雨模様の中、秩父宮ラグビー場にて東日本大学セブンズラグビーフットボール大会が開催された。チーム野中初の公式戦で今季の流れを左右する重要な大会だ。
初戦の相手は東洋大。先制点こそ許したものの、多彩な個人技でリードを広げCHAMPIONSHIPトーナメントの切符を勝ち取った。トーナメント1回戦で青山学院大を圧倒し、宿敵明治大との準決勝へと駒を進めた。迎えた準決勝は前半2トライをあげ、優勢で折り返すも後半に3トライを許してしまい、昨年に続きベスト4の壁を越えることができなかった。

初戦は東洋大のキックオフで試合が始まった。試合開始早々、仲山倫平(法4=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)の鋭いタックルで試合の流れをつかんだかと思ったが、東洋大のロングキックで意表を突かれファーストトライを許してしまう。
このまま流れを渡したくない早大は東洋大のペナルティーから糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)が素早いリスタートで相手ディフェンスをブレイク。山下恵士朗(スポ2=早稲田佐賀)にオフロードを繋ぐと最後は仲山がインゴールにボールを運んで試合を振り出しに戻す。
ここから早大の猛攻が始まる。前半終盤には佐々木豪正(文3=東京・早実)がダメ押しのトライを沈め、17-7で10点リードで前半を折り返す。
後半は両者トライを奪い合う展開となった。しかし、試合終盤に狹間大介(スポ3=福岡)が強烈なアタックでラインブレイクすると試合を決めるトライを沈め、リードを守った早大が29-21でCHAMPIONSHIPトーナメントへ駒を進めた。

CHAMPIONSHIPトーナメント1回戦、青山学院大との一戦はまさに圧勝であった。青山学院大ボールでキックオフの笛が鳴ると、平野仁(スポ2=神奈川・法政二)と髙栁壮史(創理4=東京・早大学院)のトリックプレーで先制トライをあげる。
そこから早大の猛攻は止まらず、立て続けに5トライを叩き込み、34-0で後半を迎える。
後半も平塚英一朗(法3=東京・早実)のノーホイッスルトライで幕を開けると、3トライを追加し、合計10トライをあげて54-0で完封勝利を収めた。

迎えた山場の準決勝。宿敵明治大を相手に昨年度の結果を超えられるか、試合の火蓋は紫紺のジャージーが切った。
試合序盤から明大の素早いアタックが猛威を振るうが、西浦岳優(社2=東福岡)が好守で流れを断ち切る。陣地獲得を狙いマイボールラインアウトからロングキックを放つと、西浦が自慢の快速で大外から一気に駆け上がり、ジャッカルに成功。そのまま速攻を仕掛け、待望の先制トライをあげる。
再開後のプレーでは糸瀬が自ら奪ったペナルティーを素早いリスタートで仕掛け、応援に来ていた部員たちを指さすパフォーマンスを見せながらインゴールを駆け抜けた。
そのままリードを保ち、14-0で前半を折り返した。
続く後半は開始直後に試合が動いた。ラック際の一瞬の隙を突かれ、トライを奪われてしまう。反撃の狼煙をあげた明大と一進一退の攻防を繰り広げ、試合は最終局面へ。明大の連続アタックでできたディフェンスラインの間を抜かれ、同点に追いつかれてしまうと、試合終了間際にダメ押しのトライを押し込まれ14-19で苦汁をなめる結果となった。

結果はベスト4。昨年を越える成績を残すことはできなかったものの、試合の随所で現れた選手たちのスキルの高さには目を見張るものがあった。アピールの場ともなったこのセブンズを経て、内部競争はさらに激化していくだろう。
来週からついに開幕する関東大学春季大会。熾烈なレギュラー争いから目が離せない。
記事:堀内遥寿 写真:安藤香穂、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)