敗戦したが、D戦では粘り強く戦い続け29-26で勝利を収めていたし、18日のA戦直後に行われたB戦では41-21で勝利した。
全てのカテゴリーが確実に成長したことを証明した。
こうして確実な成長を遂げることができたのは、4年生が一生懸命に頑張ってくれたおかげであり、この頑張りには敬意しかない。
菅平を下山してからも全員がハードワークを続け、対抗戦を17年ぶりの全勝優勝という結果で締めくくり、大きな収穫を得ることができた。
優勝する経験を3年以下の後輩たちに味わわせてくれたのは、大きな財産だと感じる。
大学選手権は、決勝の舞台で力及ばず負けてしまったものの、試合内容は悲観するものではなかった。「結果として負けた」だけで、1年間積み上げてきたものを出し尽くしてくれた試合だった。
今季を振り返るのなら、
4年生が自分たちのチームを良くするために、いかにコミットするかという重要性をもう一度示してくれたこと、
そしてチームを良くするためのコミュニケーションがチームにとって必要不可欠なことであること、
4年生の背中を見てインディビジュアルの練習をやるメンバーが非常に増えたこと。
“早稲田”の伝統の継承という意味で、4年生は非常に大きなものを遺してくれた。
2025シーズンは、本当に日本一になるべく、そして次のステージに進むために、また全員で努力していく所存であるし、そのように思わせてくれたのはチーム佐藤のメンバーの力だと思っている。